お金のこと、あらためて考えてみませんか

お金と幸せの関係

Q.厳格な両親に育てられたせいか、お金というものにあまりかかわり合いたくないと感じてしまいます。とはいえ、生活するうえでは考えないわけにもいかず…。これからお金とどのようにつき合っていけばよいのでしょうか?


■お金とはなんでしょう?
 いきなりですが、あなたにひとつ質問したいことがあります。
『あなたにとってお金とはなんですか?』
 これは、私がお金関係のセミナーをする時、最初に必ずお尋ねすることです。
 お金というのは、時としてその人の価値観を映し出す鏡のような役割を持つことがあります。ですから一度、自分にとって「お金」とは何なのか?を改めて考え、自分のお金に対する価値観を確認しておくことは、非常に重要なことだと思います。
 さて、改めてこう尋ねると「生活に必要なもの」とか「便利な道具」など、ほとんどの方が客観的に答えてくださいます。お金自体は善でも悪でもなく、価値中立的な存在であるということはみなさんよくご存知なのですね。
 ただし、お金というものは、いざとなると非常に感情に絡みやすいものです。「お金は感情に絡みやすいので注意が必要!」ということを、ぜひ頭の隅に置いておいてください。
 今回の質問者も、ご両親の影響からか、一種の罪悪感のようなものが、単なる道具にしか過ぎないお金に絡まってしまっているということでしょう。

■なぜお金が欲しいのですか?
 もうひとつ、質問があります。
『あなたはなぜお金が欲しいのでしょうか?』
 「お金」がテーマのこの文章を読んでくださっているということは、少なくとも「お金」に興味があり、「お金」が欲しいと思っているからですよね。
 では、なぜお金が欲しいのか?その理由を考えたことがありますか。
 「旅行に行きたいから」「新しい服が欲しいから」「生活を安定させたいから」「留学資金を貯めたい」「マンションを買いたい」「老後のため」「起業資金」「自信をもちたいから」「なんとなく不安だから」「通帳の数字を見るのが楽しいから」…。
 これには、人それぞれいろいろな理由があると思います。
 これらの理由をちょっと乱暴にまとめさせてもらうと、結局は「幸せになるため」なのではないでしょうか。お金を得ることやそのお金を使うことによって最終的に手に入れられるのは、うれしいとか楽しいとか、安心した、といった感情、つまり「幸福感」なんです。
 つまり、あなたが「お金が欲しい」と思うのは、「幸せになりたい」から、ということなんですね。 
 「幸せになりたい」という思いは人として当然の権利なので「お金が欲しい」と思うことは、決して恥ずかしいことでも悪いことでもないのです。

◇幸せを呼び込むポイント
・お金とうまくつきあうために、自分の価値観を再確認しておきましょう。
・お金はとっても便利な道具、でも感情が絡みやすいので注意が必要。
・お金が欲しいのは幸せになりたいから。決して悪いことではありません。

マネー・カウンセリング1

■幸せはお金で買えない…
「そうは言っても、お金だけじゃ幸せになれないでしょ」 はい、その通りです。
幸せはお金では買えませんし、たくさんお金がなければ幸せになれないということでもありません。実際、幸せな人はお金がたいして無くても幸福だし、不幸な人は、たとえお金が唸るほどあっても不幸せです。
また、船が難破して無人島に命からがらたどり着いた、なんて場合にはいくら財布に札束が詰まっていても、プラチナカードを持っていても、まったく役に立たないでしょう。

■お金がないことは不便なこと
 ただ、通常の場合はお金が少ないと幸福感は薄いような気がします。
 また、お金がないということは不幸ではありませんが、はなはだ不便です。お金のいいところは選択肢が増えるということでしょう。
 お金が限られているとその選択肢も限られますし、そのことがまた、ストレスになったりもします。例えば、歯が痛くて歯医者に行ったとしても、お金が足りなければ最低限の治療しか受けられないということもありえます。また、東京から大阪まで急いで行かなければならない時、お金があれば新幹線や飛行機を選択できますが、(もっとお金があれば自家用ジェットなんて手も?)新幹線の特急券代が工面できなければ、在来線で行くしかありませんし、その交通費も無ければ諦めてしまうこともありえます。
 つまり、お金というのは幸せの絶対条件ではないけれど、必要条件であるということですね。

■大切なのは『バランス』
「幸せ」というのはバランスが大切です。健康や愛情、仕事のやりがいや人間関係、趣味など、どれかひとつあれば幸せか?というとそんなことはありえません。
 お金というのはそういう「幸せのバランス」を整える要素のひとつであり、生活を営む上での【幸せの土台】なのです。
 てすから、幸せになるためには、お金も大事だし、愛も大事だし、健康も大事だし、仕事も大事だし…と、ぜんぶ欲しいということでOKなんです。
 もちろん時と場合によっては、優先順位をつけなければならないときもありますけど、基本的にはぜんぶ手に入れようと欲張って考えていただきたいと思います。

◇幸せを呼び込むポイント
・たくさんお金がなければ幸せになれない、ということではない。
・選択肢が増える、というのがお金のメリット。
・幸せになりたいなら、全体のバランスを考えること。

※2006年7月から2007年9月まで連載していたso-netの公式ブログ『幸せを呼び込むマネー・カウンセリング』から転載しています。(挿絵も)


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