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割り込み

■キエフからサンクトペテルブルグへ

■プルコヴォ空港のパスポートチェック

■ママ、割り込んできて!

■割り込みに怒るか



ウクライナの首都・キエフから、ベラルーシの首都・ミンスクを経由し、サンクトペテルブルグの空港についた。

キエフからサンクトペテルブルグへの直行便はない。

サンクトペテルブルグの空港で飛行機から降りて、

バスに乗って、空港内のとある建物に乗せられていく

19時。

みんな程よくじんわりと疲れていて、そして寒いのでじりじりと、

一つしかない窓口に少々急ぎ足で、押し寄せる。

ウクライナの首都キエフからベラルーシの首都ミンスクまでは国際線。

ミンスクから、

ロシアの第二の都市サンクトペテルブルグへの便はロシアの国内線扱いになる。

だから「ロシアの国内線」から降りた私たち、

乗客100人弱ぐらいが、みんな、一人一人、

国際線専用のパスポートコントロールとは別の窓口で、

パスポート等の確認を受けるのだ

小さな建物に入りきらない旅客は外で待つ


外気温は+3℃。

みんなじりじりと待つ。

ロシア国民ならすんなり通るようなのけれど、

外国人の旅客はパスポートチェック、ビザのチェック、ミンスクで発行された出入国カードのチェック、と色々ある。

8歳ぐらいの女の子が、

あと5人ぐらいでパスポートの確認だというところで

「ママ、もうすぐ私たちの番よ、割り込んできて!!!」

と叫んだ

周りの乗客たちはどわっと笑った。

恐らくママは部屋の最後尾の後ろのベンチに、彼女の妹と一緒に座っていたのだろう

ここでロシア人が凄いと思うは

「あなたがママですか、どうぞお通りください」

とみんなモーセの海が割れたかように、

道をあけるのだ

ママの方も御礼を言いながら恐縮して通る

後ろから妹っぽい子もかき分けかき分け、ついてくる。

ひょっとしたらママは疲れているから群衆の波が終わるまで最後までベンチで待ちましょう、姉が先に勝手にならんでいた、ということだったのかもしれないし

あるいは意図的にママが姉を列に並ばせていたのかもしれないけれど

いずれにせよ

「みんな疲れてるのだから順番を待ちなさい!!」

なんてママが叱って娘を泣かせて

そこにいる約100人のみんながじんわり疲れている夕暮れの群衆の空気をさらに悪化させたりしないし、

まわりのみんなも誰も、「待たなきゃダメだ!」とか、

そんな無粋なことはいわない。

そうして私たちはまたじんわりじわじわ、順番に、並んでいった



補足

ちなみに「ちゃんと並んでくれ!」という場合も

反射神経で「誰かが瞬時に」叫ぶので、

ふつうその場の群衆の空気が悪くなったりはあまりしない。


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