見出し画像

そういえば長部三郎先生に英語を習っていたことがあった

岩波書店さんのツイートで見覚えのある本のタイトルが流れてきた。


どうも記憶にある名前。この新書も家にある。いや、確か私が大学生になったばかりのころに買った。

そういえば、この本の著者、長部三郎先生に、私授業を受けたことがある。

というのも昔長部先生は私が通っていた某私立高校Tの併設の私立T大学の教授をつとめておられた。高校の英語のクラスは能力別のクラスが編成されていて、一番上のクラスの生徒には長部先生が教えに来てくださっていた。私が習ったのは半年くらいか、高校3年生の4月からセンター試験の直前の12月くらいか、そのくらいだったと思う。

当時その私の母校Tの校長先生が、「一流の教育を」「一流の芸術を」ということで、偏差値的にはそれほど高い学校ではなかったのだけれども、優秀な先生方がたくさんいらしたし、ことあるごとに世界中の一流のアーティストや劇団、バレエダンサー、管弦楽団がいらして上演してくださっていた。

それで、その長部先生が凄いご経歴の先生らしい、とても素晴らしい先生なので失礼がないように、というようなこと学年の英語担当の「しゃもじ先生」から言われたかどうか忘れたけれども、とにかく長部先生の授業は厳かで上品だったので、いつもは授業に間に合わなくて、しゃもじ先生が振り回している「合格しゃもじ」でおしりをたたかれていた子も、みんなおとなしくそれなりに上品に聴講していた。猫に小判ブタに真珠というのはこういうことをいうのだろうか。それで、長部先生もわちゃわちゃとした17歳の集団約50人のクラスを教えにきてくださっていた。駅からその高校Tはとても遠かったし、付属の大学TからもそのT高校はとても遠かった。

もうすぐ重版されるらしい。目次はこちら。

もう何十年も前なので細かいことは覚えていないのだけれども、長部先生の話し方はとても穏やかで、授業の50分がとても美しかったこと。わたしたちが高校を卒業する直前か、受験期直前、その長部先生の英語のクラスのみんなが集まって授業が受けられる最後の授業の時に、しんみりしていた私たちにたいして、若いみなさんへのはなむけの言葉です、と言って、長部先生は黒板に美しい筆記体でこれを書いてくださった。

”You have your whole life ahead of you.”

前途洋々、と訳すんですよ、とちょっとうれしそうに、教えてくださった。

とても美しい言葉で、このフレーズのことだけはその後10何年たってもきちんと覚えていて、ふしぶしに思い出すのだけれども。ああ、あの言葉、そういえば、この伝説の名著を書かれた、長部先生だったんだ。




いいなと思ったら応援しよう!

ハルカ
Спасибо Вам большое:)♡!!! ありがとうございます:)♡!!!