住まない埼玉(副都心マンション購入記(1/3))
「コンクリートの箱を買う」
これだけのために人は悩み、夢中になり、何千万円、場合によっては億をも投じます。最近観た”地面師たち”(おもしろいです、おすすめです)でハリソン山中も「土地が人を狂わせる」と言っていました。「狂ってるのはお前だろ」と思いながらも得心する部分もあり、普段は鳥貴族で終電を逃してもタクシー代をケチって2時間半歩いて帰るような私が、身に余る大きな借金を背負って中古マンションを購入してしまいました。
思い出としてその記録を残したいと思います。
~属性、条件など~
自分 29歳、年収約XXX万円、有楽町線上に勤務先あり
妻 XX歳、年収約XXX万円、副都心線上に勤務先あり
最終的にマンションに求める細かい条件は沢山ありました(後述)が、世帯年収のX倍(6000万)まで、駅徒歩7分以内、職場まで互いに30分圏内、この3つの条件が最も強かったと思います。
色々と本を読んだり、Youtubeを徘徊したりもしましたが、妻とのコミュニケーション(バトル)が一番大切で、また時間もかかったと思っています。
~購入に至るまでの経緯~
・舞い上がり内見編(2019)
2017年に地方⁽¹から出てきて✟TOKYO METROPOLIS✟で就職したおのぼりさんこと私は、上京と同時に出会い系アプリを始め、親に金を借りながら会社の飲み会に参加しまくり、彼女(現妻)ができたらいきなり新築マンション内見に申し込みました。
「投資を始めたかった」「会社の近くに住みたかった」「田舎出身の価値観では20前半で結婚・家購入が当たり前」など色々と理由は付けられますが、振り返ってみるとどう考えても浮かれていました、暴走でした。
ちなみにそのとき見に行ったマンションは年収(見込み)の10.5倍です。凄いですね。
・都心同棲編(2020)
その後、彼女とは1年ほどで同棲を始めます。コロナ禍で軒並み賃貸の値段が下がり、それを好機と見た私たちは山手線徒歩5分の神物件(水漏れあり、ガス漏れあり、勝者あり・・・)で暮らし始めます。
ここでは、都心に住みたいかどうかについて「できたら」程度で良いということを妻と握れて今の納得感に繋げられたことが一番良かったです。同時に二人の駅チカ信仰が確固たるものになってしまいましたが・・・。
・埼玉検討編(2021)
一定以上の利便性があれば良いことが分かった私は、2019年と同じく、再びマンションを購入したい衝動に駆られ(暴走を始め)ます。
・社宅編(2022)
無事入籍した私たちは、地盤固めのために社宅に入ります。駅徒歩15分、会社まで1時間で周りにろくな飲食店もありませんがとにかく安く、貯金しやすさではピカイチです。リモートワークのおかげでそこまできつくもありませんでしたが、この環境は確実に我々(の駅チカ思想)を「強く」してくれたと思います。
そして私はキャリアアップのために転職し、第三次暴走期、三度目の正直とするべくマンションを探し始めます。
2章 準備編
・音楽性の違い~足掛け3年、VS妻~
まずは次に示す表を見てください。2020年時点での妻と私の住居に求める内容の比較です。妻は直感型な一方で私はスペック厨なきらいがあり、そこで大いにすれ違いました。例えば妻はコンクリの打ちっぱなしに魅力を感じますが、私はそれによって断熱性能が落ちることを許容できません。さらに妻は刹那的に生きたいタイプで、私は計画を立てること自体が好きなタイプであるため、私が家を購入する計画を持ち掛けると常に嫌そうな顔をされ、会話は難航しました。さらにさらに妻は家を消耗品だと思っているし、住む場所もあまり変えたくないし、会社に近くないとヤダしな人間です。一方で私も私で会社が近くないとヤダし、色々な所にも住みたいし、家は投資対象だしな人間ですから①戸建てかマンションか②予算はいくらか③立地はどこか…こんな基本的な事項すら擦り合わせにもかなり苦労しました。
一時期は私があまりにもマンションの話ばかりするのでひどく怒らせてしまい、話題を出すことそのものを禁止された時期も1年ほどありました。最近ようやく緩和され、足掛け3年(!)ようやく二人の条件を最低限すり合わせることができました。
ようやくスタートラインに立てた喜びもありましたが、早期購入については私も半ば諦めていて、2023年にはもう長期プランに思考を切り替えました。
そんな折、SUUMOを見ているとかなり二人の条件に近い物件が出ました。職場までお互い30分圏内、駅徒歩も5分圏内、やや築古(20年台)だが価格も6000を切ってる。いてもたってもいられなくなった私は「一度内見くらいはどう…?」と(とても、とても・・・)嫌がる妻を説得し、半ば強制的に内見に連れて行きます。
そして・・・
「いいじゃん。これにしようぜ。」
私が何度説明しても、提案しようともうんともすんとも動かなかった妻。彼女が思いもよらぬ一言を発し、物事は急速に進み始めるのです。
>>2章につづく
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