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発音をどこまで厳しく教えるかという問題

自分で外国語の世界を泳ぐことができなかった自分にとって、ミール・ロシア語研究所というのはとにかく厳しいところでした。

現在まがりなりにもロシア語講師のたまごをしている今も、毎週固定の時間に必ず教室に行って授業を開催するというのは結構大変で、今私がやっている勉強会はオンラインだからこそやれているようなもので。



これを何十年も続けてきた東多喜子先生や20年以上もミールで講師を務められたカトリ先生の謙虚さには、本当に頭が上がりません。

私は大学時代はロシア語の専門ではありませんでした。
文化人類学や宗教学の専門でした。 言語学の授業を聴講したことはありますが 専門的に体系的に学んだことは大学ではありません。今こそロシア語の勉強をもっと頑張って、いろんな発音や言語学の本も読まねばとあたふたしています。

そういう私がなぜ図々しくミール・ロシア語研究所の看板を借りてもうすぐ1年、続けられているのか。 東先生にもこの件はご報告申し上げ、『あなたが決めたのだから続けなさい』というお言葉をいただいています。

言語学や言語学習を中心とする塾をされている仲間や大先輩方とやり取りをさせていただく機会も少しずつ出てきました。 またその道で活躍されている歌手の方たちに機会があれば発音を、とおっしゃっていただくこともあります。

まあこれは半分ネタなんですけれども、とある言語の先生に先日オンラインで、ロシア語の発音を少し直したことがあります。「厳しすぎ」だとおっしゃっていたのですが、というか多分ネタだと思いますが。 同業異言語の先生に引かれるぐらい、それぐらい厳しく私はオンラインで発音を直します。

発音おろそかにしていくと、ロシア語には格変化という大きな峠がありますが、その峠をごにょごにょごにょっとすませてしまい、それでだんだん辛くなってだんだん楽しくなくなってしまう。
逆に、師匠曰く、発音を疎かにしていると格変化あたりで必ずつまずくそうです。そうならないために。

これは私が私の意思でそうやっているのではなくて、私の恩師である東多喜子先生が当時、それだけ私に発音を直してくださっていたので私も同じだけやっているという、ただそれだけのことです。 

私のレッスンを休んだ生徒さんは、時間が調整できるのであれば補講や振替に来てもらっています。
お休みになった場合、現状は授業料を原則振り替えているので金銭的な理由もあるのですが、これも東先生がそうされていたからに他なりません。

逆に言えばわたしは他にやり方を知らないのです。引退間際の多喜子先生の気迫を知っていて、ここまで厳しくしても生徒さんはついてこれるという方法を受け継いでいるからこそ1年弱も続けてこれているんだと思います。

ここまで厳しくやっても、 逆訳の宿題をまるっと出しても、本当に勉強をしたい生徒さんは仕事をしながらでも家庭を持っていても、ついてこれるという東多喜子先生の気迫を目の前で見ていたからだと思います。


そしてわたし自身は本当に出来の悪い生徒で、クロダ先生ご夫妻からも面と向かって私の行く末を心配されていたぐらいなのですが、それでもやはり、出来の悪い生徒でもついてくる子はついてくるし、消えそうになりながらも続ける子は続ける。という自分の経験もあるのかもしれません。

講師として喋り方を間違えればただの嫌味やハラスメントになりかねない厳しさを、 本当に東先生は純粋に熱心に愛情をもって授業してくださいました。

そして私がミールに出会う前、大学時代に大変にお世話になった中国語のM先生。先生が命がけで言語に接し、海外の文化に謙虚に接しておられる姿勢を真近で見てきて、50人の生徒がいても、大学で近年延長された110分の授業でも、文字どおり命がけで発音指導をされている姿を私は間近で見てきました。現在は岡山県で後進の指導をされています。
言葉に対する純粋で謙虚な気持ちがあれば、必ずその言語や生徒さんへの愛情は伝わるのだということを教えていただきました。 
M先生は8歳から中国語を勉強されておられ、 先生ご自身の純粋さや熱心さに加え、きっとその途中でお世話になったたくさんの恩師達、そして、日中関係は歴史上本当にいろんなことがありましたので、文字どおり命を懸けて青年時代のM先生に中国語をお教えになった諸先輩がたのお気持ちを決して無駄にしまいと、その言語への姿勢をより一層強固なものにされたのだと思います。

あの頃の多喜子先生やM先生、カトリ先生に見せられる授業をしているかはまだ分かりませんが、
その恩師達の姿勢が今の私のオンラインレッスンを形成しているのだと思います。そう思うとやはりいずれ対面の学校もやりたいですね。




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