見出し画像

夜空を見上げて

まあまあ星が見える地域で育った。そのせいなのか、幼い頃からよく夜空を眺めていた。

小学生の頃は、週末になると自宅の近くにある図書館とプラネタリウムが併設されている公共施設へ足を運んでは、宇宙の図鑑や星々が紡ぐ神話を読み漁ったり、プラネタリウムの解説員の方の話をリクライニングシートに寝転がりながらきいていた。○○流星群とか、月食とか日食とか、そういうイベントがあると、特別に何処かに観測へ行くわけではないけれど、星座早見盤を片手に空を見上げた。

そして現在の私。幼い頃よりも少し都会に住んでいるからか、この部屋の窓から見える星は、ずいぶん少ない。だけど、快晴の日の夜は空を見上げて星を探す。目を凝らせば見つかるんじゃないかって思うからだ。星を月を眺めては「世界の何処からも月って観えるんだよなあ」、「昔の人も同じ月を観ていたんだよなあ」としみじみとする。一日の終わり、優しい風に吹かれながら、夜空を眺める時間がたまらなく好きだ。私はきっと、静かに何かに集中する時間を心地よいと感じるのだと思う。だって、文章を書く時もそうだから。

今は難しいけれど……もう少ししたら日本中にある星空の名所に出かけたい。そして、本格的に事態が落ち着いたら、世界中にある星空の名所に出かけたい。……今は知識を得る時間にする。子供向けの図鑑(わかりやすいんだもん)や専門書を読んで勉強して、それから、星空の名所って何処にあるのか?どうしたら行かれるのか?イメージを膨らませる時間にする。そうそう、並行してプラネタリウム巡りもしよう。

少し前、世界で一番綺麗な星空が観られるという場所へ一人旅をしたことがある。綺麗なものが観たくて衝動的に日本を飛び出した。私にとっての綺麗なものは、星空だったから星空だけを眺めに出かけた。思った通り、いや、思った以上に美しかった。流れ星はそこら中に流れていたし、月明かりがこんなに眩しいなんて思わなかった。私は、もう一度あの星空を観たい。

そんなことを考えていたら、滞在したホテルの近くにある売店で、店員さんに言われた言葉を思い出した。確か、デザートにアイスを買った序でにした会話だった。一人で来たこと、星を観に来たことを伝えたら、彼はこう答えたんだ。

「Why do you come alone? You don't have friends? There are many good places to visit. Next time, you must come here with someone, OK?(何故、一人で来たんだ?友達がいないのか?何故、星空だけなんだ?観光地はいろいろあるんだぜこの国には。次に来るときは、誰かとおいで。一人じゃなくてさ。いいかい?)」

その時思ったんだ。「ああ、今度は家族と来よう。」って。あの、夜空に吸い込まれるんじゃないかと言葉を失うくらいの美しい満天の星空を一緒に眺めたいのだ。きっと、忘れられない思い出になる。これが今の私が叶えたいの夢の一つである。

梅雨の時期ではありますが、晴れた日の夜は、空を眺めてみてはいかがでしょうか。梅雨のジメジメとした不快感も少し和らぐかもしれません。

お付き合いいただきありがとうございました。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?