金剛石は輝けるか

※別のジャンルの話題が出てきますがどちらかを貶す目的はございません。

みなさんは9月にサービス開始1周年を迎えた、ブラックスター-TheaterStarless-(略:ブラスタ)をご存知だろうか。ワルメン応援リズムゲームという音ゲーと乙女要素と不穏さが混ざりあって常にユーザーの胃を色んな意味で痛ませてくるゲームである。
そのブラスタの布教ツイートやnoteはわりと見かけることが多いが、今回はその類のものではない。私の個人的見解を書きなぐったもののため読みにくいところ、支離滅裂な話もあるだろうがご了承頂きたい。

今回は一人の人物に焦点を当てていきたいと思っている。その人物とはシーズン1-6章から追加されたチームBのパフォーマー、金剛である。

金剛さんは元々、新体操選手→プロレスラー(28の時に引退)→スターレスの調理スタッフという経歴を持ち、シーズン1-5章あたりからミズキに誘われてチームBのパフォーマーになった。(その後にヒロインのボディーガードも務めることになったのだから多忙な人である)性格は平和主義で優しく、チームBの最年長で血の気が多いチームBの中では抑え役(抑えきれてもないけれど)をしている。
しかし今回、私が話したいのはその金剛さんの優しい部分ではない。むしろ彼の短所、彼の抱えているものの話をしていきたいと思う。
金剛さんは元より自分の過去を話したがらない。(それはスターレスのキャスト全員に共通することだが)しかしながら元よりシーズン1-最終章-共通3話で「いつでもなりたい自分になれるわけじゃないさ」と諦めに近い発言をしており、彼の過去に何かしらの事情があったことが察せられる。その上でシーズン2-3章-共通5話ではネコメのことを貶されて羽瀬山を殴りかけた大牙に対して「多少の暴言は聞き流しちゃえばいい」「しょせん、他人の言うことじゃないか」などと発言している。(なおそれに対して大牙は「その暴言でえぐられない人だから言えることでしょ」「くだらねープライドかもしれねーですけど、俺は捨てる気がねーんで」と発言している)(また、この話のタイトルは「自尊心を捨てるな」である)
この金剛さん自身の経歴、また今までのストーリーで出てきた彼の発言、またここには載せないが彼にアイテムを上げた時の発言などより金剛さんは自尊心があまりなく、流され体質で、過去にトラブルを起こしたせいでスターレスという場所に流れ着いてしまったのではないかと思われる。
上記のシーズン2-3章での発言も聞き流せなかった暴言を周囲に言われて、彼が何かしらの行動を起こしたせいで前職を失ってしまったが故の反省だとしたら?諦めに近いセリフが多いのも彼自身の自尊心を折られ続けた結果だとしたら?そもそも彼はスターレス以前の前職が明かされてる数少ないキャストの一人である。ブラックスターにおいて意味の無い設定や発言はストーリー上ほぼない。その前職の設定も意味があるものだろう。そう考えると彼の後ろ向きで事なかれ主義な発言は前職が関係していると考えてもおかしくはない。
そしてもう一人、金剛さんと対比できる人物がいる。違うジャンルのキャラクターになってしまうのだが、似たような前職をアイドルマスターSideMの円城寺道流が持っている。道流も柔道家→総合格闘家→ラーメン屋の店主で今はTHE 虎牙道のアイドルとして活躍している。しかし道流は過去のことを話すことは少ないけれど、前向きな発言が目立ち、アイドル活動についても前向きな姿勢が見られる。(金剛さんはスターレスのパーフォーマーに後ろ向きというわけでもないが、彼はオーナーから命令されればチームBのパフォーマーをやめてしまうであろう雰囲気が感じられる)
この二人の違いはなんなのか、そう考えたときに思ったのは「パフォーマー/アイドルをしている理由とは」「仲間のことをどう思っているか」「救いがあるかないか」である。金剛さんはミズキに流されて行い、断りきれないままケイによって認証されパフォーマーとなった(シーズン1-5章、6章)一方で道流は男道ら〜めんを今の店で続けるためにもアイドルで資金を得るという考え方の元にアイドルを始めている。流されるか目的があるとはいえ前向きにしたのかもだいぶ理由が違うし、彼らの性格の差異が出ている。また、仲間については金剛さんはチームBのメンバーのことを気に入ってる描写はあるのだが、それと同時に思うことがあって言っても伝わらないのなら諦める描写があり、また、オーナー(羽瀬山)に言われればチームBから離れることもするだろう。一方で道流はTHE 虎牙道の二人を弟のようだと思いつつも同時に対等な仲間だと見るようになっていき、THE 虎牙道でアイドルの頂点を極めたい、目的が達成された後もアイドルを続けたいというような意思があるように見受けられている。「救いがあるかないか」についても、金剛さんはそういった救いとなるものの存在が示唆されていない。一方で道流は男道ら〜めんで人の温かさと優しさ、愛に触れてそれが救いとなっている。
この二人の共通点、差異を見ると、金剛さんは「事なかれ主義で流されやすく、自分の意思、気持ちを優先することなく、言われるがままに動き、また他人に期待していない、あるいは諦めている」というキャラクター性が浮かび上がり、また彼は未だに何かに救われることなく心をすり減らしている。自分の傷に向かい合って乗り越えてるわけではなく、既に諦めて、傷つかない訳でもないはずの暴言を流そうとしている。そんな男なのだ。そう道流にとっての救いである一杯のラーメンを金剛さんは未だに食べていないのだ。そしてスターレスという場所に安寧はなく、あるのはむしろ喧騒と不穏さだ。
しかし今後、彼がどのように変化していくのかはわからない。ブラックスターというゲームはリアルタイムで進行し、キャストの変化がわかるゲームだからだ。あがり症で臆病だった吉野はそれでも自分の歌を求め、反発ばかりだったミズキはチームのトップとなることで新たな視点を持ち始めた。それなら金剛さんもいつか変わるのだろうか。個人的には救われて欲しいと思っている。すり減ってしまった心の傷がいつか癒せるようになればそう思うばかりだ。


余談その1 金剛さんと道流は上記の経歴の他にかわいいものが好きという共通点がある。金剛さんはかわいいお菓子が作れるし、道流はあみぐるみが趣味なのできっと話が合うと思う。
余談その2 金剛さんのハロウィンカードスト最高でした。

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