相撲とふるさとの話

九月場所の初日と二日目の取り組みが発表された。
横綱の名前が無い。このところ怪我だけでなく、持病の糖尿病で体調も悪く体重も減ってしまったということだ。
朝乃山の名前もない。先場所大けがをした。来年初場所に復帰を掛けるそうだ。
そしてそして。妙義龍の名前が無い。これはどうしたことか。

相撲というものは、力士というものは、出身地が重要である。
それが証拠に取組前や土俵入りの際、四股名や所属部屋だけでなく出身地も読み上げられる。
早い時間の取り組みを見ていて知らない力士が出て来ても「大阪府〇〇市出身」「兵庫県〇〇市出身」と聞こえてくると応援しようという気持ちになるし、良い相撲を取ると覚えて以後応援しようという気持ちにもなる。

わたしは大阪生まれ大阪育ちの兵庫県民である。

(今は兵庫県ということを伏せたい心境だが!)
(ちなみに前の知事選は他の候補者に投票した!)
(兵庫県というと今は知事(恥事)のせいで大いにイメージダウンしている。
いやしかし、そもそも兵庫県というのは未曽有の大災害に前代未聞の少年犯罪、さらには電車の脱線事故など、日本中を恐怖の渦に巻き込みがちな県だったのだ!)

話を戻そう。
NHKの地方ニュースでは、本場所中は郷土の関取の結果が伝えられる。横綱や大関、はたまた優勝争いがどうだったではなく、県内出身の関取の結果のみを手短に伝える。
「芦屋市出身大関貴景勝は~」「高砂市出身前頭妙義龍は~」のように。

兵庫県出身としては、わりと今までは、貴景勝・妙義龍・照強の御三方だったように思う。やがて照強は幕内から十両そして幕下へ。ニュースは関取以上でないと報じられない。しばらくは貴景勝と妙義龍だけになった。それでも貴景勝も休場があると、そこには妙義龍の名前しか上がってこない。そんな今年の三月場所。一人の関取の名前がそこに加わった。たつの市出身・北はり磨である(はりは石へんに番)
もう自身何度目の再十両。昭和61年生まれの彼は、三十代もゆうに超えているが若々しい相撲を取る。ひさびさに地方ニュースがにぎやかになったと思ったが、北はり磨は翌場所から再び幕下へ。やがて妙義龍は十両へ。そして照強は引退してしまった。貴景勝は関脇に。
なんだか地方ニュースが淋しくなってしまう。
そこへ持ってきて今場所、どういうわけか妙義龍の名前が無い。
もしこれで万一、貴景勝が休場したとしたら!

さらに妙義龍だってもう北はり磨と同じく、もう残り少ない昭和生まれの力士なのだ。若々しい相撲を取っても、決してもう若くはない。
回りくどい言い方をしたが、率直に言って妙義龍は親方株も保持しているのだから、いつ引退となってもおかしくないのである。

ちなみに昭和生まれの関取には、妙義龍(S61)のほかに、玉鷲(S59)、碧山(S61)、宝富士(S62早)、佐田の海(S62)らがいる。間違ってたらごめん。
みんなわたし(おばさん)と10も違わない。
幕下以下だと、ときどきわたしより年上の力士もいるのでびっくりである。

そんな「昭和生まれ」なんて言っても、それはモンゴル生まれの玉鷲やブルガリア生まれの碧山にとってはどうなんだろう。おそらく二人とも、平成以降の日本しか知らないと思うのに、こちらの都合で昭和生まれ扱いされることにはどう思われているのか関心がある。

なんだか郷土の話をしたいのか昭和の話をしたいのか分からなくなってきたが、なんとか兵庫県出身の関取を、と願うところである。
もちろん貴景勝と妙義龍にまだまだ頑張ってもらいたいし、北はり磨にも、もう一度奮起してもらいたい。そもそも貴景勝はまだまだ若い。

同時にわたしが期待をかけるのが高田川部屋の大辻。加古川市出身の現在20歳だ(今年21歳になる)
このところずっと、幕下上位に定着。もうひと踏ん張りで十両に上がれそう。しかし幕下上位は、関取経験者と関取を目指す者同士で常にバチバチしており、相当苛烈なのである。
今場所は東幕下8枚目。とにかく勝ち越しを目指して関取を目指して奮起してほしい。地方ニュースで「加古川市出身の大辻は~」を聞かせてほしい。がんばれ大辻。

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