もしも強化が来ても、今後リトルマック使い達の心が晴れない理由。
今後も永遠に晴れないであろうリトルマック使い達の怒りについて書いたのがこの記事だ。
この記事でゲーム調整の構造的な問題点や不安定なデザインのキャラクターがどのような結末を迎えるのかを考察する。
・"構造"を理解することの重要性
これはどんなゲームでも(オンラインゲームでも純粋な格闘ゲームでも)大体そうなのだが。
ゲームの基本システムから逸脱しているキャラクターであればあるほど、調整は不安定なものになる。(①極端に弱いか、②極端に強いか、③もしくはその間を往ったり来たりするか)
これは当たり前の話で、そのキャラのデザインがゲームに適合していないため作っている人間すらコントロールができていないのだ。
その構造を理解していると、大乱闘スマッシュブラザーズSPというゲームにおいて、リトルマックというキャラクターを選ぶこと自体にリスクが存在することがわかるようになる。
(※当然遊び始めた人間にはそんなことがわかるわけないのだが)
・リトルマックはスマブラの基本的な構造から逸脱しすぎている。
地上戦が異常に強く、空中では目も当てられないなどというキャラクターは大乱闘スマッシュブラザーズというゲームにおいて破綻しているデザインだ。
アーマーが条件問わず常時ついた謎のスマッシュに貧弱で存在意義がほとんどないSPの空中攻撃激強システムから見放された空中攻撃。弱すぎる復帰。
キャラクターデザインがゲームの根本的な部分からズレすぎている。
KOゲージも独自システムで、インパクト重視のKOパンチも火力が高すぎてガードを貫通してしまうがちょっとの吹っ飛ばしで解除されるという異常なピーキーさ。
もう、不安定極まりない。この基本から逸脱したデザインコンセプトのせいで作っている人間すら手が付けられなくなってしまっている。
それが、リトルマックというキャラクターなのだ。
(※しかし、こういった構造を遊んでいるプレイヤーに"暗に理解しろ"と説教するのは間違っていると思う)
・なぜ、コンセプトが破綻してしまうのか
理由は簡単で、作り手の想像力が著しく欠如しているからだ。
どんなゲームでも新しいキャラクター(新要素)を追加すれば一時的にゲームは盛り上がる。
だから、作っている側の人間は客寄せのために後先考えずに派手な新要素を盛り込みたがる傾向にある。
新要素にゴーサインを出す人間にそのゲームを遊び続けるプレイヤーに対する責任なんてものはかけらもない。ただ目立って売り上げを伸ばすことしか考えていない。
これはゲームを売る人間としては正しいが、長期的に見ればユーザーの信頼を切り売りするような行為だ。
あなたはゲームを遊んでいて、こういう経験はないだろうか?
「こんな魅力的な新キャラが登場します!」「こんな魅力的な新職業が登場します!」
そして実装してみれば――
「バランスは滅茶苦茶で、ゲームが崩壊しているじゃないか!」
「壊れキャラ乙」「産廃じゃんこんなキャラ」
――こんなザマになる。
ゲームに客寄せをする側の人間は、そのゲームをやり込もうとするプレイヤーの存在自体を認知していない。
ただただ無責任に後先考えずに基本からズレた極端な職業や色物のキャラクターを客寄せ(売上)目的で実装するのだ。
つまり、極端な性能のキャラクターを実装してしまって調整が出来なくなってしまうのは、使い込むプレイヤーの存在を想定できなかった(あるいは、しようともしなかった)ゲーム製作者が原因というわけだ。
この構造を理解して割り切ることができないと、遊び続けるプレイヤーは地獄を見る。
プレイヤーから一度使い続けてしまえば、使い続けているキャラクター故に愛着が出てしまう。
そして、捨てられなくなる。
強化が来るかもしれない。バランスが良くなるかもしれない。
そう願い続けて長期にわたってストレスを抱え続けることになる。
結論から言うと、その後に彼らが行き着くのは完全なる無だ。
・こういった不安定なデザインで弱いキャラクターの未来はいつも決まっている
確実に予想できるものではないが、リトルマックに降り注ぐ今後の悲劇を予想していきたい。
①強化自体がもう来ない
考えてみてほしい。リトルマックが強くなってこのゲームでバリバリ戦えるような未来のスマブラSPを。
今のリトルマックのまま、ジョーカーやゼロサムと戦えている光景を考えてみてほしい。それは異常な光景だ。
どれだけぶっ壊れたキャラにしたらそうなるのだろう?
そうなってしまった場合リトルマックと戦うゲームプレイヤー全体が抱えるストレスは多大なものになると思う。
『だから、リトルマックはこれ以上強くならないよ』というパターン。
このパターンの何が恐ろしいかというと死刑宣告がなされないという点だ。
「今後、リトルマックの強化は来ません」と公式がアナウンスしてくれるわけではないのでプレイヤーの期待がいつまでも残る。それが悲劇につながる。
②強化が来ても弱い
落としどころとして一番ありうる未来だ。
結局基本のコンセプトがぶっ壊れすぎていて破綻しているのでどう足掻いても上位キャラと戦えるレベルまで強くすることができない。
だから強化が来たとしてもパッとしない。1,2キャラ有利キャラが出来て終わりというパターン。これは結局弱いままだ。
③強化が来るが、ゲーム全体が歪になり、結局弱体と強化を繰り返す。
とりあえず強くしてみたが、ゲームのバランスがおかしくなり再び弱体。
そして弱すぎるので強化、弱体、強化、弱体を繰り返すパターン。
作り手が右往左往して使い手のストレスが極限状態に向かう最悪のエンドだ。
(※スマブラではここまでの事態は未だに起きていないが、他のゲームで死ぬほど見てきたパターンだ)
・結局、『マックを作り出した側の人間がマックを調整しきれない(文字通り手が付けられない)』
今のリトルマックのキャラクターデザインのままでは基本からズレすぎていて手が付けられず未来がない。
ではどうすれば良いのか――というとコンセプトが失敗していたことを作り手が認めてゼロからの作り直しをしなければいけない。
いわゆるキャラをゼロから構築しなおすリワークという作業だ。(ちなみにスマブラではめったにないが、ゲームによっては普通に起こりうる現象だ)
最近ではアイクがこれに該当しうるだろう。
空Nという同じキー技だけをぶんぶんぶんぶん降り続けてそのままバーストまでもっていくという破綻したデザインを作り直すために空Nからのバーストをやりづらくし、他のバースト手段を作ることでキャラクターの作り直しを計ったようだ。(しかし、実際は別に立ち回りの幅が増えたわけではないのでアイクは未だに空Nをぶんぶん振っている。新生という意味では調整は失敗したと言わざるを得ない。現状キャラクターとしてただランクが落ちただけだ)
しかし、リトルマックの場合リワークも難しいかもしれない。
言い方が悪いが例えるならアイクのデザインには癌があって、癌(空N)を切除して他の技(地上技等)を調整して多々ある振る技の一つとして作り変えればそれでリワークは充分できうる話だ。
しかし、今のリトルマックは全身に癌が転移しているような状態だ。全身が癌というか、特定の技がどうこうじゃなくて根っこの部分から問題を抱えている。末期で手遅れだ。
リトルマックは邪悪な癌細胞の肉体で戦っているような状態だ。(※リトルマック使いの人たちごめんね)
こうなると作り直しの労力は莫大なものになる。
スマブラにおいてキャラクターの開発には莫大な時間がかかる。
既存のキャラを作り直すリソースをスマブラの製作者がリトルマックに割くとは思えない。
何よりリワークするということは、今のリトルマックが消滅することになる。
プレイヤーからしても『誰だコイツ』みたいな別人になったマックには違和感を感じるだろう。
・結局プレイヤーにできることは、構造を理解した上でスマブラとの向き合い方を考えること
要は、こういった構造をどれだけ理解してスマブラを遊ぶかということが大事なのだと思う。
リトルマック使いは『リトルマックを使い続けていれば今後どう足掻いてもストレスがかかる』ということをあらかじめ理解しているだけでスマブラの向き合い方が変わるんじゃないだろうか。
視点が広がれば怒ることもないし、あきらめもつく。
他の記事でも語っていることだが。基本的なコンセプトからズレたキャラは魅力的だけど、ズレればズレるほどにプレイヤーは長期的なストレスを抱えることになる。
そして、ゲーム開発者は客寄せ目的で無責任な色物のキャラつくりを辞めるべきだ。
そのキャラに魅了されて人生の時間をつぎ込むプレイヤーの存在を認知しなければいけない。
例えば、強化が来ないキャラに関しては批判を覚悟でプレイヤーを諦めさせるような開発者の意図を伝えるアナウンスをするべきだと思う。(スマブラはどういう意図でアップデートをするのかの意思表明を一切していない。この姿勢は前時代的だと思うし、どういった理由で調整をしたのか未だにわからないのは遊んでいる身としては説明してほしい。この辺りも乱闘ゲーだからという名目に開発者が都合よく逃げているように筆者は感じる)
それが嫌なら自分達でろくに調整できないようなキャラを最初から作るな。
それはそれとして今回の調整ですっぽ抜け直すなら、リトルマックの上Bのすっぽ抜けも直してやれよ
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