猫ふんじゃったとダイスケ君
前回、友達に仲間外れにされたさと吉は、休み時間には決まって、幼稚園のオルガンをひとりで弾くようになりました。
とはいえ、弾けるのは「猫ふんじゃった」のみ。しかも、途中まで。
たまにクラスメイトに誘われてお絵描きしたり、ママゴトをしたりしていましたが、なぜ自分を誘うのか分からず、心から楽しめませんでした。
きっと人数合わせだろうな、なんて思うと、1人でオルガンを弾いているほうが気が楽でした。
さて、これは大人になってから、その頃のアルバムを見ると必ず隣に同じ男の子が写っていました。
母から「お兄ちゃんみたいに、いつも面倒みてくれてたわよ」と言われましたが、私の記憶にその子と過ごした時間は1つたりとも残っていません。
ダイスケ君という名の彼は、人一倍小柄な私の手を引いて、いつも一緒に遊んでくれたそうです。
なのにどうして何も覚えていないのか…。
私が幼稚園生にして人付き合いが苦手になったあの頃、寂しかった記憶がないのはきっと彼がいたからなのでしょう。
卒園間近に転校してしまったそうですが、今でも感謝の気持ちでいっぱいです。
もし今、彼に会えたら何をして遊んでいたのか、自分の面倒をみてくれたのは何故なのか、聞いてみたいです。
1番大切なはずの思い出を忘れてしまった私に、今は後悔の気持ちでいっぱいです。
「ありがとう」と一言伝えたい。
1人にしないでいてくれて、ありがとう、と。
次回、「集団登校はいやだ!」
今回は、真面目で面白くない記事になってしまいましたが、どうしても書きたかった内容です。感謝の気持ちは、今すぐ伝えておかないと、あとで後悔しますよ。
どうか皆さんも、大切な人にちゃんと言葉で伝えてあげてくださいね。
それでは、また。
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