見出し画像

5歩目「藍に混じり、朱に溶けて」

   夜の空、藍色。
黒になりきらない夜の藍は、落ち着く。
「今日1日何にも出来なかったとしても、
ちゃんと生きられたんだから、いいんだよ」
……なんて、言って貰えている気がする。

   朝の空、朱色。
夜を焦がしていく朝の朱は、暖かい。
「昨日の涙なんて乾かしてあげる、
今日もキミらしく生きていいからね」
……なんて、背中を押されている気になる。

つくづく、空に生かされている。と思う。

   夜は、月や星に心が動いてふいに涙し、
気紛れに淹れた珈琲に癒され、
未だ顔も知らぬ誰かの声に包まれて、
夜空に微笑まれながら、優しい眠りにつく。

   朝は、じわじわと明ける夜闇に心が動き、
投函された新聞を読んで気持ちを整える。
自分だけの為の食事を気が済むまで楽しみ、
「今日はどう生きるか」を考える。

   なんて事ない、日常。
そのそばには、常に空がある。

すっきり晴れていると、行動的になる。
どんより曇っていたら、外へ出る事を迷う。
雨が降っていると、家で大人しくいたくなる。

朝でいるうちは、「今日は出かけよう」だとか、
「今日一日ゆっくり過ごそう」だとか、
そんな事を考えられるのに、夜になると、
「気力が起きなくて出かけなかった」だとか、
「今日も一日何も出来なかった」だとか、
そういった風に気分が沈んだりする。

そんな時には、空を見る。
夜の深い藍色に、自分が抱えてしまった
この遣る瀬無い気持ちを丸投げする。
すると不思議な事に、
陽気なジャズでも掛けながら、踊りたくなる。
大切な誰かと、夜通し話したくなる。
珈琲片手に、夜空の話に想いを馳せたくなる。

そんな時、私はふと、
何度となく読んできた絵本に書かれた、

「夜空にはそういう力があるんだよ」

という一文を思い出す。
なるほど。それもあながち間違いではないかも。
だって、こんなにも夜空に救われているのだ。

私は、夜というものに深く深く感謝しながら
布団に潜り込んで、眠りに意識を溶かし込む。

   眠りの海から意識を浮上させると、
目の前では、夜が終わりを告げていた。
柔らかく、それでいて力強く、まるで
昨日私を悩ませたものを全て吹き飛ばさんと
ほんわり広がる────朝焼けの朱色。

その鮮やかさに、気付いたら泣いていた。

   悩みだとか苦悩だとかを表したかの様に
空に浮かぶ大きな大きな雲の向こうで、
それらを切り裂く様にキラキラと輝く太陽。
世界が澱んでる原因を切り裂くみたいに、
雲なんかお構い無しに広がる朱色。
その輝きに背を押されて、私は今日も生きる。

   冷たい悩みや苦悩よるを切り裂く、
優しく暖かい救いの光あさ
そんな空の、何とも不思議な力を借りて、
私は今日も生きてゆく。

   ────さぁ、今日も頑張ろーっと!

──────────────────────
思いついたままに書いたので、
とても乱文です……( ̄▽ ̄;)
それでも、こうして読んでくれた事に
心からの感謝を。ありがとうございます(* . .))

どうか君の夜空に、
優しい星が流れますように。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?