パルテナというスマブラSPの問題児について語る
※ゲームを調整した開発者に対する苦言のような記事ですが、使い手に対する批判ではありません。
使い手には申し訳ないけどこの場を借りて言わせてもらう。
パルテナはスマブラSPを現在進行形で世紀末状態にしている最大戦犯だ。
・何が問題なのか?
これは「強いなら自分で使えばよい」とか最早そういう個人の問題ではない。
ゲーム全体のバランスを鑑みると多くのプレイヤーのモチベーションに影響するレベルで、最も多くの不利を作り出しているのが問題なのだ。
もちろん、どんなキャラにも不利キャラは居る。
しかし本作は①防御などの共通的なシステムが弱く②個々のキャラの性能が極端に強いため。不利カードはfor以上に捲れない(ベヨなどのぶっ壊れすぎている無理カードは除く)。投げバーストなど無いのに単キャラで戦い抜いている最上位プレイヤーですら結構な数の相手にキャラ変をせざるを得ないという、割ととんでもないバランスだったりする。
で、このパルテナというキャラクターはおそらくミェンミェンに並んで最も単体で多数のキャラを詰ませてしまっている。
現状、このキャラがただ存在するだけで大会で出場できるキャラが半分くらいになってしまう。要は、最大最強の人権剥奪キャラなのだ。
・具体的に何が強いの?
ローリスクハイリターンで(前よりだいぶ抜けやすくなったが)相も変わらずキャラや当たり方次第で抜けきれず50から60%持っていってしまう空N空上のコンボ。立ち回りで無敵を押し付ける空後とDA。これらの技を軸にした立ち回りは、地上の横軸移動が極端に早かったり、飛びを置き技で落としてハードなリターンが取れないようなキャラでもない限り対処が難しすぎる。
下強は崖上からほとんどのキャラに対しての崖掴みを崖上からローリスクでハイリターンに詰ませてしまう。
その際に空中ジャンプも復活しない。
パルテナが復帰阻止でリスクを負うこともかなり稀だ。
特定のキャラの復帰ルート&崖掴みを二択で詰ませる崖端の上スマや空中から降りてきたときに連続で置いてくる爆炎や復帰タイミングをコントロールするオート照準がどれもこれも強すぎて復帰阻止の際にパルテナ側が何のリスクも背負わない展開が散見される。
それに加えてカウンターや空下のメテオも飛んでくるため復帰に関しては正直手が付けられない。
読み合い以前にライン作業のような試合展開を汲まれることも多々あり、読みあいを間違えるとそのまま崖展開となり破壊されてしまうのだ。
・スマブラSPの「崖上詰めキャラの理不尽さ」。
ミェンミェンなどもかなり言われているがこのあたりのキャラの崖での攻めは帳尻が取れていないように感じる。
本来、スマブラというゲームは復帰阻止がハイリスクハイリターンで崖上がり読みは(復帰と比べて)ローリスクローリターンとなっていることが多いがこれらのキャラは全く違う。ローリスクハイリターンだ。
本来、崖上という安全な場所から相手の崖掴みや復帰そのものを詰ませたり、崖関連のセットアップやリターンが極端に強いようなキャラは、基本崖上しか強さを発揮できない(復帰阻止にいけないようなくらい空中機動力が低かったり、復帰距離が極端に短かったり等の)キャラのみでなければいけない。
ぶっちゃけ、復帰阻止ができる機動力や復帰距離がちゃんとあるくせに、ステージ上から飛び道具のセットアップや起き技での崖詰めがローリスクでできてそれが極端に強いというキャラクターが本作では多数いる。(あなたが今脳裏に浮かんだまさにそのキャラだ)
これはパルテナに限った話ではなく、それらの崖詰めが強いすべてのキャラの存在が本作を象徴している良くない要素だと思っている。
阻止がちょっと苦手だからと言って、ステージ上から安全に復帰を詰ませるようなキャラデザインにしてしまうこと自体が間違っているしやりすぎなのだ。実際この辺りは読み合いの余地がなくほぼ運ゲーだ。
外に出れる余地があるなら、きちんと外に出てリスクを負うべきだし。それが(できる性能なのに)外に出るのが嫌なら、本来得られるリターンも(そのキャラの崖外に出て行く復帰阻止に比べて)本来は低めであるべきなのだ。
対戦ゲームなのだから、いろんな場面でリスクリターンを鑑みて読み合いや駆け引きをするようなゲームデザインにしていただきたい。
要は、崖際脳死ムーブの同じボタンポチの運ゲーは(崖外に出れずそれしかできないようなキャラでない限りは)もう止めてくれと言いたいのだ。
話をパルテナに戻そう。
・何の捻りもなく"大雑把に強い”というキャラクターデザイン上の問題点。
それに加えて、このキャラはとにかく扱いやすくサブ適性が高い。
現状、相手に困ったらとりあえずパルテナを出すという風潮があるくらいには扱いやすい。
これだけ多数のキャラに不利を押し付けるくせに技量を(他上位キャラと比べて)要さないというのが最大の問題なのだ。
よく同列に挙げられる最上位の無理キャラ、不利キャラに、ジョーカーやゼロサムが挙げられるがパルテナとこの二者は明らかにプレイヤーに要求されるスキルの質と量が違う。
前者には繊細な技量、いわゆるスマブラ力がかなり求められるがパルテナというキャラには決まり切った大雑把な強さがある。
特にオンラインではジョーカーゼロサム至っては限界まで使いこなせるプレイヤーというのは本当に数えるほどしかいない。(というかオンラインに限ってはゼロサムを使うこと自体がきついのではないかというくらい繊細なキャラだと思う。単で戦い続けている使い手を尊敬するレベルでだ)
・当然パルテナと戦う使い手達は対策をしてはいるけれど……
こんな苦しい状況なので辛いキャラたちは対策に対策を重ねている。
サブで軽く触っているくらいなら対策で壊せるだろう。しかしそれでも辛いものは辛い。
結局、ある程度きちんとパルテナを使っているプレイヤーならそれだけで大多数のキャラ相手にかなり優位に立ちまわられてしまう。
・大会で大多数の個性や魅力を単体で簡単に粛正する迷惑な存在となりつつある
現状、大会でも安定感から準決勝~決勝までパルテナが同じようなゲーム展開で暴れ続けて、多種多様なキャラを軒並みふるい落とした挙句に、最後の最後で極限まで使いこなした最上位キャラにあと一歩及ばず敗北するという構図が頻発している気がする。
いっそそのまま最後まで優勝まですればよいものを、結局大会の途中で様々なキャラの可能性を潰すだけ潰して最後に負けてしまうというのはキャラとして印象が著しく悪い。
そんなこんなで、今後パルテナというキャラクターにどのような変化が訪れるのか、それともさっぱり訪れないのか。筆者は注目している。
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