最強キャラ待ったなし!? ミェンミェンはforベヨネッタの再来なのか!?
あなたは、スマブラSPで起きているとある騒動についてご存じだろうか?
実は現在、ミェンミェンが登場しているスマブラの動画には低評価がつけられるようになっている。
ミェンミェンに関する低評価の流れは概ね、以下の通りだ。
1.スマメイト元1600台のプレイヤーがミェンミェンでタミスマのアマチュア杯で準優勝
2.同じく、同上のプレイヤーが今度はタミスマで優勝
3.そこから段々ミェンミェンが増えタミスマのリザルトを埋めるようになる→この辺りからタミスマの動画で関連低評価が増え始める
4.周りから「ミェンミェンはforベヨと同じなのではないか?」という噂が広まり低評価が本格的に増える。
5.ミェンミェンプレイヤーの生配信すら低評価がつくようになる。
そして近日――
「ミェンミェンを使い始めた途端にレートが急上昇しているプレイヤーがいる」という現象がツイッターでフォーカスされた。
かくして、ミェンミェンはforベヨネッタと同じ扱いになりつつある。
噂では、ミェンミェンを使っているせいで誹謗中傷に晒されゲームを引退したプレイヤーも居るという。
果たして、SPミェンミェンはforベヨと同じようにお手軽強キャラなのだろうか?
・数字で見る強さ。
まずスマメイトを調べてみる。
一般的な強キャラと言われているパルテナは315人に対してこのようなレート分布になっている。
なるほど上位キャラの風格だ。今期のメイト一位のレートは2108、パルテナのトップレート2019で1800代の層も厚い。
一方でミェンミェンのレート分布は使用数142人に対してこれだ。
142人しかいないのに、とにかくレートの層が厚い。層の厚さで言えば315人いるパルテナを超えている。
この数字だけで見れば「普通ではない何か」が起こっているように見える。
しかし、このデータだけでミェンミェンを、『人口が少ないのにレートが皆高い=お手軽強キャラである!』と結論付けるのはいくらなんでも乱暴すぎる気がする。今回は、ミェンミェンがforベヨと言われる理由が何なのか、よく考えてみようと思う。
・一般的にミェンミェンが強いと言われる理由。
①単にミェンミェンの技性能が高い(可能性)
アームの回転速度がいくら何でも速すぎる可能性がある。
アームをかいくぐることができないレベルでラッシュが飛んでくる上に、牽制として出されるアームを近距離でガードしたとしても特に何も起こらない=反撃を取れないというのは結構痛い。(もちろんラインはちゃんと詰められるしガード接近こそが使い手曰く基本の対策らしいけど)
スマブラにおいて復帰が弱いのに結果を残せるキャラクターというのは、地上でやりすぎた調整が行われている場合が多い。
ミェンミェンもその法則に該当する可能性はある。
復帰の弱さをカバーしきれる地上性能を持っているのもそうだが、復帰が弱いというデザインを想定している割に復帰阻止をアームで拒否れたりするので実は復帰を狩れないキャラが結構いるというのもデカいような気がする。
②(①に加えて)立ち回りにほとんどテクニックやリスクを負っておらず、一方的な有利を取れる癖に、相手に求める対策量だけが常に多い(可能性)
アームの速さは幅広いキャラクターに対して万遍なく対策を強要できる。
しかも、これは飛び道具ではない。
今まで飛び道具などに反射技で対応していたようなプレイヤーは当然躓くだろう。
また、キャラの機動力で飛び道具キャラとの対戦をある程度“ごまかせていたプレイヤー”すらミェンミェンのアーム回転速度には(一部のキャラを除いて)付き合わざるを得ない。
つまり、ほとんどどんなキャラでも“ミェンミェン専用対策”をする必要が出てくるわけだ。
ちなみに、どちらかというと防戦を維持しつつラインコントロールを加味するという立ち回りは「立ち回りの弱いキャラ(普段から飛び道具と付き合わざるを得ない)」を使うプレイヤーの方が得意だったりする。(そういうプレイヤーは使うキャラの性質上、ミェンミェンに関しては特に復帰面で詰むわけだが……やはり全体性能が高すぎるのか?)
特に本作はガード行動が弱く、ガードしながらのラインコントロールは(特にオンラインで)とても難しい。
一方でミェンミェン側はアーム速度のおかげで割とリスクを負わないで試合ができる上に、使ってみればわかる話なのだが、遠距離ファイターのサムスなどと違ってこのキャラには特段難しいテクニックや飛び道具とのセットアップというものが存在しない。(あくまで特有の操作に慣れが必要なだけだ)
やはり、使い手側が楽をしすぎというか、使いやすさに対してキャラクター性能が高すぎる可能性はまあ……ありうる。
ミェンミェンの復帰阻止であるホットリングにも、ほとんどゲームメイク能力やスマブラ力、プレイヤーとしての技量の一切を要さないというのはデカい。
スマブラの復帰阻止はハイリスクハイリターンで崖上がり狩りはローリスクローリターンなのが基本だが、ミェンミェンは何のリスクも負わずにかなり離れた(安全な)位置から一方的に阻止ができる。
この阻止は崖捕まりにヒットするためほとんど人類平等の阻止になってしまう上にネスのヨーヨーなどと違ってカバー角度が広く対処法らしい対処法がないキャラがほとんどだ。
さんざん文句を言われているパルテナの下強などもこれに該当するが、崖上からの安全すぎる脳死ハイリターン行動は、スマブラというゲームデザインの崩壊を意味していると言わざるを得ない。
それに加えて、ホットリングが真横から復帰するキャラクターを殺害しやすい技になっているのも割と問題だろう。
ミェンミェンというキャラクター相手に普通に戦っていると当然ながら、上や下方向ではなく横側に飛んでいく比率が高い。
そこに軸合わせの空中アームで落とされたりして最後にホットリングが被さるのだから効果は抜群だ。
これら複数の要素があいまってミェンミェンと戦うプレイヤーに求められる技量は必然的に高くなっていく。
③(①、②にくわえて)ゲーム開始直後にミェンミェンの得意な間合いでゲーム始まってしまう
開幕得意レンジからアームを押し付けられてそのまま一切近づけずに崖展開に持っていかれてそのまま1ストック落とすという展開も起こりうるようだ。これも要因として大きいかもしれないが、リーチはキャラクターコンセプトに関わるものなので今後調整されることはないだろう。
・結局プレイヤーの対策不足? それとも性能が高くてお手軽なの?
①対策が必要だけど練習の機会が少なくて取れてないよ説
対策そのものが難しいというよりは、今までと全く別種の、別ベクトルの戦い方をミェンミェン限定で要求されてしまうというのがその理由の一つであるように感じられる。
つまりミェンミェンというキャラクターの性能が(少なくともforベヨほど)壊れているというわけではなく、ミェンミェンは『プレイヤーが少ない割には、パフォーマンスが発揮しやすく。尚且つ戦う側はガッチガチに麺専用の固有の対策を組まないと何使っても勝てないキャラクター』であるという可能性だ。
対策が必要なのに、プレイヤーの母数が少なく対策経験を積めないという現象はキャラランクの低い下位キャラでは割と起こりうる。
(例:下位キャラを使っていて、しずえ相手に苦しむためしずえ対策がしたいが、しずえの個体数が少なく。結果しずえとマッチするたびに負けてしまう等)
これがミェンミェンというキャラクターの特性も相俟ってスマメイトの上位層全体に起こっている可能性がある。
概ねスマブラというゲームは上位のキャラを使えば使うほど必死になって対策を組む必然性は薄れる。
自キャラの性能でマイペースに戦えるようになるのだから当たり前の話だ。
わざわざ苦労しないで勝てている相手に対策を割く労力はもったいない。
だが、ミェンミェンはデザインコンセプトから違っていたという可能性だ。
独特の(複雑なテクニックを要しない)キャラ性能によって、いろんなキャラに対して対策を押し付けることができていたのだ。
即ち、現行のミェンミェンの暴れっぷりは単に『いつまで経ってもなかなかわからないわからん殺しを大多数のキャラ相手にミェンミェンが繰り返しているだけ』という可能性がある。
ミェンミェンはアームの選択肢の幅広さから結構な数の“やりやすいわからん殺し”があって、しかもこれもどのキャラクターにも割と刺さるというのも大きいのかもしれない。
そう考えると、142人という人口に対してこのレート結果は割と納得がいく。
実際、タミスマなどでミェンミェンと戦っている配信を見てみた。
「わかんねー」「どうすれば良いんだ?」という声を結構な数聞いた。
分かりにくいが、分からないと一生わからない可能性は充分にある。
②性能高すぎるし、性能出し切るのも簡単だよ説
しかし、そういった苦しみ(キャラ対を組みづらい。多数のキャラ対をキャラごとにがっちり組まないとゲームにならない)を普段から味わっている下位キャラプレイヤー達の感想はどうだろう?
ミェンミェン相手に対策を組んだ上で最不利に置いてしまっている人もいる。やはり性能が高すぎるのかもしれない。
確かにキャラ対策は大事だ。しかしポテンシャルが高すぎて対策しても強いというのならそれは問題だろう。
例えるなら『forベヨネッタの即死コンボは完璧に覚えられれば抜けられるよ』と言っているような物である。
対策を完璧にやること自体に敷居が高い、辛いものは辛いとなればそれはもう紛れもない強キャラなのである。
対策をした上で読み合いにならない、読み合いのリスクリターンが釣り合わない、いろんなキャラが負けてしまうというのならそれはもう要はミェンミェンが簡単に強すぎるというだけという結論が出てしまう。
もちろん①で述べた『幅広いキャラに対して対策を押し付けられる』というのは=決してポテンシャルが高いということではない。
要は、対策をされた上でミェンミェン側が尚も勝ち続けられるかどうかが大事なのである。
しかし、この説に関しては疑問も残る。
上級者プレイヤーがわざわざ動画などを作って『ミェンミェンが壊れている、ヤバイ』と言及しているのを未だに観たことがないのだ。
例えばみなさんご存じのザクレイというプレイヤーは、必ずと言って良いほどスマブラのキャラのヤバイ点を言及することで有名だ。(パルテナの下強等)。しかし、そう言った情報に敏感かつ全スマブラプレイヤーの最先端を行っている彼が、ミェンミェンに対して言及しないということは少なくとも(簡単であったとしても)ベヨネッタ程壊れているわけではないと考えることはできる。
※追記(ついに言及されてしまった)
③ ①(大多数のキャラは対策が大変)と②(性能出しやすく性能高い)の複合説
確実に対策が必要なキャラデザインだが、それにしたって性能もちょっと高すぎるという可能性。
個人的に最有力説。
技性能もちょっと高すぎるというか単に性能が高すぎた結果想定以上にいろんなキャラに対して対策を押し付けられてしまっているパターン。一番しっくりくる。
アームの回転速度が早すぎる。復帰も阻止れないしごまかしが効きすぎなのでそれなりにナーフを受けるかもしれない。
その結果、アームが通用するキャラには強く上位キャラはミェンミェン相手にマイペースに戦える。
結局、立ち回りの弱い下位キャラ達だけがミェンミェン相手に苦しみ続けるといういつものスマブラが戻ってくるという寸法だ。
・いずれにせよミェンミェン不快じゃんという声について。
もちろん、性能が原因ならば調整が必要だろう。それは今後の大会の結果や上級者の研究次第だ。
しかし、もしも大多数のプレイヤーがミェンミェンの性能ではなく対策の欠如で負けているのだとしたら、どれだけミェンミェンがお手軽だろうと残念ながらその愚痴はまかり通らないと思う。
ストレスなく戦えるキャラを選んだのに、ミェンミェンの専用対策しないといけなくて対策しても不快だしムカつく?
なら、もう一度同じ理由でキャラを選びなせば良い。
不快になるのが嫌ならミェンミェンに微有利でも取れるキャラにでも、さっさと鞍替えするべきだ。
スマブラっていうのは結局、そういうものなのだ。
下位キャラ使いからすればキャラ専用の対策をがっちり組まないとろくにゲームにならないなんてのは日常茶飯事。
あなたが普段使っているキャラだって、下位キャラ使いはなんやかんやイライラしながらもがっちり対策した上で(ぐちぐち言いながら)戦っているのだ。
つまり、対策の欠如があるとするのなら「(キャラごとに対策組まないといけない)そんなキャラ使っているのが悪い」という下位キャラ使いに対する言葉があなた自身に跳ね返ってくるだけだ。
そしてスマブラSPは単なる不快度指数程度で調整がされるゲームではないことはご存じの通りだ。
だから、キャラクターではなく使っているプレイヤーに対して匿名を傘に集団で誹謗中傷などで攻撃するのは論外だし絶対にやめるべきだし、非難される可能性がある対象はゲームの調整の責任を追っている任天堂という会社だ。(まだ結論出てないけどね)
もちろん、性能に原因があるというのなら調整はされるべきだろう。
その答えを握っているのはやはりオンラインやオフラインで日々研磨し誰よりも知識を仕入れるのが早い最上位プレイヤー達だと思う。
結局、ロンさんやりぜあすさん、へろーさん、KENさん、しゅーとんさん、まさしさん、Hikaruさん、つーさん、ザクレイ、キシル、しょーぐん、ぱせりまん、あばだんご、北海道在住で優勝賞金である1500円のアマギフナンバーを自分から番号ごとツイートしてロストしたなおさんあたりが、大会でミェンミェンとぶち当たって普通に戦った挙句に「ちゃんと対策すれば普通に戦えるしいけるよー」と一言言ってしまえば、それで終わってしまう話ではある。そうなってしまえば、少なくともそれはforベヨほどぶっ壊れているわけではないってことだ。
ちなみに、つい最近ライト(Raito)さんが『ミェンミェン使いの真央さんから直接対策を教わる』という形式でのミェンミェン対策動画を投稿した。
筆者は今後、様々なプレイヤーがこういった対策をちゃんと実践した上で、ミェンミェンの強さについて、上級者達が率先して議論を行ってくれることを望んでいる。
※追記(2020/12)
レート1800のミェンミェン使いの方の配信で聞いた話だが、相性上パルテナが苦手なキャラはミェンミェンはガン不利でパルテナが行けるキャラにはガン有利を取れるらしい。
スーパーパルテナである。もしこの言葉が本当ならさすがにバランスが極端すぎるというか調整の対象になってしまうかもしれない。
不快か不快ではないかではなく性能上で多数の人権を奪っているキャラクターはゲーム全体で見た場合、調整が成されるべきだろう。
(相手が対策できていないという可能性は多分にあるが)ミェンミェンが有利なキャラと戦う場合、最早読み合いにすらなっていないらしく、自分は好き勝手に立ち回り、相手の出方次第で死ぬか長生きするかが決まるという――最早スマブラになっているか怪しいとのことだった。
ここまでいくと、もはやコンセプトから失敗してしまっている可能性もある。
いずれにせよ、forベヨとミェンミェンの概念は最早別と言って差し支えないだろう。この場合、下位キャラ狩りの極致=SPミェンという新ジャンルが作られる可能性はあるが。
さらに最近、ザクレイなどのプレイヤーがオフ大会のミェンミェンのポテンシャルについて語るようになった。
このキャラ相手に無理なキャラはどう足掻いても無理とまで断言されてしまっている。やはり、大多数の下位キャラの人権を軒並み奪い取る凶悪な存在のようだ。23日のアップデートに期待したい。
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