租税回避ダメ、のその先は:パンドラ文書を読む【最新英語ニュース】
世界各地の英語ニュースを読んでみようというコンセプトで、だいたい毎週どこかの英語ニュースを読むイベントを開催しています。
今週は2021年10月6日水曜開催、「パンドラ文書」を読んでみました。
国際調査報道ジャーナリスト連合(ICIJ)による、世界の有力者らのタックスヘイブン(租税回避地)情報が「パンドラ文書」として発表され、一部で話題になっていました。
International Consortium of Investigative Journalists(ICIJ) のPandora Papers
https://www.icij.org/investigations/pandora-papers/
気になった単語など
こちらのチームが読んだのは読んだのはこちらの記事です。
Pandora Papers sparks more international calls for investigation as pressure mounts on leaders in leaked records(パンドラ文書で調査を求める国際的な声)
https://www.icij.org/investigations/pandora-papers/pandora-papers-investigation-sparks-more-international-calls-for-investigation-as-pressure-mounts-on-leaders-revealed-in-leaked-records/
パンドラ文書に対する各国の反応まとめの記事。リークされた指導者らの隠し財産について特に野党側が追及の恰好のネタにしていて、正義の追求というより政治活動という印象でした。
probes 精査、探り針
scrutiny 綿密な調査
pledge 誓約する
in the wake of にならって、に引き続いて
consortium (国際)協会、組合
tax haven 租税回避地、タックスヘイブン
haven:避難所、安息所、港
だいぶ長いことheaven:天国、税天国だと思っていました
defensive 防衛的な、受け身の
Malaysiakini マレーシアのメディア https://www.malaysiakini.com/
マレーシアの議会制度についてはいまいち分からず、文章中の"the lower house of parliament"と"the House"が同じ下院(代議院)を指しているのか、皆で検討しましたが結局よく分かりませんでした
enhance 高める、増す
amend 改正、修正する
evasion 回避
condemn 強く非難する
practice 活動、行為、実行、習慣
tax evasion 脱税
aggressive tax planning
濫用的租税回避(Aggressive Tax Planning):国税庁のサイトからhttps://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/kokusai/oecd/index.htm
こういう専門用語は知らないと分からないので、会の最中にこのサイトを教えて頂いて感激しました。
tax consequence 税効果
cf. current tax consequence 当期税効果{とうき ぜい こうか}
foremost 主要な、真っ先の
もう一つのチームはこちらを読んだようです
Offshore havens and hidden riches of world leaders and billionaires exposed in unprecedented leak
https://www.icij.org/investigations/pandora-papers/global-investigation-tax-havens-offshore/
感想など
皆さんの感想です。
tax havenダメ、というところから大分踏み込んだ意見が多くて面白かったです。
- 国によって税率も違う。小さい南の島で産業も無い場合も
- アマゾンのような多国籍企業はどこに税金を払うのか?
- パナマ文書、パンドラ文書と来たら次の文書は宇宙になる?
- こういった活動はある意味で良いサプライチェーン、良いビジネスなので無くならない。需要がある
- 小さな島や国にとってはグローバルで勝つために税金を低くしたり、規制緩和でビジネスを獲得したい
-どういう所がタックスヘイブンをしてるのか調べた
アイスランド、アイルランドとか。アフリカの国も多い。カナダも
資料によって違いがあるがシリア、イラン、北朝鮮まで。
多くの国が手を染めている
人間の欲は際限がないのか。庶民には知りえないお金の使い道があるのか
だから何?という冷めた感覚にもなる
- パナマ文書、パンドラ文書
儲かってるところは儲かってる
税金を払ってそれが何に使われているのか?
それを考えると払っても払わなくても変わらないのでは?という気もしてくる
- 政治的には野党が食いつく
- 分かりやすく説明してもらって分かった
お金稼ぐ人達はなんでそんなにため込むのか、人間の貪欲さ
- 漫画版のダンテの神曲を読んでいる
どの地獄に行くか、分類して考えてみた
- 馴染みのないトピックだった
なぜそこまで租税回避をしたがるのか?お金あるのに、と思ったが
ケイマン諸島などはイギリス領
法人登録料を取り、いいビジネスになる
- 租税回避をする側がやり玉にあげられるが
回避地側についても今回調べて勉強になった
- オフショア会社からデータを沢山寄せ集め、その整理が大変なことをTsunami として表現しているページがあった
海外の人はそういう表現をするのかと、、
Pandora Papers: An offshore data tsunami
https://www.icij.org/investigations/pandora-papers/about-pandora-papers-leak-dataset/
(個人的にこれが非常に気になって、後でICIJに抗議のメールを入れました。
以前も海外メディアでなにか非常に大変なことをtsunamiと表現しているのを見ましたが、誰も死なないようなことを簡単にtsunamiと表現するのは非常に違和感があります)
- 映画「ザ・ファーム」トム・クルーズが法律事務所で贅沢させてもらう話
tax havenがだんだん分かっていく、暴けたかどうか結論は忘れたが。
華やかな面白い映画でエンタメネタになる
wiki:ザ・ファーム 法律事務所
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B6%E3%83%BB%E3%83%95%E3%82%A1%E3%83%BC%E3%83%A0_%E6%B3%95%E5%BE%8B%E4%BA%8B%E5%8B%99%E6%89%80
- 弁護士だったジョン・グリシャム著の小説『法律事務所』の映画化
- 政治家らが資産を隠している
-> が、政治家は金持ちになってはいけないのか?という見方もできる
お金持ってることを隠さなくていい社会は成り立たないのか?
-> 資本主義で金持ちになっていけないのであれば社会主義になればいいのでは、となってしまう
- どうやってお金を還流させるかは実は結構難しい
ギャングが活躍したり
- 面白かった。存在すら知らなかったので。
世界を闇でコントロールしてる組織を暴く話かと思ったが、tax havenだったのでがっかり。
これはまだ闇の一部で、もっとすごい黒幕が世の中にあるはず。
でもtax havenすら改善できないのが今の実態
- 昔の王様が資産を隠すのは分かる。しかし庶民感覚としては21世紀でなぜこれが続くのか。
闇の世界があるはず。だれか暴いて欲しい
- 結局こういうのを考えるのは欧米の金持ち連中ではないか
スイス:預貯金を隠す場所
小さい国がバイトでやってる話じゃない。大国のポリシーが働いているはず
- 世の中は均一にはならない。無くならないと思う
- デラウェア州などアメリカの中にもtax havenがある
次回は
次回は2021/10/13 水曜19時半です。
聴いてるだけ、日本語の部分だけ参加、などなど自由ですので皆さまお待ちしております!
Sさんからノーベル賞という提案を頂いたのでその予定です。
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このページはイベントレポート兼、勉強会メモです。参加された皆さんの発言、コメント投稿などをまとめて編集しています。
単語の確認は主にhttps://ejje.weblio.jp/サイトを利用しています。
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Blue Baobab Africa ブルー バオバブ アフリカ。 東京タワーの麓でアフリカとメンタルヘルスと色々のごちゃ混ぜをやっているカフェですがゴーイングコンサーンに疑念しかないので サポート頂けると嬉しいです。