1995

1000 Cliff Drive, Room#10,
AM1:00 June 1995/Santa Barbara

部屋中に独特の甘い煙の匂いが立ち込めていた。
知っている人なら部屋にはいっただけで分かる事だろう。

どのぐらいの時間が経っただろう....
目の前にあるロウソクの火が
まるで止まったまま動いてないのが気になって仕方ない。
ユラユラ...ユラユラ...とするはずなのが...
そう考えながら見つめてると
逆に自分の体がゆらゆらしてる気になってきた。

すると視界に突然コーラが入ったグラスが飛び込んできた。
グラスいっぱいに入ったコーラが最高に冷えてるのが
周りについた水滴と霜で十分に分かる。
喉元にそれを流し込んだときの爽快感を
想像した瞬間に手がグラスに伸びていた。

氷のように冷えたグラスに手を触れた瞬間
グラスに手がくっついてしまったような気になった。
予想していた以上の冷たさだったが
これから喉越しをくぐる爽快な液体の期待感に
気を取り直してグラスを口元に運ぼうとするが
完全にベイクド状態な体であることをすっかり忘れてた。
グラスが思ったより重い。
しかも体全体の動作でグラスを持っている感じではなく
肩から下だけでグラスを動かしてる事に気づき
重たい体全体に意識を集中させて
やっとの思いでグラスを口元に届けた。

唇に触れたグラスが冷たかったが
液体が流れ込んできた瞬間
口の中で大爆発が起こった。
コーラはシュワーっとするものじゃなかったのか...
Sparkling スパーク 炭酸の爆発が
口の中で次々と起きていく。
炭酸の気泡が舌の上で転がっていく。
小爆発を起こした気泡が甘い爆弾を落としていく。
口内の隙間へ気泡が逃げ込んでいくと
ようやく冷たさと共に爽快感がやってきた。
この爽快は、口内の爽快だけでなく
脳天に突き抜けていく快感だった。
プハァーッツ、思わず目をつぶっていた。

快感に酔いしれてるのもつかの間
もう一つの大爆発がやってきた。
胸の奥から外へと出たがってる気体が
喉元を通って口の外に飛び出していった。
下品で申し訳ないが、本当の快感はこの瞬間だった。
先程の口内の爆発よりさらに大きな大爆発に
周りで石となっていた仲間達が
"Dude! That's fuckin' awesome!"
と言いながら大爆笑をした。
自分自身、この大爆発が妙におかしくて大笑いしてしまった。
堪えられないぐらいの大笑いがいつまでも続いた夜だった。

-BGM-
Family Affair - Sly and the Family Stone
What I got - Sublime
Are you experienced? - Jimi Hendrix(album)

2006/9/20の日記より

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