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第二話 『刻まれた特殊能力』 :note×ジャンプ+原作大賞用

レン
「アオイ……
 約束を、果たしに来たわ」

アオイ
「!!?……ぼくの事、知ってるの?」

アオイ
「記憶喪失なんだ……
 名前以外、何も覚えてない!
 頼む……教えてくれ、
 ぼくは何者なんだ!?」

レン
「……それは、まだ教えられない」

アオイ
「!?なんでだよ!!」

——ガチャンッ!
手錠で拘束されて動けない

レン
「……ティエン、お願い」

アオイ
「!?や、やめろ……何すんだ!!」

 ——ザンッ!!
ティエンが手錠を壊す

アオイ
「!?イテテ……」
(助けてくれる……のか?)

ティエン
「……大丈夫か?」

アオイ
「って、えぇーー!?
 ト、トリがしゃべった!!」
(!?もしかして、くーちゃんと同じ……?)

ティエン
「うるさいなコイツ……
 レン、悪いけど黙らせてもいいか?」

レン
首を横に振りながら
「ネオNFTは、
 生き物を具現化できない。
 だけど、ティエンは "特別" なのよ。
 それより……」

アオイ
「な、なんだよ……」

ガシッとレンがアオイを抱きしめて

レン
「無事で、よかった……
 本当に、本当によかった……!!」

アオイ
「!!?な、なに?どういう事?」

レン
「うぐっ、ぐぅ……!!」

アオイ
「——ちょ、ちょっと……」
両手でレンの肩を掴み、体から引き剥がす

アオイ
「ね、ねぇ、教えて……
 ぼくは何者なんだ?」

レン
「それは……」

ティエン
「レン、悪いが……今は脱出が先だ」

レン
「えぇ……ティエン待って、
 これだけは、先に伝えるわ」

レン
「……覚悟して聞いてね。
 ……アオイ、あなたはこれから
 シン日本軍に "命を狙われる" 事になる」

アオイ
「!!?」

レン
「正体がバレたら終わり、
 それはあなただけじゃなく
 ……日本が、ね」

アオイ
「!?ぼくの命が、国に?
 正体って……ど……どういうこと?」

レン
「……場合によっては、
 アナタを求めて、世界を巻き込む戦いに
 発展するかもしれない……」

アオイ
「!!?」

レン
「詳しくは脱出したら、必ず話すわ。
 だから、絶対に生きて出るのよ」
(たとえ、命に換えても……)

アオイ、ティエンに目で訴える

ティエン
「……残念だが、
 私は詳しく知らないんだ。
 ここを脱出し……
 レンの口から、教えてもらう他ない」

アオイ
「~~!!!
 ふぅ……わかったよ。
 今は、我慢する……。
 ここから出たら、必ず話してよ!!」

レン
「アオイ、ありがとう」

アオイ
「よし!!じゃあ早速……
 !!?いっつつ……」

レン
「アオイ、大丈夫?
 ちょっと怪我の状態を見せてね」

足の怪我を確認して……

(!?まさか、たった数時間で、
 弾丸が貫通した怪我が塞がっている……)

アオイ
「???どうしたの?」

レン
「アナタ……
 足、撃たれたのよね?」

アオイ
「え?……うん、そうだけど」
本人は怪我が治るのは普通だと思っている

レン
「いえ……なんでもないわ」
("あの力" が……目覚め始めているのね。
 絶対にアオイは渡せない!)

ティエン
「もういいか?急ぐぞ、レン」

アオイ
「ま、待って!
 ヘルメスは、くーちゃんはどうなった?
 白い犬を見かけなかったか?
 ぼくの……大切な家族なんだ!!」

レン・ティエン
「!!?」

ティエン
「ヘルメスは知らないが、
 白い犬なら途中で見かけたかもしれない」

アオイ
「なんだって!?助けに行く!
 ど、どっちだ?」

レン
「ダメよ!!その傷で、
 武器もないのにどうやって助ける気?

アオイ
「うるさい!助けるまで、ここから出ない!
 絶対ぼくの助けを待っているんだ」

ティエン
「レン、説得は時間の無駄だ」

レン
「……わかったわ。私たちも手伝うわ」

アオイ
「ありがとう!!え、えーと……名前なんだっけ?」

レン
「……そうだったわね。
 私はレン……"翠 レン" よ。
 この白鳥は "ティエン" 、私のパートナー」

アオイ
「ぼくはアオイ、よろしく」
頷き、レンと握手する

アオイ
「!!?」

——パリッ!!
一瞬、電撃が走る

アオイ
「!?うぐっ!あぁあぁぁぁああああ!!!!」

急に頭痛、膝から落ちて頭を抑える

過去ワンシーン
「私はレン、宜しくね」
幼い頃のレンと初めて会うシーン

アオイ
(なんだ?この記憶は!?)

レン
「アオイ!?」
肩を支えて
(時間がないわね……)

ティエン
「くっ、また "その現象" か」

落ちていた
シン日本軍のトランシーバー
「ザザザー……少佐が到着しました」

全員
「!!?」



場面転換:拘置所の前

——ザッザッザッ
バイクから降り、雨の中を歩く男

兵士A
「少佐!!お、遅い時間にご苦労様です!」

アルバ少佐 ※以下少佐
「ったく、2時だぞ、2時!!
 こんな真夜中に呼び出しやがって……
 肌荒れの原因になるだろうが!!!」

兵士A
「い、今はそんな事よりも……」

——ズシャッ!!

兵士B
「!!?がッッは……!!」

全員
(な!?見えなかった……!!)

少佐
「寝不足は、
 いい仕事とお肌の大敵だ、馬鹿野郎」

少佐
「おいお前、状況は?」

兵士A
「ヒッ、は…はい!
 侵入者である謎の二人組は
 拘束中の少女と接触。
 ——恐らく仲間かと……」

少佐
「そのガキ……怪しいな。
 寝る前のストレッチ代わりにするか……!!」


場面戻る

ティエン
「少佐レベルか……厄介だな」
トランシーバーを見て

レン
「早く、アオイのワンちゃんを
 助けて脱出しましょう」

ガゴン!!
ジジジジジーーー

レン
「!?予備電源……
 敵も動き始めるわね。
 アオイ、走れる?」

アオイ
「うん、大丈夫!」
その場で駆け足

レン
「ティエン、先頭をお願い。
 ガードと案内を宜しくね」

ティエン
「承知した」

レン
「行くわよ!!」

突然、二人組の兵士が出現

「!!?いたぞ、あいつらだ!!」

レン
(仲間は呼ばせない!!)
「ティエン、戦闘は私に任せて。
 あなたはアオイを!」

レン
走りながら壁に左手を触れて
「——『ミント』!」
緑色の幾何学模様が螺旋を描き、
パリパリと音を立てて
分銅鎖(武器)を具現化

——ジャラジャラ
走りながら鎖を回す

レン
「ハァッ!!」

敵の手首に当てて
トランシーバーを落とす
「うわぁ!!」

レン
そのまま足払い、中国拳法、分銅鎖で
二人を颯爽と倒す

——ドササッ
白目を剥いて兵士二人気絶

アオイ
ティエンの羽根の隙間から先頭を眺めて
(つ、強い……!!)

ティエン
「レンの本気は、
 あんなモノじゃない」
アオイを見ずに、レンを目で追いながら言う

アオイ
頬を赤らめ、尊敬、憧れの眼差しでレンを見る

レン
「お待たせ、行くわよ」

ティエン
「!?その先の広間だ」

アオイ
——ダッ!!!
一番に駆け出して、広間に向かう

レン
「ちょっとアオイッ!!」

アオイ
——バンッ!!
勢いよく扉をあける
「くーちゃん!!」

くーちゃん
「!?アオイーーー!!」

全員
「!!?」

拷問官(第一話登場)
「ハハハハハ、
 お前がこの犬を探してるのは、
 わかってたからな。
 先回りしてやったぜ!」

アオイ
「なっ!?くーちゃん!?」

ダッと近づこうとする"

——ザザッ!!
兵士が10人くらい集まってくる

レン
(!?あのワンちゃんがアオイの……!!)

拷問官
「おっと、動くな!!!
 大人しく投降するなら、
 この犬の命は助けてやる」

レンを見て遠くから叫ぶ

くーちゃん
「ごめん、アオイ……
 後を追ってきたんだけど……
 ぼくも捕まっちゃった」

アオイ
「くーちゃん、大丈夫だ!今助ける」
(くそッ、どうする……!!)

くーちゃん
「ぼくはいいから、
 アオイは逃げて!!
 うわぁぁぁ!!」
顔に傷をつけられる

拷問官
「〜〜!!
 喋る犬とか、本当にキモイな。
 早く武器を捨てて、
 その場に両膝をつけ。でないと、殺すぞ!」

レン
「わかった、武器を捨てるわ」
敵の足元にポイっと投げる

拷問官
「わっははは!!
 手も上げろよ『ミント』されたら困るからな」

アオイ
(くそ、ぼくに力があれば……!!
 いつも何もできないじゃないか……)

ぎゅっと拳を握る

拷問官
「お前も早く跪けって
 言ってんだよ!!」

くーちゃん
強く握り潰される

くーちゃん
「……!!!」

アオイ
「!?おい……ぼくの
 大事な家族だぞ……離せ!!」

身体から小さく電撃を出し始める

レン
「!!?」
(アオイの覚醒が近づいている……
 正体がバレる前に、ケリをつけないと……)

拷問官
「離せだと?
 お前が指図できる状況じゃねぇだろ!!」

くーちゃん
「!!!!!」

痛すぎて声が出ない

アオイ
ぶちっとキレる
「!?だから……くーちゃんを!!」

レン
UT『寄生木の審判』ユーティリティ『パラサイト レフェリー』」』
アオイを遮るようにユーティリティ(必殺技)発動

アオイ、ティエン
「!!?」

——ドバッ!
シュルシュルシュル!!

拷問官の下にばら撒いたタネが植物に変わる
ツルで敵を絡め、身動き取れなくする

拷問官
「!!?な、なんだ!?何が起こった!?」

レン
UTユーティリティ……ネオNFTに刻んだ "特殊能力" よ。
 さっき、私の武器を投げる時に
 一緒にNFT(タネ)をばら撒いたの」

拷問官
「グギギギギギ!!!」
力で解決しようとするが無理
生力を吸われて力が出ない

レン
「どう?立場が一瞬で逆転した気持ちは?」

拷問官
「ぐ……!!」

ツルが徐々に強く絡む

レン
「人質を取ったくらいで、
 私をコントロールできると思わないで。
 状況っていうのは、
 常に自分で変えていくものなのよ」

拷問官とその他兵士
生気を吸い取られ
——ガクッと気絶する

レン
「アオイ……」

アオイの手元にくーちゃんを渡す

——ガシッ!

アオイ
くーちゃんを抱きしめる

くーちゃん
「……アオイ、
 死んじゃったかと思ったよ」

アオイ
「僕が死ぬわけないだろ?
 無事でよかった!」

くーちゃん
「アオイが捕まったとき、
 何もできなくて、ごめんね」

アオイ
「もう喋らなくていいから!
 早く、脱出しよう!」」

——ザン!!

急にくーちゃん背中を斬られる

全員
「!!?」

くーちゃん
「!!!!!!!」

痛みで白目、ピクピク

アオイ
「!!?くーちゃん!!!
 しっかりしろ、くーちゃん!!!」

——ザッ!!

少佐
「なんだ、誰かと思えば
 ストレッチの相手はお前らか」

全員
「!!?」

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