VdBL俳句を作ろう 4日め/2月8日の延長戦&反省会

★今一度雪割草に相対す

3日めの俳句:「こころなき雪割草の白を汚す」

はんぺんさんの改作例:

「雪割草の白きを汚すため摘みぬ」

「踏みにじり雪割草の蜜のいろ」

みこまさんの改作例:

「踏みにじる雪割草のあどけなさ」

「踏みにじるポケットから雪割草こぼれ」

おふたかたともありがとうございました。目が覚めてからあれはもうちょっと粘りたかったな……とくよくよしたので潔く推敲にチャレンジ。「雪割草の白きを汚すため摘みぬ」、これは超BLっぽい。汚すために摘むところ、実に不穏。これから雪割草はなにをされてしまうの……!?っていうドキドキ感。私が残したかった雪割草の白が自然にフォーカスされている。音のリズムは7453のような気がするんだけど。7を4・3に分解している?

で、自分の作った俳句に戻ると、まず苦し紛れに5音ひっぱってきたのが見え見えの「こころなし」は雪のイメージに内包されているのでカット。そして白を汚す、は抽象的すぎる。「摘む」まで具体化されるとそれがよくわかる。

白は確かに雪から連想できるんだけど、雪割草は必ずしも白いとは限らず、色もかたちも様々なので、ここはあえて白と言いたい。寒い土地で春を告げる花で、雪の中で咲くんだもん。地味だけど、春の訪れを待つ雪国のひとたちをよく慰めた花だ。雪の中の白い花。よし、がんばって残そう。

雪割草、白、踏みにじる、のアイディアは残して、何パターンか考えてみるのはどうだろ。といっても一番動かせないのは季語なんだから、雪割草(5音としてカウント)+12音か、まんなかに置いて5音+雪割草+助詞の7音+5音の2パターンでいいんだ。というかそれ以上のパターンはわからん。

試しに上五に置いて、

「雪割草が白かったから踏みにじる」

うう、なんか気持ち悪い。音を整えようとして時制が逆なせいかな。白いから踏みにじった、になるのでは。すみませんはんぺんさんパクります……!「雪割草の白き」でフレーズ化すると7・3もしくは+助詞で4で扱いやすいんだ。

「雪割草の白きが踏みにじられて在る」

ここには意思がない!それをいちばん言いたいんだっつーの!雪割草の白きを踏みにじるで7・4・5音で残るは3音しかないんだよ。そしてここに新しい名詞を入れる余地がある?既に名詞は2つある。ごちゃごちゃしそう。でも思い切って3音の名詞をねじこむとすると、「雪割草の白きを踏みにじり〇〇〇」とか。でもスタート地点から離れすぎるし、変。ここでストップ。

これを単純に語順を入れ替えて音数を整えて真ん中に置いて、

「踏みにじる雪割草が白いから」

雪割草のせいにするなよ!って思ったけどこれ以上こねくりまわさず、次!下五にも雪割草を置けるかなあ。雪割草と白を切り離せば。これも単純に考えれば「踏みにじる/〇〇〇〇白い/雪割草」で、なんかとっちらかってる、ストップ。

ここまできて「雪割草の白きが踏みにじられて在る」がいちばん俳句っぽい気がするけど、いちばん言いたいことが残ってない~~~。おおおおおお!!!私はたぶん泣いていい。

雪割草はこう、人間でたとえると地味だけど綺麗な男のひとなんですよ。置かれた場所で咲くタイプの。リーマンで言うと総務部だし学生で言うと園芸部とか将棋部とか放送部なんです。文化系硬派で修学旅行の深夜でクラスの気になる男の子の名前をあげてくじゃん?深夜2時くらいに誰かがぽつんと名前をつぶやくみたいな、そういう男の子で、サッカー部とか野球部とかじゃないんだよね。でもさりげなくやさしいし、つらいときに寄り添ってくれるんですよ。みんながサボってる掃除当番とかひとりで淡々とちゃんとやってでもそれをひけらかすでもない感じの。

受けですね。私の独断と偏見により。

で、攻めは受けは損ばっかりしてると思ってていらいらしてもどかしいんだよきっと。もうちょいうまくやれよと。でも雪割草は摘むと枯れてしまう花だし、枯れてしまったらもう同じ花には会えない訳だし、きれいな山に咲かせておいて、たまに会いに行くくらいでちょうどいいんだけど、BL的には踏みにじるしかないんだよ。アイディアはBLっぽいと思うんだけど。

わりとしょんぼりです。また挑戦しよう……。