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「パイロットが続けられるかどうかまだわかんねーだろ」(『GOOD LUCK』 episode-9)

「だったら絶対空に戻れるって信じてる俺はどーすりゃいいんだよ!」

(『GOOD LUCK』 episode-9)

映画館で最近まで木村拓哉主演の『マスカレードナイト』というのを上映していたじゃないですか

↑前作 『マスカレード・ホテル』

それで、その映画を映画館で観たあと、家に帰って木村拓哉の主演のドラマ2003年の『GOOD  LUCK』をまるっと見直しました。

ネタバレになるんですけど、木村拓哉が扮する新海副操縦士が大きな足の怪我をして、医師も周りのみんなも「パイロットが勤まる運動能力にはもう二度と戻らない」と勝手に決めつけてる一方で、本人だけは絶対あきらめないんですよね。

で、怪我の事故の原因を作った頭の固い上司(香田パイロット)が引責辞職をしようとしたときの新海副操縦士:

「俺の為にパイロットを辞める?じゃああれですか、香田さんはもう俺が二度と空に戻れないって諦めてるってわけですよね。だったら絶対空に戻れるって信じてる俺はどーすりゃいいんだよ!勝手に俺に見切りつけないでください。俺このまま中途半端なまま終わりたくないんですよ!」(『GOOD LUCK』 episode-9)

***

この間自分のこの先の仕事について動揺することがあって、外国語の仕事をもうある程度諦めようかなと全然違う業界の面接をいくつか受けていました。

でも家族から電話がかかってきて、「ロシア語の仕事だけになってもいいから今いるロシア語の仕事(生徒さん)を大事にしなさい。」と。

もう泣きました。一人きりの部屋でわんわん泣きました。こんなに泣いたのは小さいころ以来か、っていうくらいにわんわん泣きました。だからもう、語学に関係のない転職活動はいったん全部やめて、今いる生徒さんの授業予習と自分の勉強をする生活に戻しました。

ロシア語の仕事だけじゃご飯が現状たべれないのですが、今いる生徒さんたちはものすごく一生懸命喜んで通ってきてくれています。生徒の一人が、「来年もこのレッスンが続くように、初詣でかみさまにお願いします」と言っていました。

ミール時代からの師匠K先生とのレッスンで、急遽通訳の練習をしましょう。ということになりました。とても簡単な文章とはいえ初見のまとまった分量を先生の前で一気に訳すのは初めてで、でもある程度、まとまった私の出来を見た師匠は「こういうのが(教えるということの)醍醐味なんだよ」と目を細めて仰いました。このK先生にはもうキリル文字のアルファベットから習っていて、昔わからなすぎて授業中泣いたことがあるくらいなのですが、2010年にロシア語の勉強をミール・ロシア語研究所ではじめて、勉強を休んでいることはあっても私がロシア語をここまで辞めなかったということはそういうことなのかと。

また、先日とある語学関係の方に会ったら、語学の世界の先輩としていろいろと話をしてくれて。私の語学教師としてのネックは、単純にまだまだ勉強不足という話以外にも色々とあり、大学でロシア語を専攻していないのでロシア語の学位もなく、語学試験も嫌いなのでなにも履歴書にかけるロシア語の資格もなくて。でも研究者でもあり語学教師でもあり、同時に外国語学習者でもある彼は、「学位があるからといって教えられるとはまた別問題だから。ハルカさんに学位がないことは全く気にせんでいい。だから本業としてやってみたらいいではないか」と言い残して、私がトイレに消えている間にカレーに支払いを済ませて去ってゆかれました。

「絶対にロシア語をやめてはいけません」、とミール・ロシア語研究所時代の東多喜子先生が私になんども仰っていました。

それでやっぱり私は小さいころから「言葉」と「外国語」が好きなんじゃないかと思い直しました。学生時代からずっとずっと外国語を仕事にしたいと思ってずっと悩んでいました。悩んでいる間に勉強すればいいのですが、まだまだロシア語全然できないけれど、目の前の生活をどうしようかというのをあるのだけれども。

3歳ごろから洗濯物を干す母の邪魔をして「あいうえお、やろう」と言って、4、5歳から父がアメリカ出張で買ってきてくれたドナルドダックの英語のアニメを見て、8,9歳からラジオ基礎英語を聞いていて、マライアキャリーの歌をわからないなりに英語で歌っていた時代から。

私が私に見切りをつけたら、もうかみさまも誰も、わたしを言葉の世界に戻してくれない。と思って。


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