VdBL俳句を作ろう 5日め/2月10日 季語を選ぶということ
上五に季語を含む5音+12音はオーソドックスな俳句のかたち、なんだそうだ。たしかに詠みやすい。打越マトリクスで「ドッペルゲンガーのくちづけ」という12音をゲットしたので、これをBL俳句にしたい。そしてやはり季語は入れたいんだよな。
シガーチョコドッペルゲンガーのくちづけ、を最初に考えたんだけど、たぶんシガーキスからの連想でシガーチョコを入れてしまったのよね。つきすぎる。それにカタカナ表記がうるさい。漢字が欲しい。漢字のもたらす速度が欲しい。
チョコレート……すてるか……。バレンタインは近づくほどに遠ざかるばかりだね……。
前回はランダムに開いた歳時記のページから直観で選んじゃったから、今回はちゃんと考えて選ぼう。季語にイメージを集約できるかどうか試してみよう。
まずドッペルゲンガーのイメージは死かなあ。芥川がドッペルゲンガーに会った、というエピソードを思い出す。こわかっただろうな。でも、こわがりながらもどこかで会いたかったんじゃないかとも思うんだ。彼は生きていくことに疲れていたのだから。
死をもたらすキスと言えば、ユダを連想するんだけど……、うー、断片的な知識でこわいけどふみこんじゃえ!ユダのイメージで季語を選んでみたらどうだろう。ここはイメージしやすい花から選ぼう。
素直に選べば時計草かな。受難、情熱、花のかたちから架刑。しかし「時計草ドッペルゲンガーのくちづけ」だと、死のニュアンスが強すぎるのではあるまいか。時計草が時の流れをイメージさせるせいかな。Lが足りんぞLが。
う、どうしようかな。怖いけどここは思い切って花蘇芳でいってみよう。やっぱり春の季語が良いし、漢字のイメージがねらいに近い気がする。音もトケイソウよりはハナズオウが良い気がする。濁った音が欲しいな。気がするばっかりです。ううう。
感覚を信じて踏み切れ!
「花蘇芳ドッペルゲンガーのくちづけ」