人生初ライブの思い出-SPITZ THE GREAT JAMBOREE 2014 “FESTIVARENA”

最近、実家の片付けをしていたら懐かしいものを見つけた。

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私が初めて行ったライブのフライヤーである。

断捨離が苦手で部屋のキャパシティと常に戦っている私は、高校を卒業して実家を出てからも部屋の片付けには着手しないままここまで来た。実に4年間、大半の物を捨てないまま置いておいた。
しかし、いよいよ親から片付けるよう言われ、1年後からはひょっとすると実家から通勤するかもしれないとなり、ついに重い腰を上げて片付けという名の思い出探しを始めた。
余談だけど、部屋の片付けついで見つける思い出って、恥ずかしくて目を背けたくなるようなものが多い。 え、私が黒歴史を抱えすぎてるだけ?

その中で見つけたのが、とあるビニール袋だった。中身を見ると、ライブで貰ったフライヤーたち。座席に置いてあったタイプかな?

初めてライブに行った私は、すべてを取っておきたかったと思ったのだろう、フライヤーも全部部屋の本棚に並べておいたのだった。単に断捨離が下手だからではない。
グッズやツアーに関する冊子(上記写真)の他にもサンデーフォーク主催側の他ライブ、近隣ライブハウスのチラシなど、今となっては懐かしすぎるものたちだ。 メ○カリで売ったら高値になる?

ここではそんなものを見つけてしまった私が、6年前のライブのことを、いくつかの分野に分けながら思い出してみる。


○ツアーについて
SPITZ THE GREAT JAMBOREE 2014 “FESTIVARENA”
スピッツの2014年アリーナツアーである。毎年必ず全国ツアーをやることで知られるバンド、スピッツであるが、この年はアリーナツアーだった。アルバムツアーでもなく、周年ライブでもなく、ただフェスティバルでアリーナなツアー。たしか「FESTIVARENA」の名称は20年ぶりとかだったんだっけ。(←要出典)
そして何より、20数年のキャリアにして初めての日本武道館公演が開催されたことでも知られる。2days×2回、計4daysである。すごい。
ちなみにこの武道館公演はDVDになっているのでぜひ。ライブCDも付いてる。これも高校時代、通学中に何度も聴いたCDだったなあ。


○当時の私
高校2年生(誕生日前だから16歳)だった。スピッツを聴くようになったのは中学生からだから、なんだかんだスピッツ歴2,3年くらいになっていたんだと思う。なぜライブに行きたいと思ったのか、チケットを取ってくれと頼んだのか、そのへんは全く記憶にない。多分、ネットかどっかで「ライブのスピッツはロックだ」とかなんとか言われてるのを見て、興味を持ったんだろう。

○チケット
私自身でチケットを取った記憶がないので、多分母が取ってくれたのだと思う。当然FCでもなく、サンデーフォークの有料会員でもなかったはずだが、どうやって取ってくれたのかは今でも謎。普通にぴあとか使ったのかな? の割には、我が母は最近全然チケットの取り方知らないから私が教えてるんだけど。

○日時
2014年7月2日 水曜日

私が行ったのは名古屋2days公演の一日目。しかもこのアリーナツアーの初日だったらしい。

ちょうどその日は高校の球技大会の日で、夜にクラスの打ち上げがあるとかなんとかで誘われたけど、そういう会はたいてい陽キャが騒いでるだけなので楽しくない。ついでになぜかスイパラというチョイスだったので、さっぱり行く気がなかった。なんなら当時は周りのクラスメイトはみんなスマホなのに私はガラケー(しかもキッズケータイ)でLINEにも入ってなかったから、行かなくても何も言われなかった。この直後にスマホに機種変するが、高2にもなってキッズケータイを、しかも小5から使い続けている機種だった私、相当変な奴だったのでは……。

球技大会で丸一日屋外で過ごし、体力をかなり消耗した状態で家に帰り、着替えてから親の運転する車で会場に向かった。

○会場
名古屋 日本ガイシホール
名古屋市内では最大級の会場。確かキャパは1万ちょいくらいだった気がする。アリーナとなると当時はここくらいしかなかったのでは。
市内とはいえ家からはちょっと遠いところにあるため、家からは母が運転して車で向かった。

確か会場は満員で、2階席まで結構入っていた記憶がある。当時のグッズにフラッシュピンズ(光るピンバッジ)があって、それが沢山光っている光景は今も覚えている。子供心に、グッズが欲しいと思ってしまった。それからというもの、ライブに行っては必ず1つ何かグッズを買って帰る人になってしまったのだ……。 そうして少しずつ増えていくラババン。もう若くないのでリュックに沢山付けたり持ち歩いたりはしないで、家の中で綺麗に並べて時々眺めるくらいしか用途のないラババンを、なぜか今でも買ってしまう。

ちなみにこの会場には、その後2017年のTHIRTY30FIFTY50ツアーでもまたスピッツを見に行くことになる。2016年の醒めない(アルバム)ツアーでは名古屋はセンチュリーホール(キャパ3000)になっていて、チケットが取れなかったため、再びスピッツを見るのに丸3年かかってしまい、結果また同じ会場にて会うこととなったのだった。

○座席
アリーナ後方だった。当時のチケットが見当たらないので正確にはわからないが、30~40列目前後だったような気がする。家族4人(私、母、妹、妹)で並んで見た記憶。当時一番下の妹は小4? とかだったので、身長が足らずに座席のパイプ椅子に立って見ていた(後ろの方、本当にごめんなさい)。
我が家族はみんな身長が低いため、アリーナ後方はなかなかつらいものがあった。今でもアリーナ行くときは後方だったらどうしよう… という恐怖がつきまとう。ライブハウスならまあ段差とかでなんとかなるにしても、アリーナのときはどうしようもない。ちょっとでもいいから身長欲しいなあ。

○セットリスト
セットリストが覚えられないことで有名な私であるので、当然ながら6年も前のセトリを暗記しているはずがない。というわけで、某有名セトリサイトで確認した。
各曲に対する一言感想付き。 気になって聴いてみよ! ってなってくれたら幸いです。


〈セトリ〉
1.夜を駆ける
イントロとそれに合わせた照明は今でも覚えている。始まり感があった。今思い出しても最高の始まり方だった。
2.海とピンク
1stアルバムの曲をこんな冒頭に持ってこれるバンド。すごい。歌詞解釈は各所にあるのでノーコメントで。
3.けもの道
冒頭の歌詞をライブ開催地に替える、というお決まりのアレ。「名古屋の日の出 すごいキレイだなあ」\キャァァァァァ/ ってなるやつ。イントロの「デデデデデデデデデデデデデデ」から歓声。
4.僕の天使マリ
聞く度に、マリって名前になりたいと思う曲。
5.ラズベリー
いくらでも歌詞の深読みができるであろう、ちょっとエロかわいい曲。サビが「チュチュ」で始まるの可愛すぎか。この曲と出会って、ラズベリー嫌いを克服した。「ねじれた味」ってなんだろう、と今でも食べるたびに考える。
6.恋する凡人
土砂降りの日でも走り出してみたくなる、楽しくなるような曲。アルバム「とげまる」収録。
7.空も飛べるはず
超有名曲。これを合唱祭で歌いたかったなー(クラスメイトの投票に負けた)。このツアーか忘れたけど、会場モニターで4人を並べて映し出されてるのが記憶にある。何年経ってもいい曲ね。
8.プール
歌詞に「夏蜘蛛」ってあるし夏曲なんだろうなあ。当時は知らない曲だったんだけど、後から調べてびっくり、1991年リリースの2ndアルバム『名前をつけてやる』収録。「君に会えた 夏蜘蛛になった」の接続詞が無いところにどういう意味的な繋がりがあるんだろう、とは今も考えている。
9.フェイクファー
音の綺麗さ可愛さが際立ってる曲。アルバム「フェイクファー」の中でも1番好きかも。
10.夏の魔物
夏ライブだと季節感があって好き。いつかのロックロックこんにちは(8月9月頃開催のスピッツ主催対バンイベント@大阪Zepp Namba)でも聴いた記憶。
11.涙がキラリ☆
「本当はちょっと触りたい」って欲望が見え隠れ。深読みしなくてもエロい歌詞。
12.エスカルゴ
イントロのドラムが心を盛り上げる。高低差の多い音程を歌ってのけるマサムネさん最高。ライブ音源で聴きたい。
13.ヒバリのこころ
デビューシングル。たしか当時FM802のヘビーローテーションになっていたみたいで。さすが802、スピッツを見つけるのが早いね……
14.スワン
アルバム『小さな生き物』収録。歌詞は短めであっさりしてるけど、音の流れ方が大好き。『小さな生き物』は初めてリアルタイムで触れたアルバムっていうのもあるけど、心に刺さったメロディが多かったなあ。
15.楓
有名曲。知り合いにこの曲から名付けられたかえでちゃんって子がいて羨ましいと思った。楓って文字も好き。映える文字(書道的に)。
16.愛のことば
2014年当時、ドラマ主題歌に起用されていた曲。ドラマはほぼ見てないけど、エンディングのこの曲だけ聴くためにチャンネル変えて見てた。
17.正夢
シングルコレクションの2つ目(『CYCLE HIT 1997-2005 Spitz Complete Single Collection』)で初めて聴いて、めちゃくちゃハマった曲。
関係ないけど、夢見ても正夢にしたい時は人に話さない方がいいって本当?
18.ハニーハニー
これ、アルバム『惑星のかけら』収録らしい。1992年発売だって…… 私生まれてないよ。衝撃。音源に時代は感じても、ライブだと曲としての古さを感じない。
19.エンドロールには早すぎる
当時小学生だった妹が「君のくしゃみが聞きたいよ」という歌詞を気持ち悪がっていた。たしかに変態チックだ。けど、くしゃみの音って人によって全然違って、個性が現れてるから、「君」のくしゃみの音が懐かしくなる、ってこともあると思うんだ。って思ったけど、小学生に言っても伝わらないなと思ってやめました。
20.8823
ライブ定番曲。イントロで大盛り上がり。「君を不幸にできるのは 宇宙でただ一人だけ」と歌えるのは宇宙でただ一人、草野マサムネだけです。
21.野生のポルカ
当時の最新アルバム『小さな生き物』より。サビで全員のコーラスが入るのが良い。特に田村が良い。
22.トンガリ'95
曲名のとおり1995年の曲。20年経ってセットリストに入れても瑞々しい。「とがっている」と連呼する40代、若いなあ!
23.俺のすべて
これもライブ定番曲。幼い私には「アバンチュール」の意味が分からなかったけど、好きな曲だった。最近も見たけどやっぱり最高だった。ギターを置いてタンバリンを持ち、ステージを駆け回るマサムネ。好き〜!
24.稲穂
歌詞を見れば、どちらかといえば「夕焼け」の方がタイトルになりそうだけど、そこをあえて稲穂にしたんだろうなあ。
25.夢追い虫
「美人じゃない 魔法もない バカな君が好きさ」って、とても衝撃的な歌詞だった。いくら好きな人にでも、バカだと言われたら多分キレてしまう。けどこの歌詞からは、貶したように見えて結局ベタ惚れです、って感じが見える。

以上、セットリスト全曲感想でした。そういえば最推しアルバム『さざなみCD』の曲がないね!?!? まあ最新アルバムから沢山やるものだよね、うん。

ちなみに当時はまだアルバム全収集も終わってないくらいの頃で、セットリストの中にも知らない曲がいくつかあった。後からCDを集めて聴いて、いい曲だと確認したものもいくつかあった。

ちなみに今となっては大変反省しその後二度とやっていないが、その時の私は知っている曲が来ると1Aから最後まで全部歌っていた。本当に周囲に害しかない観客だったと思う。ライブ中もしょっちゅう喉が渇いて水分補給をしていた。
後から家族に注意され、その後はライブに行っても口パクにしている。それでも喉は渇くけどね。


○終演後
再び母の運転で自宅まで帰り、翌日は普通に学校に行った。はずだ。記憶が無いわ。


ライブに行って変わったことといえば、セットリストと同じプレイリストを作りウォークマンに入れるだとか、知らなかった曲をアルバムを買って聴くとか、多分それくらいだった。

私はこのライブで、音楽の在り方としてのライブというものを知った。しかし、私が次にライブに行くのは翌年のミスチル@ナゴヤドーム、そして次にスピッツに会うのは上述の通り約3年後となる。
単にお小遣いの少ない高校生にはライブはハードルが高く、親と一緒でないと行けなかったからだ。そんなにライブに興味のある親でもなかったから、他のアーティストのライブに行こうとはしなかったし、多分チケットの取り方にも詳しくなかったために、あまり申し込んでいなかったんじゃなかろうか。そして何より、高3からは2年間の受験生生活が始まってしまったため、遊んでいる暇というか余裕が無かったのだろう。

そんな私がライブに行くようになったのは、大学に入ってからだ。バイトを始めて、自分で自由に使えるお金が出来るようになってから、チケットの取り方を覚えたのだ。
それからというもの、気になるとチケットを申し込んでみたり行ってみたり、とかなりアクティブになった。それまであまり趣味の無かった私も、音楽を聴いてライブに行く、という楽しみ方を知ったのだ。

ライブに行く予定が次々と消えていく今、音楽の楽しみ方って人それぞれだなと改めて思い出したし、私も最近はライブ中心になりがちだったのを音源聴く方にシフトしていってる。時間がある今だからこそ、懐かしい曲や新しい音楽を聴こうと思う。
あとライブ映像とか音源っていうのは素晴らしいね? 久しぶりにスピッツ武道館でも見よう。あのときのマサムネさんのシャツは不思議な柄だったなあ…………(小声) それでも格好いいバンドなんだよなあ。

スピッツはいいぞ。スピッツのライブはいいぞ。


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