見出し画像

「ラプラスの魔女」/東野圭吾  読書徒然vol.9

最後の最後まで先が読めない展開
心情を掘り下げて書かれている印象では
ないのに、だからこそなのか伝わってくる文章
-
東野さんは「さまよう刃」という小説で出会えた
「さまよう刃」を読んだ時の感覚がいまだに
忘れられないほどに、考えさせられる作品だった
1度も休まずに一気に読み切った作品は
「さまよう刃」が初めてだった


「ラプラスの魔女」を読んで東野さんの作品に
ついて気付いたことがある

救いようのない出来事やどうしてこんな...って
想いが浮かぶことが多いけれど
必ず主人公の気持ちをわかろうとしてくれる
存在がいる
どうせわからないだろう
わかってくれなくてもいいと思っていても
あきらめないで手を差しのべてくれるような

読むと痛みを覚えるけれど 
その痛みに目を背けちゃいけない 
向き合いたいって感じさせてくれる
特別な作家さん

------------------------------------
(本文より)
『一見何の変哲もなく、価値もなさそうな
人々こそが重要な構成要素だ。
人間は原子だ。一つ一つは凡庸で、 
無自覚に生きているだけだとしても、
集合体となった時、劇的な物理法則を
実現していく。
この世に存在意義のない個体などない。
ただの一つとして』
-----------------------------------

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?