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【TOR】チャド・グリーン獲得

(トップ画像は公式サイトより引用)

開幕まで大きな動きはないと思っていましたが、オフシーズンのブルージェイズは貪欲に補強する姿勢を見せています。本日、NYYからFAとなっていたチャド・グリーンの獲得が発表されました。これに伴い左腕リリーバーのマット・ゲイグがDFAに。

グリーンは昨年の5月にTJ手術を受けて現在もリハビリ中ということもあり、契約はやや変則です。23年シーズンのサラリーは2.25Mで、シーズンオフに3年27M(+インセンティブ1M)のクラブオプションがあります。オプションが行使されない場合、単年6.25M(+インセンティブ2M)のプレイヤーオプションが発生します。したがって、グリーンの契約は少なくとも2年8.5Mが保証されます。なお、このオプションも行使されない場合、反対に2年21M(+インセンティブ1M)のクラブオプションが発生します。
とはいえ、3年27Mのオプションを破棄して2年21Mのオプションを行使する可能性は低く、現実的には、今期オフに①球団が3年27Mのクラブオプションを行使、②球団は3年27Mの球団のクラブオプションを破棄、グリーンも6.25Mのプレイヤーオプションを破棄してFA、③グリーンが6.25Mのプレイヤーオプションを行使、のいずれかのケースになると想定されます。

意外かもしれませんが、グリーンは2010年ドラフトでブルージェイズに37順目で指名されましたが、大学に進学しています。(加えて、ブルージェイズはこの年にクリス・ブライアントを指名するも契約に失敗) 大学進学後にDETに指名されプロ入り、マイナー時代にNYYへトレードされて以降8年間はNYYでプレーしていました。
ストレートとカーブの2ピッチ投手で、被弾が多いのが玉に瑕であるものの、通算奪三振率11.6と与四球率2.3はリリーバーでもトップクラスの数値です。TJ前は耐久性にも定評があり、特に20年シーズンは67試合で83.2回を投げる鉄腕ぶりでした。しかしFA年の22年シーズンに故障して5月にTJ手術となり、この時期まで去就が決まりませんでした。

グリーンの契約はリスクが比較的少なく、リターンは相応で悪くない補強という印象です。グリーンは今期の後半戦に復帰すると想定されます。TJ復帰後に故障前と変わらぬ投球が出来れば、上質なリリーバーを3年半で29.5Mの価格で確保したことになります。23年シーズンの年俸は2.25Mなので、オフにFAとなっても大損をするわけでもなく、23年シーズンはイマイチでプレイヤーオプションを行使したとしても、TJ復帰2年目のシーズンであり、それなりに期待が持てるのではないかと思われます。ブルージェイズで1試合も投げずFAとなった某投手と比べるとよっぽど良い契約と言えます。

ブルペンはロマノ、スワンソン、バース、ガルシア、メイザ、シンバーあたりまではほぼ確定で、残りの枠をポップ、リチャーズ、ソーントンらが争う構図となっています。ここ数年は毎年のようにシーズン半ばでリリーバーをトレードで獲得しているブルージェイズですが、グリーンがTJから順調に復帰すれば、今年は例年ほど外部の補強に頼らなくとも済むシーズンとなるかもしれません。

贅沢税ラインを超えても補強し続けた甲斐あって、投打ともにデプス面はかなり厚くなったと感じられます。選手層の厚さという観点から言えば、22年シーズンよりも大幅に補強され、23年のシーズンを戦う上でひとつの強みとなりそうです。


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