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「アルジャーノンに花束を」 ダニエル・キイス 読書徒然vol.5

同じ境遇におちいった男性チャーリイと
ネズミ・アルジャーノンのお話

今まで読んだ小説の中で読み終わるのに1番
時間がかかって衝撃的だった

物語はチャーリイの記した経過報告で進んでいく
文章でチャーリイが変化していく様がわかって
人間の悪意とかそれに気付いてしまった
チャーリイに想いを馳せると、なんとも
言えない気持ちになった

最初読み進めるのに時間がすごくかかった
物語が進み、チャーリイが知能をもった時は
スラスラ読めていたチャーリイの経過報告
次第に読み辛くなっていった

だんだんと孤独を深めていくチャーリイの姿
そんな中でアルジャーノンの存在はすごく
大切でかけがえないものだったんだろうなって
感じた
同じ境遇で、誰にもわからない気持ちを抱えて
孤独だったアルジャーノンがそばに居てくれた
コト
チャーリイにとって、その存在はすごく
救いだったように感じた

知能を得たがためにずっと奥底に眠っていた
トラウマが顔を出したチャーリイ
そのトラウマと対峙する姿を経過報告を通じて
知るのが、ものすごく心が痛くなった

だけどチャーリイはそれに立ち向かって
向き合っていた
最終的には相手を許して
すごく強いし優しい人だと切なくなった

ラスト
最初と同じ文体のはずなのに
最初読んだ時は時間がかかってたのが
最後の部分が1番スラスラ読めて涙が溢れ出てきた

だんだんと記憶を忘れていくチャーリイ
唯一アルジャーノンの存在を覚えていた
最後に題名の意味がわかった時は、すごく
切ないけれどアルジャーノンがいてくれて
よかったってとても感じた

チャーリイが知識をもったこと
それによって失ってしまったものを考えると
知識をもつ前の、そのままのチャーリイのほうが幸せだったんじゃないだろうかとも感じるし
知識を得たからこそわかったことがあって
家族とも向き合えたことを考えると
よかったとも感じるし
すごく歯痒い気持ちになった

何かを得るためには何かを失う
幸せって何だろうを考えさせられた1冊

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