備忘録(モンゴル) 2018/5/29

「俳句には季語が必要です」と説明した後、モンゴルから来た留学生に、「秋刀魚」のように、その名だけで季節を感じさせる言葉があるかたずねたら、自身満々に「あります!春の肉、夏の肉、秋の肉……と返って来て、教室が笑いに包まれたことがありました。」

『俳句のルール』(井上泰至/[ほか]編 笠間書院 2017 14頁)

引用者注※原文では「秋刀魚」に「さんま」とルビ、「自身」原文ママ

『モンゴルを知るための60章』 (金岡秀郎/著 明石書店 2000)内「Ⅱ 牧畜生活と思考・言語・宗教」(37~147頁)では、モンゴル語の家畜語彙について六項目に分類・概観されている。

「私の限られた経験によれば、若者たちとの会話でモンゴル人が過去の不幸・惨禍に言及することはまずない。それは歴史上の好ましくない一時期が、怨恨・禍根として世代を超えて相続されなかったことを示す。」(前掲, 235頁)

『モンゴル』世界の食文化3巻(小長谷有紀/著 農山漁村文化協会 2005)

家畜の葬式儀礼「アマンフズー」における祈祷句には、長いものから短いものまで、多様なバージョンがある。その最小バージョンは、「殺されたところから生まれよ」というフレーズである。(参照:100~103頁「アマンフズーの儀礼」)

● 未読

『母語の言語学』(レオ・ヴァイスゲルバー/著 福田幸夫/訳 三元社 1994)