@gdgdmomomoさんの短歌について書く
どうもです。
うたの日をほとんど見ていなかったのですが、
久々に覗いていたらすごくおもれーーー短歌を詠んでいる方がいらっしゃったので、この記事で紹介させていただきたいと思います。
モ(@gdgdmomomo)さん、
全角ではなく半角表記のようです。すこし小声で「モ」といえばいいのでしょうか。わかりません。
許可をいただいたので、この記事ではわたしチョイスで5首紹介いたします。すべてうたの日に出詠されていたお歌になります。
サンボマスター。
見るからに面白いお歌なのですが、やはり対比がすごい。上の句で「愛と平和」という壮大かつ世界的な風呂敷を広げて、終着するところは「キャベツを刻む」というとても日常的な行為。そして、この移り変わりのグラデーションとして平仮名の「あいとへいわ」が使われているところが巧いなぁと……。
それから、トン、トン、という力強く刻む音はどちらかというと平和からは遠いようなイメージもあって、上から下にかけてズレていく構成がとても楽しい短歌です。
長時間の定点映像が脳内で再生されるような短歌です。
個人的には、「おもちゃ屋のライオン」を子供のころの活力のようなものに見立てて読むと、今は失われてしまったかもしれない自身の幼少性に問いかけを行うような、より内的な感触の歌としても味わうことができると思いました。
直接的には性の話ですが、個人の信仰や一定の社会規範について、価値観の揺るがされる瞬間を非常に面白く描き出していると思います。
すべての事象において、ある一定の論理を信仰することは、騙し絵のように不確かなものを信じることでもある。そのことに気づいた瞬間の悲哀や不安のようなものが「じゃあなに」という初句に表れています。
無茶であることを前提としながらも、ひとつの言葉に賭ける。愛とギャンブルという二者の親和性が面白いと思いました。
愛の言葉(告白)を弾丸に見立てて、心を撃ち抜こうとする様、そして、失敗した場合すべてを失ってしまうかもしれない可能性のある様が巧みに表現されています。
非常に緊迫感と力強さのあるお歌だと思います。
特定の物体にそれ以上の意味が追加される瞬間って美しいよね……。実際には「でぃすいず あ ぺん」と言ってペンに触れることはなかなかないので、ある物体や場所が大切な人によって特別なものへと変化する、それ自体の喩の歌として読みました。
全体として
インターネット的なシニカルさがあるところがいいと思うんですよね。
だけれど、それをそのまま濃度100%で出力するのではなく、短歌的な着眼点に落とし込みながら出力しているイメージで大変楽しく拝読しました。
紹介させていただきありがとうございました。
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