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Episode12 「夢患い」 お披露目後日談イビュー | 「だから、とにかく四六時中ターンしてました」

新曲『夢患い』で新たな挑戦をしたアイドルグループ・BLUEGOATS。振付の難易度が高く、お披露目直前まで苦悩した挫折と葛藤を、メンバーに伺いました。

ー9曲目、ついにお披露目されましたね。

マリン:この曲は、私が工場で働いていた時からアイドルになるまでを歌にしたもので、アイドルになるまでに挫折や、理想とのギャップ、苦しみをチャンチーに表現してもらいました。

チャンチー:今の振りは、特に大きな修正もなく最初に思いついたものでした。いつも物語を自分の頭の中で作ってから曲に振り付けするんですけど、今回もみんなそれぞれ役柄が決まっていて。それぞれ違う場所で生きてる人っていう設定にしています。かいなちゃんはブラック企業に勤めるOL。

一同:(笑)。

チャンチー:(笑)。オオハシが美大生、ソナは主婦、私は女優を目指しているけど売れないっていう設定で、マリンちゃんがその中で工場に勤務している人っていう感じにしています。そして、そのマリンちゃんを主人公として物語を進めています。それぞれの人が世界線を一度だけ交えながら、別々の人生を生きていくっていう物語です。
お互いに色々葛藤がある中で、その葛藤をサビでぶつける、だから激しい振りにしています。

ーそんな物語が隠れていたんですね。

チャンチー:で、SNSを見ている人たちはわかると思うんですけど、サビで回転するシーンは、私は全く苦労するだろうと思っていなくて。でもいざやってみると、皆できなくて、すごく大変でした。

詳しい経緯↓

ー回るだけだと思うんだけど、あれは難しいの?

かいな:難しいですよ(笑)。でも確かに、ファンの人たちもターンについては難しい実感を持っている感じじゃなかったのかも?実際やってみると、大変なんですけどね・・・

チャンチー:曲調が速いっていうのもそうだし、一回のサビで3回回るんですよね。他の曲よりも体力を使うっていうのはありました。

かいな:これまでと違って難易度が初めて高かったから、ダンスにはこれからもっと力入れたいなって思いました。

ソナ:私は正直、初披露が終わった今でも、どうしてできなかったのか、分からないかもしれないです。練習でもすごくよろけたりして、これから回るぞ!って思ったらできなくて、何も考えなかったらできたりとかもありました。チャンチーちゃんにも言われたんですけど、回れない時って、自分が回れないっていうレッテルを付けてるんだって。たしかに、回れない時、意識しすぎた時とかはありました。

ー最初全体的にできない状態が続いたから、振りを変えようか悩んだと。

チャンチー:振り入れから3日目くらいの時に、ちょっとこれだめかも・・・ってなって、皆で話し合いました。

ー正直、私、振り変えてほしかったって人は?

一同:(笑)。

オオハシ:変える方の案が、手を広げて回るっていうやつで。それも出たんですけど、それだとちょっと迫力が減るなとは思いました(笑)。

ソナ:私は、変えたくはなかったけど、変えないとほんとにできないのかなっていう不安はありました。

かいな:最後の方はたしかに、結構心配だったかも。

ソナ:最後までできなかったのが私で。ほんとにこの振りを変えたくないけど、気持ちだけはあったけど、失敗したら全部が台無しになるから、怖かったです。話し合いでは言い出せなかったけど(笑)。しかも、ターンする時一番後ろで、皆が成功する姿が見えていたので、余計に焦ったりして。ライブを壊してしまうのが怖かった。深夜レッスンをした時も、とにかくコツがつかめなかったし・・・だから、とにかく四六時中ターンしてました。

ーマリンはどうでした?

チャンチー:最後一番心配だったよね(笑)。

マリン:私の場合は逆で、話し合いの時はうまく回れていたんですけど、本番になるにつれて回れなくなっていって(笑)。何も考えずにできてたんですけど、一回失敗してから、気持ちでどんどんぶれていったところもありました。皆ができていく中で、自分だけできなくなっていったから、そこで焦りました。

チャンチー:歌で言う、高音が出ないと思ったらほんとにでなくなるのと一緒で、一回回れないと変に力が入っちゃったりすることはあると思います。

マリン:今回はそういった気持ちの問題だってわかったから、そう言い聞かせて何とかなったけど、でもやっぱり基礎が足りていないとは思うから、これからもダンスに力を入れていきたいです。

オオハシ:私はどっちの向きに回るかで差もあって、左回りだけどうしてもダメでした。帰り道にリュックしょってやったり、アドバイスもらって、動画を撮ったりしてとにかく回ってました。Twitterとか動画では大口たたいてたけど、正直その時が一番うまくできていない時でした。でも、そこで宣言したからこそ、ダンスを成功させることだけに集中できたっていう良さもありました。

かいな:私はターンより、その前後が全然できなくて、自信がないから振りが小さくなったりとかして。顔がずっと正面を向いていないと不安で、下向いてたりしたら、できなくて。細かいことができなくて、迫力がなくなってきたりしてたのが悩みでした。

ーそれは、身に沁みついているものなの?

かいな:ずっと悩みとして持っているものではあるんですけど、ライブで成功することによってしか乗り越えられないものだから。新曲も、若干まだ成功できてなかった部分があるから・・・伸びしろですね(笑)。

一同:(失笑)。

ーそんな全体を見て、チャンチーは何を感じていましたか?

チャンチー:本番までは、全く成功する未来が見えませんでした。皆が綺麗に回れるところが想像できなくて、皆すごく練習してくれるからこそ、その分私は考える時間が増えて、見れば見るほどどうすればいいかわからなくなっちゃった。だからこそソナが成功した時は、何も見えなかったところに初めて光が見えるようになった、みたいな(笑)。それまでは何も見えないけど、変えたくないっていう気持ちだけありました。マリンちゃんもどんどんできなくなるし・・・(笑)。ライブまであと4日とかの時、マリンちゃんとオオハシができなくて、ソナもほとんどできてない時、現実から目を逸らしたいと思い過ぎて、1時間くらい外に出てました(笑)。どうすればいいか、ずっとわからない時期がありました。

かいな:どうやって教えていいかわからないって言ってたよね。

チャンチー:そうそう。意識したことがなかったところだったから、できる人とできない人の違いがわからなかったです。

ー合計どれくらい回ったの?

かいな:わからないけど、深夜レッスンの時とか半分寝ながら回ってました(笑)。

チャンチー:最後は気持ちだから、そう皆に言ってました。

かいな:チャンチーが一番元気なかったんだけどね(笑)。

ー本番を迎えた時はどうでした?

チャンチー:私、本番中一番焦りました。ライブハウスが暑くてフラフラしちゃってきて(笑)。皆がせっかく頑張って練習してくれたのに、ここで私が台無しにするかもって(笑)。

ー(笑)。実際新曲を披露してから振り返ってみて、自己採点するとしたら?

ソナ:40点でした。

マリン:53点かな・・・。

オオハシ:58点です。声も裏返ったので

かいな:私は50です。失敗しなかっただけで、感動してもらうためには足りなかった気がします。

ー・・・このグループ大丈夫ですか?(笑)チャンチーは?

チャンチー:120点です!

ーよかったです(笑)。

チャンチー:ターンをあんなに頑張った皆に感動しました。だから、120点。

一同:たしかに!

かいな:マリンも、MCであんなに喋れるようになったし(笑)。

チャンチー:初めて喋ったときはブレブレだったからね。

かいな:途中つっかえたのは、あれは泣きそうだったの?

マリン:そう、泣きそうになっちゃった。

かいな:私はそこで泣いちゃうから、こらえてしゃべりきったの偉かった。

マリン:ソナも、深夜レッスンの時できないながらもずっと練習してて、できるのかなって不安だったけど、最終的にはできるようになったし。

ソナ:私が初めてできた時、皆泣いてくれたよね?

チャンチー:一筋の光が見えた(笑)。

ー結果的に、じゃあ振りを変えなくてよかったのかな?

かいな:よかったことはたしかにあって、一つのことを皆で頑張る経験もなかったから。でも、その代わり歌だったり、おろそかになったこともたくさんありました。初めて来た人はもちろん歌も見るから、変えなかったことによっておろそかにした部分は反省点ですね。

チャンチー:私はよかったと思います。変えなかったことによって気づけたこともすごくあって。私はできると思ってなかったのに、皆がここまで頑張ってくれて、結果を出してくれて。あんまり他人に期待できるタイプではないけど、これでもっと振りを大事にしていこうって思えたし、振りを大事にしたら、皆もそれを大事に受け取ってくれるんだなと思いました。ほんとに皆のことを尊敬したし、学べたことも多い時間を過ごせました。

ーこの振り付けから、色んな事を学べましたね。これからに生かせそう。

かいな:これから楽しみです。チャンチーの期待に応えられたからこそ、もっとどんなのが来るのかなって。

ーめちゃくちゃ難しいの来たらどうする?

かいな:(笑)。でも、それでもいいかもしれないです。歌はどうしても個人で頑張るものになるから、皆で完成していくのが振付なので。

オオハシ:本当に追い込まれたし、大変な経験だったけど、これを乗り越えたから、皆となら頑張って行けそうです。

ソナ:体力が限界な中で練習をしていても、こんなにできるんだ!って思えたから、これから先の自信になりました。これからも頑張ります!

チャンチー:振りは私が唯一表現できるものでもあるので、これからも色んなものを伝えていきたいです。

マリン:自分の作詞や物語だけではここまで完成できなかったと思ってて、チャンチーの振りや皆の努力で成り立った歌です。だからこそ、この歌は、私が工場勤務からアイドルになるまでに葛藤した歌っていうことに加えて、この曲で皆の葛藤も表現できていた気がしています。だから、これからも皆で一つのものを表現していけるものとして、自信に繋がりました。この経験を詞にも生かして、これからも皆で一緒に表現していきたいです。

(インタビュー:林田浩作)


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