鎌倉殿の13人版 最後の詞
今回の政子の演説は良かったなー。紙を投げ捨てて義時がどーのこーのとか言ったときはすごくいやな予感がしたけれど、結局最後は吾妻鏡に忠実にやってくれたのはありがたかった。以下義時がどーのこーのが終わった後の今回版の最後の詞。
参考にWEBから引っ張ってきた吾妻鏡の最後の詞の現代語訳を
いや本当に良かった。小池栄子が素晴らしかった。ただ惜しむらくは頼朝・政子と板東の人々とのつながり。あるいは板東武者が覚えていた朝廷へのわだかまりみたいな物をもっと丁寧に全編で描いて欲しかった。
ちなみに何点か吾妻鏡と違うこと
1点は演説が終わった後ドラマではオーッと坂東武士がなっていたけれど、吾妻鏡によれば「有難さに涙が流れ、言葉にならない者」がいたとのこと奮い立つ雰囲気というよりはむしろ泣いてしまうような雰囲気だったのでは。
もう一点は政子がこの言葉は直に伝えずに家来を通して伝えていること。政子もこのとき高齢でした。ただ、ドラマでそれをやったらさすがに興ざめな感じがします。
(ついでに、この詞を言っているとき義時・義村が同席しているか微妙です。昼までは別の場所にいるので。泰時・時房・広元の名前はありますが。)
(さらに、政子に応えて「ここにいるのみんな味方だぜ」的なことをいうのは、承久記によると一門の泰時ではなく源氏の傍流である武田信光。)
あと、広元に最後の詞の草稿を書かせるシーンがありましたが、吾妻鏡版をみても官僚的なスピーチと言うよりも、むしろ板東武者に訴えかける非常に直情的なもので、政子の意向がかなり尊重されたものではないのかなと思います。
ついでに物語の前の方で「のえ」が兄がうたれてどーのこーのといっていましたが、京都守護の伊賀光季のことです。まったく出てこなかったので何のことかわからなかったですね。私もスルーすると思いました。
ついでのついでに上皇様、西面武士をちょろっと招集した感じがあるけれど、10年、20年かけて自前の軍隊を整備しています。きっと子供の頃義仲に襲撃されたことを相当に根に持っていたんじゃないかなと。
まあ、いいのです。『ばかにするな。そんな卑怯者はこの坂東には一人もいない!』と尼将軍がおっしゃられたときに、私もその当時の板東武者と同じくうるっとしてしまいましたので。今回はそれで非常に満足です。