お金は収益よりもコストに注目!

Q.僕は現金を持っているとすぐに使ってしまいます。ですからATM(現金自動預払機)を財布代わりにして、一度に5千円以上は引き出さないようにしています。でも、いつも仕事帰りに会社の一番近くのコンビニでおろすので、けっこう手数料を取られます。この前計算したら、手数料だけで月に数千円も払っていることに気づきました。これってバカらしいですよね。なにかアドバイスください。

■ATM手数料だけで月に数千円?
 自分の性格を把握され、多額の現金を持ち歩かないというのは良い習慣ですね。でも、支払う手数料がそんなに多いのでは本末転倒になりかねません。まず、払い出し期間を少し伸ばしましょう。1回5万円くらいの大きな単位でおろしてください。そしてそのお金を家の安全な場所に保管し、1日5千円ずつ財布に移すようにしましょう。
 ただし、その5万円を引き出して手許に持っている間は、誘惑に負けないよう気を引き締めて、一目散に家に帰ってくださいね(笑)。

■お金がお金という果実を生むために…
 以前の項で「100円玉はお金の種である」というお話をしましたが、お金がお金という果実を生むためには、当然のことながら「払うコストより、もらう収益を多くする」必要があります。

 この世の中に、まったくリスクのない金融商品というものはありえません。ですから金融商品は、実は後にならないと儲かったか損したかわからないという特徴があります。

 収益が最後にならないと確定しないものだとすれば、私たちは最初からはっきりしているコストを削ることにもっと関心を持つ必要がありますね。

お金を巡るコストにはどんなものがあるかというと、

・ATMでの払出し手数料はもちろんのこと、(どうして自分のお金を引き出すのにお金がかかるのか? いまだに納得できずにいます…)振込手数料など
・金融機関でよく理解できないまま取られている金融商品の各種手数料(投資信託の信託報酬とか外貨売買の時にかかる為替手数料とかその他もろもろですね。)
・残高が少なくなり、うっかり引き落とされてしまう預金口座管理手数料(これけっこう口惜しかったりします。)
・たいして儲かってもいないのにしっかり取られる株式等の口座管理料
・クレジットカードの年会費
・ローンやキャッシングの高い高い利子
・そして、コストとはなかなか認識しがたいけれど、忘れちゃならない税金も含まれます。

■このお金を使わずに運用したらいくらになるの?
 一般的に、人は何か買ったり売ったりなど、なんらかの行動に伴って支払う手数料には敏感なのですが、保持している時にかかる(知らない間に銀行から引き落とされるような)コストはつい見落としがちです。そして、長い目で見るとそういったコストのほうが大きな金額になってしまうこともよくあるのです。(ですからサブスクリプション方式は儲かるのですね)

 例えばクレジットカードの年会費、メインカードは一生使うものですから、20歳の時に作ったカードを80歳まで所持していたら?(年会費はそのままと仮定します)

年会費@1500円×60年=9万円 

 「なんだ、10万円にもならないじゃん」なんて言わないでくださいね。この年会費分の1500円を60年間積立て、5%複利で回したとしたら?なんと計算上は約56万円にも増えるのです。

 お金に敏感な人たちは、このようにかかるコストだけではなく、その分のお金を運用していったらどうなるかというお金の将来価値まで考えています。さあ、きょうからあなたも、もっとコストにシビアになりましょう!

 クレジットカードは、年会費無料のものに変える、振込は手数料のかからない方法にする、同じような投資信託なら総合的な手数料の安いほうを選ぶ(販売している窓口によっても手数料が変わることがあります)、カードを使うなら手数料のかからない1回払いやボーナス払いにする(それで買えないものは要らないものだと思ってください)、カードでキャッシングするより、金利のつかないパパ・ママ銀行(つまり親ですね)に借りる、戻されるべき税金は、必ず確定申告して還付してもらう、などなど、ちょっと気をつければ改善すべき点はいろいろ見つかりますね。

 コストカットはお金の種が芽を出し、花を咲かせるために必要な、いわば害虫駆除や雑草取りのようなもの。将来の大輪の花を夢見て楽しみながら始めましょう。

幸せを呼び込むポイント
・コストはいわばマイナスのリターン、積極的にカットしていきましょう。
・お金に敏感な人たちは、将来のそのお金の価値まで考えています。
・単に節約するということではなく、自分の価値観に合わせ楽しみながら。

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