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愛猫、雪、


愛猫が虹の橋を渡った。

私が小学生の時に家に来て、去年で10歳。
一人っ子の私は妹ができたみたいで嬉しくて、沢山可愛がった。

いつのまにか、追い越されてお姉ちゃんになったね。


でもさ、そんなに追い越さないでよ



私が大学のテスト勉強やレポートに追われてる中、突然体調が悪化した。
これが終わればすぐ春休みだから、春休みになったら沢山一緒に過ごすんだと頑張って勉強したけれど


今思うと、勉強なんて放置すれば良かったとつくづく思う

落単したってまた履修すりゃいいのに 


後悔は尽きない




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最期の日の昼に、君の様子を見に行ったとき、“もって今日の夜中までだ”と私は思った

でも口に出して言霊とかで真実になるのが怖いから家族には言わなかったし、この勘はなかったことにした


この昼、意識がある君との最期のやりとりを思い出すだけで泣いてしまう


いつも通り私の手の甲を枕にして寝てる君

手を触られるのを嫌がる性格なのに、この日は違って、

私が抜こうとした手を前足で引き留めた

抜くのをやめるとそのまま、私の手の甲に小さな前足を乗せていた

肉球は既に冷たくて
本当に冷たくて
私の手に頭をぐりぐりして


私は泣くのを必死に堪えながら「可愛いね」「大好きだよ」と言い続けた






この日の夜、口呼吸が始まって
いよいよ身体全体の体温が下がって
眠るように亡くなった



体調が急激に悪化してからこの日までの間、私は別れを恐れて毎晩3時くらいまで泣いていたし、寝ても別れの夢を見た

だからか

本当に息を引き取った時、家族が号泣してる中私は涙が全然出なくて

ただ心に穴が空いた感覚だけがあった



雪が積もった、夜だった







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次の日、雪景色の中、火葬しに行った
今にも動き出しそうなくらい綺麗に眠る姿に、まだ実感がなかったようにも思う

火葬前にハサミで毛を切る
ごめんね、少し貰うね
君が一番、撫でられるのが好きな場所
私が一番撫でた顔の横の毛

もふもふで綺麗な毛


愛する猫の毛にハサミを入れる日が来るなんてな



火葬炉に大好きなおやつとおもちゃと
沢山のお花を添えて

今までにないくらい泣きながら置いた


命って残酷だ


こんなに綺麗で可憐な生き物があってたまるか


こんなに綺麗なのに



時間ギリギリまでひたすら撫でた

若い子並みに美しい毛も、丸い頭も、昨日触れた肉球も


嫌だ
行かないで

重い扉に消えていく私の、世界一可愛い、私の家族

燃える音


寒い雪の中
足は冷えて感覚がない


大声で泣いた
名前を呼び続けて、ひたすら泣き叫んだ







さっきの場所に行くと、綺麗に骨になっていた
虚しいほどにあっさりと

頭蓋骨の形が、私の猫そのままで

もう涙も出ずに、拾骨をする


帰りの車の中で、納骨袋をトントンしていた
赤ちゃんをあやすように、トントン
これをするとうちの猫はぐっすり寝れるから


 



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この日帰ってから感情的に書いた文がある


何が悲しいって、君がいなくなっても日差しは暖かいしお腹は空くし空は綺麗だし、ただ君がいないこと以外は全部、変わらないことなんだよ
まるで最初から何もなかったかのように、日常が続くなんておかしいよ、
いなくても成り立ってしまう生活が怖いよ、

こうやって忘れていくのか、と悲しくなるから
忘れたくないのに、君がいない日々にいずれ慣れてしまいそうな自分が怖い

ただ後悔の怪物になった私が一人
いっそ全てが変わってしまえばいいのにね







いつか必ず一緒にお墓に入りたい
家族みんなで、一緒に


私の猫は虹の橋で待っててくれてるのか、
それとも毛皮を着替えて会いに来てくれるのか

分からないけれど

次会った時、すぐに気づく自信、あるからね


これは、私が大切な気持ちを忘れないための備忘録


世界で一番可愛い猫

十分に可愛がってあげられなかったね
でも最期の昼に気持ち伝えといて良かった

ごめんね、ありがとう
沢山の幸せをありがとう

ずっとずっと大好きだよ




またね。




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