こっそりサウナ投稿。

※これはフィクションです

タイトル「ウェルビーは悪くない」

栄、名駅店に通い詰め、ついに初の福岡。
(まさか、あんなことになるとは…)

正午、開店直後に入店。
受付をすませ、ロッカーで着替え中。
視線を感じる…。
他のお客さんだった。こちらが見返すと通り過ぎていった。
思い返せばこれがはじまり。

館内着に着替え、店内を探検。
木がふんだんに使われたコワーキングスペースがあり、過ごしやすそう。
平日は開いていないものの、綺麗なレストランコーナーもあった。
突き当たりの脱衣場入り口のドアを開ける。
さっきのお客さんが浴場へ入るとこ。

自分も館内着を脱いで脱衣棚に置いてると、
さっきのおじさんが脱衣場に戻ってきた。
視線が定まらない感じ。
「?」と思ったものの、忘れものだろうと気にしなかった。
さっさと浴場へ入る。

浴場エリアを探検。

右手前にノーマルサウナ、右手奥に強冷水の水風呂。
正面奥にロウリュできるフィンランドサウナと弱冷水の水風呂。
左手奥にデッキチェアが2つ。左手前にアイスサウナ。

左手の通路を進むと、洗面台エリアと1人専用からふねサウナ。
さらに左の奥へ進むと、ととのいスペースがありデッキチェアがひとつ、フィンランドを思わせるウッドチェアがいくつか。

さて探検終わったので、まず洗面台エリアで体を洗う。
頭からシャワーをかぶってると「ん?」
鏡越しに視界の端に人影が…。気のせい、か…?
髪を洗い終わって振り返ると誰もいない。
まあ、気にしないでいいや。

いよいよサウナ。
やっぱりフィンランドサウナからいこう。
コロナ対策で最大同時3人らしい。

誰もいない、1番乗り!
木のベンチに座り、おもむろにロウリュを2回。
降りてくる蒸気を浴びて「はぁ〜」と脱力したその時、扉の小窓から誰かが覗き込んだ。
よく見るとさっきのおじさんだ。
顔が引っ込んだ。扉が開いた。今度は中をキョロキョロ覗いて扉を閉じた。
数秒後、また扉を開け、今度はサウナの中に入ってきた。
そして僕の真向かいのベンチに座った。

い ち ば ん し か い に は い る と こ ろ に。

全身のアラームが鳴った。
それまでの挙動がすべて繋がった。
「これはあかん、マークされとる!!!」

すぐに立ち上がり、サウナを出た。
脳内はパニック。とりあえず広いノーマルサウナへ避難。

良かった、人がいる。
入り口から一番見えにくい奥に座る。
タオルを頭から被り、視界を遮る
落ち着け…ひとまず、ここは安全だ。

えーっと、噂には聞いてたけど、そういうことだよな?
とにかく怖い。サウナなのに震えが来そう。
もし、狭いサウナ内で出口を塞がれた状態で寄って来られたら?
デッキチェアで目を閉じてととのっている時に接近されたら??

そもそも気のせいだと思いたい。
…が、理屈抜きに危険を感じる。
これが第6感なのか。

えっと、もし今より恐怖を感じたらどうしよう。
大声を出す、叫ぶ、速攻でフロント行って従業員さんに訴える、だな。
とにかく、無防備にならないことだ。
露出もセーブをかける。
ここからサウナを出るまで、サウナパンツを脱げなくなった。
水風呂でも、休憩中でも。。

対策と思考がまとまった頃、ノーマルサウナに3人目が入ってきた。
視線がバレないようタオル越しに伺う。
よかった、おじさんではない。これで計3人。安全が増した。

このお二人は気づいているのだろうか。
聞いてみようか?
いや、せっかくのサウナを台無しな気分にさせたくない。

そうこうする内に4人目が入ってきた。
!!!お、おじさんだ…。
この時点でウェルビーに入店しているのは4人だった。
4人が同じサウナに集結している。
サウナの中なのに冷たい汗が背中を伝う。

おじさんはキョロキョロして、空いているスペースに座った。
…(距離はあるものの)自分の隣だよ。。。
ひぃ~~。

ひとまず人が居て安全だから普通に温まろう。
5分、6分、7分、経過…。
最初からいた人がサウナを出た。やばい。
次に2人目に先に出られたらここはキケンになる。
速攻で脱出。強冷水の水風呂に入る。
違う意味の寒さで水風呂の冷たさを感じない。

次は休憩…人の往来が多いデッキチェアに寝る。
サウナパンツはもう(決して)脱げない。
さらに上からサウナマットをかけた。
頭からタオルをかぶり、タオル越しに目を開けたまま。
(頭の中ではSLAM DUNKのキャラクター達が「ディ、フェンス!!」と叫び続けている)

これでキケンは察知できる。
しかし、ととのいタイムで緊張しなくてはいけないなんて、なんの因果だ。。
無事休憩が終わる。

お次はサウナなのだが、フィンランドサウナは先のイメージがわいて行きづらい。
ノーマルサウナは行ったばかりだ。
はっ、そうだ!からふねだ!
「おひとり様専用サウナのからふね」があるとは天の助け!ありがたし!!

からふねの入り口には「空室」を示すお札がかかっている。
おもむろにお札を「使用中」にひっくりかえして、入る。
よし、個室空間、確保!
中は薄暗く、引き戸の外から入る照明が間接的に照らしている。
純和式のすり鉢の形をしたサウナストーブ、その上のサウナストーンに水を掛ける。
ジュワ~と気持ち良い音とともに蒸気が上がる。
おひとり様用の小さい空間なので、蒸気の循環が早い。
すぐに熱くなる。

「あ~いい汗だ~」と気持ちが緩んだ瞬間、血の気が引いた。
引き戸の外で"同じ"人物が行ったり来たりしている。
時々中を覗いている。

外からは逆光になるので中は真っ暗に見えるはず。
が、こちらからはその顔がはっきり見える。
おじさん。。怖いこわいコワイこわい。。(T_T)

からふねに入ってこられたら逃げ場がない。
使用中のお札の効力もなく、今度は引き戸を開けて中を覗かれた。
とっさに睨みつけた。
1人用サウナを外から開けたことを、睨んだ理由に使えると思ってのことだ。

にらみが効いたのか、引き戸を閉じ、おじさんは去っていった。。
安堵のため息。

しかし、これでハッキリした。
自分の勘違いなどではないことが…。
勘違いであってほしかった。被害妄想であってほしかった。
なんてことだ。ロウリュを繰り返しながら考える。

これはしばらくサウナに行っていなかった罰だろうか。。
サウナの神がお怒りなのだろうか…。
サウナの神様、ごめんなさい!
どうかお鎮まりください。
もっとサウナに通います。サウナを楽しみます。
心のなかでサウナの神様に向かって五体投地のごとく祈る。
なぜかサウナの神様として、ウェルビーのゴッドファーザーのお顔が浮かんだ。

少し冷静になってきたので、対策を整理。
とにかく、サウナ内でもデッキチェアでも意識を投げ出さないこと。
逃げられない状況や接近される状況を作らないこと。
休憩中もタオル越しに周囲を見張る。
怪しい動きがあったら、大声。
そして、受付ダッシュで従業員さんに訴える、だ。

熱にあてられた頭でぼんやり思う。
世の中には様々な性が存在する。
LGBTなどなど。
僕は偏見を持っていない。そういう知り合いもいる。
もし店員さんに訴えたら、僕は差別的な人間と写りはしないだろうか?
いや、違う。
どんな性志向の人であっても、見知らぬ相手にいきなり性的興味をもったアプローチをするのは異常だ。
これは性の志向の問題などではない。
良識ある人かどうか、その一点だ。
LGBTなどと関連付けること自体が僕の偏見だ。反省!猛省!!

からふねの中で10分が経過し、限界が来た。
全身汗まみれだ。
意を決して、からふねを出る。

正面にある洗面台エリアは誰もいない。
よし。とりあえず汗を流して体を洗う。
再び水風呂をくぐって、ととのいスペースへ。

先ほどと同じく。
サウナパンツ、サウナマットを装備したまま頭からタオルをかぶって、周囲を見張る。

まるで森でカモフラージュして隠れているスナイパーだ。
こんなはずじゃなかった。
初のウェルビー福岡を楽しんで、「栄、名駅店もいいけど、福岡も素晴らしいよ!\(^o^)/」なんて投稿をする予定だったんだ。

もはや何セットとか水風呂がどうだったとか、サウナのココが素晴らしかったとか、普通の投稿はできない。今日はホントムリ。
ムリムリカタツムリである。

ああ、自分で何言ってるか分かんなくなってきた。。
相変わらずあのおじさんはフラフラと徘徊している。
幸い大きな危機はなく、2回目の休憩を乗り切った。

よし、次だ。
せっかくウェルビーに来たのだから、やはりすべてのサウナを堪能したい。
心残りにならないよう、再びフィンランド式サウナに狙いを定めた。
まず、中に人がいるかどうか覗く。
良かった、2人いる。
扉を開けて入る。
2人ともおじさんではない。

タオルを被り、顔を隠し、それでも周囲を監視しながらロウリュを浴びる。
じっくり、じっくり。
無事、サウナ終わり。
今度は弱冷水の水風呂に入る。

そして休憩。
人通りの多いデッキチェア再び。
おじさんは視界に現れない。

この時点で開店から2時間経っていた。
お客さんも増えてきた。
あるお客さんなんか、真っ赤な顔でサウナから出てきて、豪快にかけ湯をして、水風呂に浸かって大声で唸っている。

普段ならうるさい人が気になるのだが、この日ばかりは仏様に見えた。
音を立ててくれるのがありがたい。

ふいに、あのおじさんが脱衣所から現れた。
館内着を"着たまま"浴場に入ってきた。
え、どゆこと?
相変わらずキョロキョロして、給水器で水を飲んだら脱衣所に戻っていった。
先に出てたんだな…。ホッとした。。

ここからは天国。
2度目のからふろに入り、3度目のフィンランド式サウナでは誠実そうな若者とロウリュコミュニケーションをとり、気がつくと4セット以上こなした。

いい汗をたくさんかいて、肌がツルツルになった気がした。
ロッカールームにもどり、着替え、スタッフさんに笑顔で会計して、午後3時頃に退店。
さすがウェルビー。
素晴らしいサウナだった…。

…今回のことは、たまたま経験したことだろう。
ウェルビーにあのおじさんみたいな人が集まるなんて、聞いたこともない。
ウェルビーはなにも悪くない。
これは僕の身にだけ起こった滅多にない不運だ。
ウェルビーはスタッフさん、サウナ、水風呂、休憩スペース、全てが素晴らしかった。

「終わりよければ全てよし!」そう思いながら店を出る。
交差点で信号待ち。
気づいたら、目の前にはあのおじさんが立っていた。。。

終わり。

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