お金にとっての最大のリスクとは?

Q. パチンコが好きで、暇があるとついつい行ってしまいます。最初は5千円だけっ、と思うのですが、気がつくと数万円使っていることもしばしば。たまには儲かるのですが、やっぱりトータルでは損してるし…。なんでこんなに意志が弱いんでしょう。我ながらいやになります。

■わかっているのにやめられない…。
 このまま遅くまで飲んでしまうと、明日はキツイなぁと思いながらも、ついもう一杯、もう一軒と帰りの電車がなくなるまで飲み歩いてしまった、なんてことありませんか。

 頭ではわかっているのに、行動できないってことよくありますよね。人間は基本的に理性ではなく感情で動く動物です。特に、お金は非常に感情と結びつきやすいものなので、合理的な判断をするのはより難しくなります。

 わたしなどは、大事な時に限って「勘定」より「感情」が強くなり(ここシャレです、念のため…)けっこう火傷してきました。(^^ゞ

 特にギャンブル好きな人は、儲かっていればもっと儲けられると思い、負けているときはどうにかこの分を取り返そうと、どんどん深みにはまってしまう人が多いのではないでしょうか。

■いちばんのリスクとは?
 リスクという言葉を聞いたことがありますね。
お金、特に金融商品にかかわるリスクには、インフレリスクや価格変動リスク、為替リスク、信用リスク等々、いろいろなものがあります。みなそれぞれ気をつけなければならないものなのですが、中でもいちばん注意しなければならないのは何かというと、実は、自分自身の「感情(リスク)」なのです。

 「絶対儲かる」なんていう根拠のない自信や、ずるずると損切りできない意志の弱さ、なんとなく下した決断、そんな「自分の感情」やそれに伴う「合理的判断の欠如」によって損失をこうむることが意外と多いのです。

たとえば、これは有名な例ですが、次のうちあなたはどちらを選びますか?

<1問目>
A-80万円もらう
B―100万円もらえるが、15%の確立で1円ももらえない場合がある
<2問目>
A―80万円支払わなければならない
B―100万円支払わなければならない、15%の確立で1円も払わなくてよい

 多くの人は1問目ではAを選び、2問目にはBを選ぶそうです。 
 計算してみれば、その期待値はどちらもAは80万円、Bは85万円になり、合理的に数字だけで考えるならば1問目ではBを、2問めではAを選ぶことが正解となります。(ちなみに私が選んだのは両方ともB、こうなるとギャンブラータイプなのだそうです。やっぱり賭け事には近づかないようにします。)人間は、いつも合理的に考えられるわけではないのです。

■ルールを作ってそれに従う
 まずは、人間は感情の動物であると認めてしまいましょう。その上で自分の感情に左右されないしくみを作ることが大切です。

 感情リスクへの対処法として、例えば株式投資等をやっている方なら、感情的で非合理な判断をしないように、いったん市場から離れ、余計な情報が入ってこないようにすること。さらに売買も最初に決めたルールに従って、機械的に行なうようにシステム化することをお勧めします。

 同じように、今回の相談者さんには、意志が弱いことが自分でわかっているのですから、やはり最善の策はパチンコから離れることです。それでもどうしても我慢できないというなら、財布をいったん家に置いてから、5千円だけ持って改めて出かけていくことにしてはいかがでしょうか。自分自身でルールを作り、それに従うくらいの意志は必要ですね。次回は、この合理的判断を曇らせる感情リスクの原因をもう少し探っていきます。

幸せを呼び込むポイント
・人はしばしば非合理的な判断をする生き物
・注意すべきは自分の感情である
・感情に左右されないしくみ・ルール作りが重要

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