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関西電力の黒部ルート見学会に当選した話

ずっと行きたかった関西電力の黒部ルート見学会に当選しました。

補欠で繰り上げ当選したことはあったのですが抽選である事や見学会の期間が限定されている事など、仲良し3人組の休みの日程を合わせるのがなかなか難しく、今まで参加できなかったので本当に楽しみでした。

黒部ルート見学区間と行程

黒部峡谷は、宇奈月~欅平間を運行する黒部峡谷鉄道を通じて、皆さまに親しまれてきております。

―方、欅平から上流の黒部ダムに至る輸送設備(黒部ルート)は、関西電力の発電施設の保守・工事用として使用しておりますが、多くの方々に水力発電事業を理解していただくため、『黒部ルート見学会』として皆さまをご案内することとしました。

関西電力黒部ルート見学会サイトより引用

当選するまでは旅の計画が出来なかったので、早速「黒部ルート見学会」の工程を思案してみました。

黒部ダムは一般的には、富山県(立山)と長野県(扇沢)に抜ける立山黒部アルペンルートが有名ですが、関西電力の見学会コースでは黒部ダムから発電所を抜け欅平に向かう黒部ルートを指します。

申し込みには…

欅平⇒黒部に向かうルート

黒部⇒欅平に向かうルート

この二つがあります。

欅平出発のほうが黒部ダムでゆっくりとできる時間があるので人気があります。

とりあえず抽選に当りたかったので「どちらでもいい」を選択したところ、②黒部⇒欅平のルートに当選しました。

どちらのルートに当選しても一方通行になります。

当初は車で長野県の松本へ向かい現地に止めておき、富山県に抜けて電車でぐるっと大回りして松本に戻って車を取って帰る予定でした。

しかしナビタイムで検索したところ、大回りする時間が約6時間近くかかるので、土壇場で高速バスで現地に向かう計画に変更しました。

自動車を反対側まで運んでもらえるサービスもあるのですが、約3万円近くするようですし、時間を気にせず行動できるので現地には電車かバスで向かうのが得策の様です。

初日は早朝出発の高速バスで、大阪⇒松本⇒JR信濃大町に向かいます。

黒部ダム近辺で一泊して黒部ルートで富山に抜けて、富山駅から高速バスで大阪まで帰ります。

今回の計画で問題点は、急に計画を変更したために「富山⇒大阪」が夜行バスしか取れなかったので、富山駅で23時まで時間をつぶさなければなりません。

しかし「駅前のネットカフェか、サウナで時間をつぶせば良いだろう…」と軽い気持ちでいたのですが、調べたところ駅のまわりに徒歩で行けそうな施設がなかったので若干心配です。

とりあえず少し離れた駅にスパサウナを見つけたのでそこで出発まで滞在する予定で行こうと思います。

1日目

出発初日は早朝から家を出て大阪駅から高速バスで松本駅に向かいます。

高速バスの乗車時間は約6時間もかかりますが、早起きして眠ってたのと、バス車内でミッションインポッシブルを上映していたので映画鑑賞していると思いの外早くつきました。

松本駅は登山家で溢れていました。

お昼を食べに周辺を散策したのですが、エベレストというナンカレーのお店でネパール人の店長に「カレートナンタベホウダイ、アジモエラベルネ」と呼び込まれ適当に入店したのですが、なかなか美味しくて大成功でした。

バターとゴマのナンを2枚食べてお腹一杯になって、次の目的地の信濃大町に向かいます。

今の時間帯は1時間に一本なので乗り遅れたら大変です。

この地域の電車の扉は自分でボタンを押して開閉するようです。

JR信濃大町からさらにバスで大町温泉郷に向かいます。

乗り継ぎ時間はほとんどなかったので周辺の探索はできませんでした。

大町温泉郷は少し寂れた温泉街ですが、空気が澄んでいて気持ちいいです。

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バス停からは川遊びをしながら今晩のお宿(大町温泉ホテルからまつ荘)を目指しました。

大町温泉ホテルからまつ荘は立山黒部アルペンルートへ20分で庭園露天風呂のある最高のホテルです。

夕食は地元で食べようと近所を散策すると、ラーメン屋さんと居酒屋さんがありました。

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あえて、普段なら絶対に行かなさそうな居酒屋を選びましたが、中に入ると老夫婦が藤田まこと主演の「剣客商売」を見ていました。

少し無愛想な感じですが、他に誰もいないので出ていきにくいです。

居酒屋に来てあえて自慢のラーメン600円を選びました。

店主は作り終えるとまた剣客商売を見るために、椅子にすぐに腰掛けました。

我々はドラマの視聴の邪魔にならないように素早く食べて、そそくさとお店を後にしました。

夕食は良い旅の思い出になりました。

宿に帰って、デザートに旅館のお菓子を食べてくつろぎました。

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明日は早いので温泉に入ってすぐに寝ることにしました。

2日目

2日目の朝は8時過ぎのバスで扇沢に向かいました。

温泉街から扇沢駅まで北アルプス交通のバス(1010円)で行く事ができます。

しばらくバスに揺られて、扇沢駅のきっぷ売り場につきました。

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構内にはそば屋さんやお土産さんもあります。

そこで次の出発まで暫く時間をつぶします。

黒部ダムまでは関電トロリーバス(1540円)にのって真っ暗なトンネルの中をひたすら行きます。

ゆられ揺られて、ようやく関電トロリーバスで黒部ダムに着きました!

関西電力黒部ルート見学会の集合時間までは、黒部ダムを見学しましたが想像以上の迫力でした。

関西電力黒部ルートでなくとも、これだけを見るために来る価値は十分あると思いました。

扇沢駅で「物価は上に行くほど高くなりますので、是非こちらでお買い求め下さい」と聞いていたのですが、黒部ダムでは本当に自販機のジュースの値段が値上がりしていました。

黒部ダム見学会の待ち合わせ場所に集まります。

ここからがようやく関西電力の黒部ルートです。

ヘルメットを受け取り通常の見学者とは違う入り口から細い通路を通って見学の開始です。

入り口で身分証明書を見せてセキュリティーチェックを受けます。

まずは先ほども乗ったトロリーバスです。

細い道を走りながらガスマスクの説明をうけます、これを使用することがないことを祈ります…。

途中でトロリーバスを一旦降りて横穴から外に出るとトンネルの外には絶景が広がります。

そして見学後はまたトロリーバスに乗り込み出発します。次はインクラインという見たこともない乗り物です。

ケーブルカーのように傾斜を移動する乗り物です、我々はB号車に乗りこみました。

逆ルートからのコース見学者はA号車で下から上がってきます。

すれ違うときはなかなかの迫力です。

とても地下とは思えない建造物です、要人が非難する核シェルターの様です。

もしも核戦争が起きたらこんな地下施設でずっと過ごすことになるのでしょうか?

そして会議室で映像を見てから水力発電の施設見学です。

本当に水車を回して発電している事を体感できます。

会議室にはNHKの紅白歌合戦の生中継で、中島みゆきさんが出演したときに休憩中に寝たソファーや様々な展示物が飾っています。

今は無人で動いているそうですが、その昔は関西電力の社員さんが住み込みで、健康管理のため看護師さんも常駐して働いていた頃があったそうです。施設自体の古さから少し廃墟っぽい感じが漂っています。

黒部出発コースはここでお昼休憩があります。

特製のお弁当を事前に注文した人は、ここでお弁当(850円)を受け取ります。

私は黒部ダムの売店で笹寿司(700円)を購入しておきました。

黒部の水は無料でもらえますが、お茶は飲み放題です。

お昼休憩が終わった後は、耐熱式バッテリートロッコに乗り込みます。

かなり天井が低いので頭を打たないように乗車します。

途中、仙人谷駅で停車して橋の上から絶景を見ることができます。

しばらく停車して周辺を眺めた後に、再び耐熱式バッテリートロッコ乗り込みます。

暫くトンネル内を進むと今までのひんやりとした冷気がなくなり、突然むっとした熱気と硫黄臭が立ち込めてきました。

黒部ルートの高熱区間に入りました。

湯気で車内の窓が曇ります、手動のワイパーで窓の曇りを取りながら外を眺めるとトンネル壁面に白い「湯の花」を見ることができます。

途中でドアを開けて外の温度を手で感じることができますが、まるでサウナの中にいるような感じです。

「高熱隧道」は黒部ルート内部にある超高温区間です。

最高で160度に達することもあり、ダイナマイトの自然爆発もあり、当時はまさに命がけだったそうです。

作業中は作業員に放水しながら上半身裸で作業をして、放水で溜まった水はすぐにお湯になるのでそれを排水して大変な作業だったことが伺えました。

詳しくは小説「高熱隧道」にもなっています、読んでから行く事でさらに高熱隧道のすごさを実感できる事と思います。

欅平上部駅について、次は竪坑エレベータに乗り込みます。

その前にエレベータ横の階段を上ります。

エレベータ横の通路から外に出ると絶景が広がります。

ここはまだ標高800mの高さにあります。上を見上げるとその当時の作業員の宿舎がありました。

今ではエレベータの機械室になっているそうです。

次は黒部峡谷鉄道に乗り込みます。黒部ルートで最後の乗り物です、ここまで全て無料です。

そしてついに欅平駅に着きました。

最後に関西電力の社員の方のご挨拶で終了です。

長い工程で参加者にはうっすら連帯感が生まれていたような気がしたのは私だけでしょうか?

欅平駅で関電の黒部ルートは終了ですがまだ我々の旅は終わりません。

ここからは一般の方と一緒に黒部峡谷トロッコに乗り込みます。

「欅平駅⇒宇奈月駅」まで2080円です。

正直この旅行で一番つらい乗り物でした。

黒部ルートでは関西電力の社員の方が説明付きで飽きさせないようにしてくださっていたのですが、この乗り物は放置状態で1時間ほどの行程です。

日差しも差し込み蚊も寄ってきて気が休まりません。

そして苦行がおわり、ついに宇奈月駅につきました。

この町は風情のある温泉街です、たくさんの旅館やお土産屋さんも立ち並びます。

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ものすごい熱さ(熱湯!)の足湯もあります。

水で薄めないととても足をつけていることができません。

正直なところここで一泊して帰りたいくらいに疲労困憊していました。

しかし予約してある夜行バスの時間があるので富山駅に向かわなければなりません。

電車の時間まで足湯をしたり、お土産を見たり温泉街を少しうろうろして時間をつぶしました。

富山駅までは富山電鉄(1840円)で向かいます。

普通電車で出発して富山駅に到着したのは18時過ぎでした。

まだ夜行バスの出発まで5時間近くあります。

漫画喫茶で時間をつぶそうにも富山駅の周辺には何もなく仕方なく駅ビルで少し早い夕飯を食べることにしました。

杵屋さんでカツ丼カレーうどんセット(1030円)でがっつりと食べてエネルギー回復です。

ゆっくり食べて本屋さんで立ち読みして20時ですがまだ時間はたっぷりあります。

しかし駅ビルの営業時間は20時までだったので外に出て途方にくれていました。

仕方ないので路面電車(200円)に乗ってネット検索で見つけた銭湯に向かいました。

地元の人になった気分で何だか楽しい気分です、一日の疲れを癒した銭湯は420円でした。

お風呂上りにパピコのコーヒー味(120円)を食べながら外の待合で話をしていると、番台のおばあさんが「あんたたちクーラー効いてるから中でしゃべっとったらええのにー、あっはっは」と笑いながら中に入っていきました。

行きに路面電車で乗った距離が思ったほどでもなかったので、帰り道はぶらぶら歩きながら途中でローソンに寄って夜行バスで食べるお菓子と飲料水を購入しました。

そして富山駅に着いて22時すぎです。

そこで時間を更につぶしてようやく23時になりました。

帰りの夜行バスは3列シートなので快適です、疲れていたのですぐに眠ってしまいました。

そして朝の6時に梅田に到着して長い旅路は終わりました。

様々な乗り物に乗り続けたハードな旅でしたが、本当に思い出深いものになりました。

黒部ダム旅行費用 一人当たり約29000円で行く事ができました。

旅の費用総額

1日目

高速バス 18600円
アルピコバス 1620円 3人
JR 松本⇒信濃大町 2010円 3人
エベレスト ナンカレー 3000円
居酒屋しの 1700円
お茶 129円
CCレモン 150円
からまつ荘 18150円

2日目

高速バス 14500円
アルピコバス 3030円 3人
関電トロリーバス 4620円 3人
トロッコ 6240円 3人
JR 温泉郷⇒富山 5520円
市電 600円 3人
笹寿司 1400円 2個
手打ちうどん杵屋 3040円
ローソン 923円
銭湯 1260円 3人
パピコ 120円

合計 86,612円

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