胃カメラ
健康診断で胃カメラを受診した。
胃カメラは何回やっても慣れない。
できたらパスしたいが、受診項目に付随しているらしく不可避だ。
任意の内診やマンモは毎回パスしている。痛みのためにお金と時間を割きたくない。
といいつつ、わたしには刺青がある。それも背面一面、腹部、胸部という広範囲に。それこそ痛みにお金と時間を注いできた。No Pain No Lifeなのである。
さらにピアスの穴も最大で14個開いていた時期があり、拡張までしていた。しかしそれらは今の仕事に就く際に、手術で縫合してしまった。なんやかんやでその手術費用がレーシックの次に高かったように思う。
いまピアス穴は右耳の8ゲージ2つしかない。
そこで胃カメラと刺青、どちらが痛いのか考えてみた。
そもそも刺青はめちゃくちゃ痛い。生きたまま体を鈍いのこぎりで切断されていくような感覚だ。あるいは、鋭いキリやアイスピックで削られている感じだ。しかし刺青の痛みは、じっと動かずに耐えることが出来る。
それに対して胃カメラは、思わず体が飛び起きてしまうほどで、動かずにじっとしていることができない。
それを思うと胃カメラのほうが耐えがたいのかと思ってしまう。
しかし痛みという観点だと、胃カメラは痛いのとはちょっと違うような気がする。多少の痛みはあるものの、あれは痛いというより違和感と苦しさが勝っている。
刺青はただ痛いだけ。違和感や苦しさは無い。しかしものすごく痛い。
もしかしたら違和感や苦しさがあるかもしれないが、痛みが勝っているのだろう。
そして時間。胃カメラはおそらく数分~10分ぐらいなのだと思う。もっとも体感的には長く感じるのだけれど。
対して刺青は小さい作品だったら数時間で完成だけれど、大きな作品だと基本的には、一度に半日ぐらいを数回に分けて。完成までに何度も通うのである。
分かる人にしか分からないが、刺青を痛みに耐えて入れた後に待っているのは壮絶な痒みである。でも掻いてはいけない。やがてそれはカラフルなかさぶたとなってボロボロ剥け始める。
胃カメラの終了後、多少のふらつきは残るもののすぐに回復するし、見た目も普通である。
対して刺青の施術後、顔は明らかに血色を失い、やつれはてている。たとえば昼過ぎに施術を開始して、夜に終わるとすると、そのころには別人のようにげっそりしてしまっている。
胃カメラと刺青。共通して言えるコツがあるとすると、とにかく力を抜くことと、目を開けてまわりをぼんやり見渡しておくこと。
目を閉じてしまうと痛みに集中してしまうから。
相違点を挙げるとすると、刺青は空腹NG。とにかくしっかり食べて満腹で備えるのがポイント。しかし胃カメラは前日夜9時以降の絶食が求められる。
施術中だけでなく、施術時間や、施術後の状態や回復を考えると、刺青のほうが痛くてしんどいかもしれない。それをわたしは何度も体験してきている。
そう思うと、胃カメラには今後は耐えられるような気がしてきた。
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