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石川温|5G時代のビジネスチャンス ーテクノロジーがもたらす新しい社会【文末に動画あり】

CONCEPT BASE Shibuyaでも、動画配信をはじめることになりました! 折しも、シャープの国内初5Gスマホ「AQUOS R5G」の発表がなされた。この動画配信に5Gはどう影響するのか気になるところ……。

日経TRENDYで編集者時代からヒット商品の取材をしていた石川温(つつむ)さん。1999年のドコモのiモードの記者会見や夏野氏のインタビューを通じて「iモードは人々の生活を変える」と実感されたそう。それからフリーランスで20年。現在もさまざまな場面で情報を発信している石川さんに、いよいよ来る5G時代について率直なお話を伺った。(聞き手・小山龍介 写真/編集・片岡峰子 グラフィックレコーディング・豊田陽)

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未来IT図解 これからの5Gビジネス 石川温・著 エムディエヌコーポレーション(MdN)

5Gの3つの特徴

高速大容量超低遅延、そして多数接続。この3点で従来の4Gを大きく上回る5G。日本では3月から本格的に実装される。総じての石川さんの感想は「すぐに劇的な変化があるわけではないが、10年くらいの単位で見ると大きく変わるだろう」とのこと。気の長い話なので、いま期待にワクワクされている方は、もしかしたらがっかりするのかもしれない。

「高速大容量」という点でいくと、通信速度は4Gの10倍。実際、すでにサービスインしているアメリカでの実験によると、ドラマ8話分のダウンロードが信号待ちしている間に完了するくらいの速度だ。1分の8K動画は、6秒で送れる。

そして「超低遅延」タイムラグなく通信ができるということ。ただ、映像をかませると数秒遅延する。本当のリアルタイムではないため、活かせるサービスも少ないのかもしれないが、たとえば、遠隔での重機の操作。東京にいるオペレーターが遠く離れた地方の現場で重機を扱う場面では、その土地の情報やショベル部分が地面にあたったときの感触など通信できることで、作業を滞りなく進めることが期待される。

最後に「多数端末接続」これは、石川さんによると5Gではそんなに進化しない、のだそうだ。IoTが盛り上がるという話もあるが、スペック的には現行とあまり代わり映えはしなさそう。

電波として扱いにくいと言われている5G。石川さんの見立てでは、全国区に4Gが張り巡らされ、ピカピカに磨き上げてそのうえに、局地的に5Gが展開されるイメージ。また、法律の縛りや免許制度が変わるで2021〜2022年に本格的に広がるという予想を立てている。

8Kの臨場感ある映像を、高速大容量の5Gで届ける世界

では、5Gはどんな使われ方をするのか。実験段階のものも含めて、石川さんからは医療現場や車の自動運転での活用シーンが紹介された。

どこでも持てるようになる5Gは、つなぎ放題を可能にする。ここがひとつのキモになる。通信容量を気にせず使える。動画がもっと当たり前のコミュニケーション手段になる、と石川さんは指摘する。

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さて、5Gに興味津々の小山龍介との対談。ダイジェストでお届けします。

小山 たとえば、こう相手の肩を軽く叩くとか、こういう接触、ミラーニューロンでわかる相手の痛さもロボットが学習できるようになったら、絶妙なコミュニケーションが機械同士でできるようになるんですかね。

石川 ん〜、どうですかね……。真の自動運転ができるようになるんじゃないかな。 微妙な距離感、たとえば、前の車との幅1センチくらいで、時速300キロで走れて、絶対事故しないとか。

小山 そうですね! ぼくは、介護の世界はもう待ったなしだと思うんです。ロボットが自分のセンサーだけで、介護するのには限界がありますよね。人間は目の前のことをやりながら、周りのことに気を使える。ロボットも自分の後ろから自分を見るみたいな目がついていたらそれも可能になりますね。

石川 あぁ、空気を読んでもらいたいというのはありますよね。家電のコントロールも、いまは温度設定が必要ですが、口で何度に、と言わなくても、たとえば寝てるときに布団を掴みなおしたら寒いんだろうなと感知して判断できて、温度を上げる、みたいなことができると……、快適になるのかな。

小山 そういうことまで見る、全体のカメラがあったらいいですね。

石川 ドライバーのスマホと車も連動すると、交差点の死角の人数も把握できるし、急に飛び出す自転車を察知することもできるようになる。スマホと車で事故がなくなる。

小山 お能でいう、離見の見、ですね。なんとなく全体を認知する潜在能力としての全体を見るカメラがあったら気の利くデバイスができるんじゃないか。飛び出し事故がまったくなくなる。死角がなくなりますよね。自律的に協働していく。

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