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【TOR】理解に苦しむIKFの獲得

(画像はSportsnetより引用)

オフの最優先事項だった大谷獲得が失敗に終わったブルージェイズ。その後様々な選手に興味芸関心を示しながらも年末まで動きは見られませんでした。ようやく年末に差し掛かるタイミングで2名のFA選手とサインしました(もう一人の選手については別途記事を作成予定)。
今回はNYYからFAとなっていたアイザイア・カイナー・ファレファ(以下「IKF」)を2年15Mで獲得したことについての投稿です。タイトルとおり、このトランザクションを相当に酷評しますが、IKFを中傷する意図ではないことをご理解頂けますと幸いです。

IKFはブルージェイズにもっとも必要としないタイプの選手

IKFの魅力はなんといってもそのユーティリティ性と守備力にあります。メジャーデビュー直後は捕手としてのプレーが多く、21年~22年は遊撃をメイン、23年は3BとCF, LFの各ポジションで数十試合プレーした万能選手。23年は投手として4試合に登板したこともあり、MLBでも随一のユーティリティ性を誇ります。それでいて守備面での評価も高くGG賞の受賞経験もあります。半面、6年のキャリアで1度もOPS.700を超えたことがなく、特に長打面では物足りない選手でもあります。

このIKFのプロフィールがブルージェイズの選手層と全くフィットしないのが一番の問題です。ユーティリティ性のある選手が非常に多いのが現在のブルージェイズの特長です。内野をどこでもハイレベルに守れる選手であればエスピナル、クレメントがおり、内外野を守れる選手であればビジオやシュナイダーがいます。捕手もカーク、ジャンセンに加えてバーショを起用するオプションもあります。ブルージェイズではIKFの強みが活きないのです。

一方、チームの打撃面は年々物寂しい数値となっており、ブルージェイズはとにかく打てる選手が欲しい状況。しかし、それをIKFに期待するのは酷でしょう。多少打っていた時期もあるエスピナルの復調や、3Aでは圧倒的な成績でメジャーでも打席数こそ少ないものの好成績を残したシュナイダー、クレメントのほうが期待できます。マイナー全般は手薄なブルージェイズですが内野についてはマルティネス、バーガーと昇格間近の有望株を複数抱えている点からも、IKFを2年15Mの好待遇で獲得したのは理解に苦しみます。
既存選手の故障・不振や、IKFの謎の打棒開花により獲得して正解になる可能性もありますが、現状では15Mをドブに捨ててIKFをシーズン開幕前にリリースしたほうマシという結果になる蓋然性も相応に高いと考えられます。

コンテンダーの立場から降りるつもりなのかもしれない

IKFはブルージェイズの選手層とマッチしないのが一番の疑問点ですが、かつてのセミエン獲得のようにバウンスバックが期待できない割に高額で、ミドルリスクかつローリターンな獲得という点も大いに不満があります。
別途投稿予定のキアマイヤー再契約はリーズナブルな価格であり理にかなっていますが、彼も守備面での貢献度が高い選手で、課題の打撃面の解決は難しい状況。IKFにロスター枠と相応の年俸を割くことはチャップマンの再契約や、外野の補強を非現実的なものとし、昨年よりも物足りない打線でシーズンに突入する可能性も十分にありえます。そうなると、果たして本当にコンテンダーと見做せるようなチームと言えるのか、首を傾げたくなります。
このような書きぶりだとあまりにも悲観論者であると思われるかもしれませんが、個人的には特に内野で若手の突き上げによりチーム力が底上げされる可能性は十分にあると期待しています。ただ、そのような観点からも、IKFの獲得は全くマッチしないので、酷評せざるを得ないトランザクションという評価になってしまいます。

最後に

今年最後の記事にも関わらずややネガティブなものになってしまったことは申し訳ございません。キアマイヤーの再契約はポジティブな動きであり、年明けに投稿できればと予定しています。
今年もいつものように気まぐれ更新となってしまいましたが、来年はブルージェイズを中心とした私見をより発信できるよう努めて参りますので、今後とも何卒宜しくお願い致します。

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