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ファームで輝く球種を探せ2020

こんばんは。
年に一度の大事な試験が来週あるらしい、あおとらです。
試験の勝利を確信してnoteを執筆しています。
嘘です、負けを確信しています。

普段データを取得している某速報サイトでは「ピックアップファーム」と題して、毎日1試合二軍戦を一軍と同様のフォーマットで速報しています。
シーズン中二軍戦の収集はしていませんでしたが、オフになりヒマになったこともあり、一通りデータを集計しました。
収集できたのは113試合(公式戦112試合+日本選手権1試合)、全公式戦(466試合)のおよそ4分の1となりました。

今シーズン通じて毎週末に球種のスタッツをツイートしていましたが、今回は二軍公式戦を対象に同様のスタッツを作成し、独断と偏見で各球種のベストプレイヤーをピックアップしていきます。


リーグ全体の成績比較

まずは一軍と二軍の間で球種別の成績に差があるかどうかを確認してみます。

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投球割合に注目すると、ストレートの比率一軍:43.5%に対し二軍:49.6%と、二軍の方が高いことが分かります。
この点については、育成段階にある投手が基本のストレートを中心に投球を組み立てていることによる影響が要因の一つとして考えられます。
一方、速報サイトにおける球種判定はトラックマン等の機器を使わず目視で行っているため、映像が不鮮明であることが想像される二軍戦では変化量の小さい変化球を捕捉できていないことも推測されます。
一般的に変化量が小さいカットボール・ツーシーム・チェンジアップの割合が一軍よりも低いことからも、上記の要因も相応に影響を与えているのでは?と思いました。

ストレートの平均球速一軍:144.9km/hに対し、二軍:143.3km/hとその差は1.5km/h程度。
想像していたよりは差が小さいなと感じます。

ストレートの被打率一軍:.265・二軍:.297、一方で変化球一軍:.240・二軍:.223とそれぞれ特徴が見られます。
あくまで推測ですが、下記のような要因が想像されます。
・二軍投手のストレートは平均的な球質に近いことが多い
・二軍打者は変化球への対応に課題がある

逆説的に、「ストレートの球質が平均から乖離すること」「変化球への対応能力が高いこと」は一軍での活躍に繋がるのかもしれません。


ストレート

ここからは球種別に見ていきます。
なお、以下では当該球種を50球以上投球した選手を対象としています。

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ストレートでピックアップするのはロッテ・石崎剛投手
空振り率17.9%と被打率.067はファーム3位と、ともにトップクラスの数値をマークしています。
一軍でも空振り率は13.0%を記録している一方、被打率は.310。このあたりに一軍と二軍の差が感じられます。

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投球チャート(カウント別)を確認すると、低めで空振りを奪っている点が特徴として見られます。
一般的にホップ型ストレートの投手は高めで空振りを誘う印象がありますが、シャーザーに似た独特のアームアングルから投じる石崎の直球はかなり異質といえるのかもしれません。


スライダー

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スライダーでピックアップするのはソフトバンク・松田遼馬投手
気のせいか阪神出身投手が並びますね(not 贔屓)。
空振り率24.6%はファーム2位、被打率.067はファーム6位の数値となっています。
残念ながら投手層の分厚いソフトバンクでは今シーズン一軍登板の機会を得られず先日戦力外通告を受けることとなりましたが、確実に戦力になりうるスタッツを残していることが分かります。

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投球チャート(カウント別・左右両方)からは、基本的に右打者の外角で空振りを奪っていることとともに、制球の良さが感じられます。
スライダーを武器に来季どこかのチームでプレーしてほしいですね。


カーブ

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カーブはソフトバンクのカーター・スチュワート・ジュニア投手(長い)。
空振り率・被打率がともに優れていることに加え、50球以上カーブを投じた投手の中で唯一平均球速が120km/hを超える(123.1km/h)、いわゆる"強度のあるカーブ"を投げています。

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低めで空振りを誘うのはもちろんのこと、初球に多く投じてカウントを稼ぐような使い方も特徴です。
近い将来ソフトバンク投手陣に加わってくるのでしょうか、恐ろしいですね。


フォーク

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フォークは一軍でも実績を残しつつあるソフトバンク・杉山一樹投手
一軍でも空振り率18.6%を記録した通り、二軍では圧倒的な球種となっています。

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時折甘く入ることはあるものの、追い込んでから低めのゾーンに決まったときには多くの空振りを奪っています。
一軍での被打率が.429であるように、甘く入るケースを極力なくす等、精度向上がカギとなりそうです。


カットボール

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カットボールでは阪神・藤浪晋太郎投手が圧倒的な数字ですが、一軍でもその実力を発揮しているため、阪神・高野圭佑投手をピックアップ。
オフにリリースとなってしまいましたが、スラット系カットボールは好成績を残していました。

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左右問わず低めで空振り、ゾーン内では凡打になる総合力の高い球種となっています。
課題であるストレートの球威向上と併せて、明日のトライアウトでの活躍を期待したいですね。


チェンジアップ

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最後にチェンジアップは中日・小笠原慎之介投手
空振り率34.0%は驚異的な数字で、一軍でも26.4%と実力の一端を発揮しています。

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基本的には右打者に多投しており、意外にも決め球というよりは初球に多く投じているようです。
一軍での被打率.313が示すように、前述の杉山投手のフォークと同様精度向上が必要となりそうです。
近年一軍での登板が減少していますがまだ23歳と若く、期待したい投手です。


まとめ

まとめるほどの内容でもないですが、ここまで見てきたように、二軍で優れた成績を残した球種は一軍でもある程度通用しているように感じます。
しかしながら、甘い球を簡単には打ち損じてくれない一軍ではより一層の精度が要求されることも同時に感じられました。

今回取り上げた選手の来季以降の活躍を期待しましょう!

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