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Pacificaの弱点と対策(旧100/300系、012など除く)

実は、今のPacificaには、1点だけハードウエアの弱点があります。
今回はそれを取り除く方法も書きましたので、気になってる人に参考になれば幸いです。

旧100系や012など(旧機種を含め数字入ダイヤルポットノブがついている機種)を除く理由

Pacificaでも、同一型番(112など)でも、012と同様、数字入りのダイヤルポットノブがついている場合があります。
この場合、トーンノブはスイッチポットになっていない(=コイルタップ非対応になっている)ので、今回の弱点はありません。
例えば、112だと112Jまではコイルタップ機能がありません。112V(現行品)からコイルタップがついています。
つまり、この「弱点」はコイルタップ機能装備の機種のみです。現行品だと012のみ数字入りダイヤルポットノブがついています。金属のローレットノブがついている機種が該当すると考えてもいいと思います。

弱点とは

実は、コイルタップ機能に使用しているスイッチポットが弱点なのです。
このポット(TONEを受け持ってますが)がガリが出やすいのです。

通常、ポットの軸受けは、回転方向のみの対応ですが、スイッチポットになると前後方向にも負荷がかかるため、実際かなりゆるくなり、(私もびっくりしたのですが)新品の段階でガタが結構有ったりします。

※実はヤマハ純正部品でもありますが、ほぼ同型のものがSCUDやmonteroux、ESPからでています(PUSH-250A、似たようなものにPUSHPUSH-250Aがありますが、前者はプッシュプルタイプ、後者はいわゆる押すたびにスイッチが逆転するオルタネートタイプ。Pacificaは前者を出荷時につけています、ちなみにポットはミリ規格とインチ規格がありますが、PacificaはStringsaver以外ミリ規格です)。

これで金属ノブだと、いろいろ試して気がついたのですが、ガリの原因が複数になってしまいます。
といいますのも、金属ノブをつけた場合、そのノブでTONEをいじると、その金属経由で(触っているわけですから)ボディーアースになるため、ポット自体の本来のガリ(ホコリ、カーボンのごくわずかの摩耗かす)とは別に、軸受ーポット軸のガタが原因で接触が変わり、それがガリの原因になることも有るからです(私は最初それがわかっておらずかなり頭を抱えてました)。

対策方法

軸からボディアースになるならば、対策方法は2つ。
・金属ノブへの絶対的なアースラインを確保する
ESP のMETAL KNOB NOISE KILLERを、取り付けたあとのポットとノブの間に入れて、筐体(ビス)とポットノブを直接接触させることで軸の接触不安定を消す(アースをバイパスさせる)。
・金属ノブを絶縁する
要はボディーアースにならなければ良いので、金属ノブとポットシャフトの間に絶縁物を入れて電気的接触がないようにする。

今回は後者を選択。
理由は、前者だとノブを引っ張った段階で接触が確保できないから。
あと、プラスチックノブだと症状が出なかったってのもあります。
あと、新品からシャフトの引っ掛かりがひどかったので、電気的不安定さを同時に消すために、(本来の使い方ではありませんが)シャフトにサンハヤト製のコンタクトグリースを使いました。

さて、ポットのスリーブアダプターだと、実はMONTREUX のPot Brass Sleeveなんてのがありますが、これだと名前のとおり金属製なので絶縁できませんし、そもそもこれインチノブ用。

なので、今回は熱収縮チューブを使いましたが、これだと実は少しノブが入れづらいぐらいきつくなります(まぁなんとか入ったんでいいんですが)。
で、熱収縮チューブ、軸の径では手持ちがなかったので・・・

小さい径の熱収縮チューブを半分だけずつ入れていきます。

写真のようにしました。

両方入るとこんな感じ。

熱を軽く加えて・・・

熱収縮させて、余計な部分をカットしました。

こうすることで、割れてる(スプリット)部分を保護もできますね。

実際に取り付けてからガリノイズ確認しましたが、バッチリ消えました。
熱収縮チューブの径を、シャフトにそのまま被せられるものでギリギリのものを使う(ことで収縮幅を押さえ、収縮したあとのチューブの厚みを抑える)といいかもしれません。
その場合は、MONTREUX のPot Spacer(ポットの種類や隙間の大きさでいろいろ種類があります)を併用するといいと思います。

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