見出し画像

美里さんの年齢について

この記事について

 この記事はpixivで二次創作をしている筆者による、ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会に登場するキャラクター、川本美里の年齢についての一考察です。結論としては、美里の年齢は23歳ではないかとの主張をするものです。
 本記事ではアニメ2期4話「アイ Love Triangle」の描写に基づく検討を行います。最後までお付き合いください。異論反論があればぜひコメントをお寄せください。

美里と愛の関係性について

 川本美里は宮下愛の「お姉ちゃん」として登場する人物で、ふたりに血のつながりがないこと、両者の年齢がある程度離れていることが公式媒体で設定されています。
 血のつながりがないことについては、単に血族でないというよりも、法律上の親族ではないと表現する方が恐らく適当であると考えられます。親族であれば「従姉妹」などの「お姉ちゃん」よりも適当な表現が考えられるためです。
 また、美里の年齢については、愛とある程度年齢差があるとされているのみで、具体的な数字に結びつく手がかりが無い状態でした。そのため、美里の年齢については特段の根拠なく20代後半とする主張が多く見られます。筆者もそのような設定に魅力を感じるところですが、これらの主張は半ば願望のようにも思えます。
 しかしながら、仮に現在の美里の年齢を27歳とした場合(議論を簡便にするため、本記事では美里の誕生日を愛と同日であると仮定します)、5月30日生まれで高校2年生の愛は本話の時点(1期で夏休みを終えているので9月以降)で17歳であるため、両者の年齢差は10歳となり、「年の離れたお姉ちゃん」と言っても相当な年齢差であり、不自然であるように思われます。

過去の描写について

 さて、問題の2期4話には11分45秒ごろから、過去の回想として学校に行けなくなった美里が入院しているシーンがあります。
 ここでは過去の美里とまだ幼い愛のシーンとスクールアイドルになった(すなわち高校2年の)愛と美里のシーンがあり、その間に英語のテキストが写るカットが挟まれています。周りの文具の配置などから、このテキストは後者のシーンで美里の前に置かれたテキストと同一のものであると考えられます。
 さて、ここからの勘考に先立って、このテキストの内容を会話文のみ以下に引用したいと思います。英語が読めない方も美里さんになったと思って勉強しましょう。

DIALOGUE
Immigration officer: Next please!
Yuka: Hello.
Immigration officer: Where did you come from?
Yuka: Tokyo.
Immigration officer: Where will you be staying during the trip?
Yuka: I'm going to transfer to New York. I'm staying at the hotel on 23rd street, New York.
Immigration officer: Okay, and how long are you staying?
Yuka: I'm staying for five days.
Immigration officer: What is the purpose of your visit?
Yuka: Sightseeing.
Immigration officer: Are you traveling by yourself?
Yuka: Yes.
Immigration officer: Alright, here's your passport. Have a nice trip!

DIALOGUE
Yuka: Excuse me.
Ground staff: How can I help you?
Yuka: I'm taking a flight to New York by American World Airlines. Where can I find the gate I should be waiting?
Ground staff: Okay, and what time is your flight?
Yuka: In two hours.
Ground staff: Your flight will depart from gate 23. Information will be held on the display when we're ready to invite you to board. Please make sure not to be late.
Yuka: Thank you for your help.
Ground staff: You're welcome. Have a nice trip!

 以下は筆者による訳です。

入国管理官: 次の方どうぞ!
ユカ: こんにちは。
入国管理官: どちらから来られましたか?
ユカ: 東京です。
入国管理官: ご旅行の間、どちらに滞在されますか?
ユカ: ニューヨークへの乗り換えです。ニューヨークの23番通りにあるホテルに泊まります。
入国管理官: 分かりました。滞在期間を教えてください。
ユカ: 5日間です。
入国管理官: ご旅行の目的は何ですか?
ユカ: 観光です。
入国管理官: お一人でのご旅行ですか?
ユカ: はい。
入国管理官: 分かりました。パスポートをお返しします。よい旅を!

ユカ: すみません。
地上スタッフ: どうされましたか?
ユカ: American World Airlinesのニューヨーク行きに乗るのですが、どちらのゲートで待てばよいのでしょうか?
地上スタッフ: はい、何時の便でしょうか?
ユカ: 2時間後です。
地上スタッフ: 23番ゲートからの出発となります。搭乗の準備が整いましたら画面に表示されます。お時間に遅れることのないようにお願い致します。
ユカ: ありがとうございました。
地上スタッフ: とんでもございません。よい旅を!

 この文章で着目したい点は2つです。
 第一に、用いられている文法事項についてです。ここで利用されているのは目的格の関係代名詞(the gate I should be waiting、atが落ちていることや接触節などの議論は置いておきます)、現在進行形の近接未来用法(I'm staying at the hotel~など)、未来進行形(Where will you be staying~)といったものです。関係代名詞については中学3年で、現在進行形は中学1年で(近接未来用法を除く)、未来進行形は高校での学習内容です。しかし、現在進行形の近接未来用法も、未来進行形も現在進行形と文構造はほぼ変わりないため、中学3年から高校1年の間に全て学習することがおおよそ適当といえます。よって、このテキストは中学3年か高校1年に向けたものであると考えられます。ここで、このテキストのカットが美里が学校に行けなくなった過去と現在を繋ぐシーンに挿入されていることを鑑みると、美里が学校に行けなくなったのは中3か高1のときのことであると推測できます。この時の美里の年齢を15歳と仮定します。
 第二に、登場している数字についてです。この文章では「23番通り」「5日間」「2時間後」「23番ゲート」と4回数字が登場していますが、23のみ2回登場しています。ニューヨークの23番通りは実在する地名ですが、空港名が示されていないため、23番ゲートについては実在のものを引用したとは考えにくいように思われます。一方で、23という数字は、現在の美里の年齢としては現実的なものであると言えます。すなわち、現在17歳である愛との年齢差が6歳であるとすると、美里が15歳の時、愛は9歳となり、過去の幼い愛の容貌からも大きく外れてはいないように思えます。また、23番ゲートについては特に23である必要性が伺えないのは上述の通りです。そこで問題の文、"Your flight will depart from gate 23."についてもう少し思案を巡らすと、ニューヨークへ向かうこの便が23番ゲートから出発する、というのは、海外で働きたいと思っている美里の旅路が23歳から始まる、ということの比喩であるようにも思われます。

その他の雑多な考察

 問題の文章では東京からニューヨークまで乗り継ぎの便に乗ろうとしていますが、現実の東京ニューヨーク間には直行便も多く存在します。その中で敢えて乗り継ぎ便を利用しているのは、闘病生活のため海外で働くという夢に直行できなかった美里が再起することを暗喩しているとも考えられます。
 ライブ後のシーンで美里が購入している英会話の本の横には「中学英語+もう困らない日常英文法」といった表紙の本があり、美里の既修範囲はおおよそ中学英語を網羅しているかしていないか程度であると言えるように思われます。また、その後すぐのシーンで飛行機雲の描写があることも本説の補強に資すると言えます。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?