上司としての在り方について

俺はとある会社の副所長を任ぜられて職務に励んでいる。
今は鬱病で休養中なためで、所長には多大な負担をかけてしまい本当に申し訳なく思っている。
俺の職務内容は、機材のメンテナンスや点検、各自治体との交渉、機材搬入に関する手配等多岐にわたる。
無論新入社員の教育や管理、面接での立ち会いも職務に含まれている。

俺はどっちかと言うなら仕事が好きな方だ。
紆余曲折を経て今の会社に入社したが、元々やりたかった職業だったのも良かったのかもしれない。

今日は俺自身に課している上司として在るべき姿勢について書いていこうと思う。

①まずは信頼関係を築く事

当たり前の様に聞こえるかもしれないが、話を聞く限り大体の方はこれを怠っていたりする。
そもそも人間というのはいきなり信頼関係を築けるものではない。
道端を往く人に無条件に信頼する馬鹿はいないはずだ。
でも、この信頼関係を築くにもどうしたらいいか解らない方も結構いると思う。

俺の場合は部下に得意な分野を見つけ、成功したら褒めて、間違えたら理解するまで教えてまた実践し、成功したら褒める。

これを基礎としている。
人間誰しも叱責されて嬉しい人等いないはずだ。
むしろ褒められてモチベーションを上げたいと普通は思う。

叱責するにしても人格否定はしてはいけない。

何故これは駄目なのか?
何故失敗したのか?
どこを改善すれば良くなるかをちゃんと話し合う事が大切だ。

そうする事を繰り返す内に信頼関係は築かれていくと俺が思っている。

②部下の不満を聞き、上層部に交渉する事

これは俺自身がした事だが、残業手当が少ないと部下数名から言われて、所長と一緒に本社に行き残業手当を引き上げるように交渉した事がある。
ぶっちゃけ給与とは自分が働いた見返りとして受け取る物で、少なければ不満が出るのは当然の事だ。
残業手当上がることにより部下のモチベーションが上がり、作業能率が上がることを示す資料を作成し本社に出向いた。
結果は無事残業手当が増額され、部下のモチベーションが上がり昨年は施設始まって以来の最高の成果を出す事に成功した。
通常手当等の直談判はタブーとされているが、会社というのは現場で働く社員がいてこそのものだと思っている。
仮に交渉失敗したとしても、部下からは『俺達の為に動いてくれたんだ』と思われ、一層連帯感が強まる副次的な作用もある。
よく勘違いしている奴等がいるから、はっきり言っておく。

部下を守れない上司なんか必要ない
部下がいてこそ今の地位に居れる事に感謝する気持ちを忘れたらそいつは上司として失格だ。

③俺がこういう考えに至った経緯について

俺は昔から歴史が大好きだった。
今もよく歴史物を拝観しに行ったりする。
その中で、とある人物の言葉が今の俺の上司論を形成する上で基礎となった。

やってみせて、言って聞かせて、やらせてみて、ほめてやらねば、人は動かじ。話し合い、耳を傾け、承認し、任せてやらねば、人は育たず。やっている、姿を感謝で見守って、信頼せねば、人は実らず。

戦時中連合艦隊司令長官だった山本五十六閣下の金言だ。
人を育成していく上で、最も大事な事を語っている。
俺もこの言葉を書いた紙をいつもデスクの見える場所に置き、初心を忘れないように心掛けている。

会社というのは利益を生むために皆で協力して発展させていくものだ。
上層部だけで会社が回るなら誰も苦労はしないしな。
社員一人一人が力を出して結果利益に繋がっていくものである。
確かに使えない部下もいるし、使えない上司もいる。
だが、人の上に立つ以上自分の部下達は守らなければならない。
いかに不満を解消し、よりよい環境を整えていくかも上司の仕事。
だから、高い給料を貰っている。
それに胡座をかいていたら上司として失格だ。

ぶっちゃけ自分の部下さえケア出来ないのに偉そうに語る奴等を見てると情けなくなる。

最後に

俺はまだまだ未熟だ。
部下から沢山学んできたし、所長からも沢山学んできた。
だから、それに報いるためにも俺は職場の為に精一杯尽力したいと思っている。

長々と書いたが、上司は部下の見本にならなければならない事を忘れないで欲しい。

それではまた