自分自身にご用心 「お金の感情リスク」

Q.私もそろそろ投資を始めようと、雑誌に載ってたある会社の株を買いました。その雑誌には絶対おススメって書いてあったし、けっこう有名な会社だったので「これは儲かるかも!」と思ったのですが、ぜんぜん値上がりしてくれません。やっぱり勉強しなくちゃダメでしょうか。

■儲かると思ったのにそれほどでもなくて…
 前項で、お金に関わるリスクの中でいちばん注意しなければならないのは自分自身の「感情リスク」なのだと説明しました。

 この質問者さんの場合も、雑誌に載っていた情報だけに頼って、他には特に調査せずに株式を購入してしまったということです。これはやはり、合理的な判断ではありませんね。なんとなく「儲かるかも」という自分の思い込みに従ってしまったということです。

 今からでも遅くないので、その会社についていろいろ調べてみてください。その上で、持ち続けるか、売却してしまうか、改めて判断してみましょう。

■合理的判断ができなくなるとき
 では、感情によって合理的な判断ができなくなるのはどういったときなのでしょうか。自分の感情に振り回され、大きく損しないように、前もって自分の傾向を知っておきましょう。

・情報が少なすぎる
限られた情報では、正確な判断を下すことができません。同じような商品AとBをいくら比較しても、実は別のCという商品の方が価格も手頃だし、品質もよかったと後で気付いてくやしい思いをした、なんてことよくありませんか。

・情報が多すぎる
情報が多すぎるというのも困りものです。多くの情報の中で、どれが重要でどれが重要でないものか、選ぶことができなければ、逆にその情報に振り回されることになってしまいます。

・自分の考えがなく、人のいうことを鵜呑みにする
それがなぜそうなるのかよく考えましょう。マスコミに踊らされやすい人は要注意です。

・リスクが大きすぎる
「全財産を賭ける」とか「命を賭ける」など、その勝負の代償があまりにも大きすぎると、平常心を失ってしまいます。人生に何回もあることではありませんが、そういう場合は往々にして失敗しやすいでしょう。

・うまくいき過ぎている
今までの成功体験が強すぎると、ついつい驕ってしまうのが人間の弱いところ。波が変わったのに気付かず、次の波に乗り遅れてしまいがちになります。

・余裕がない
金銭的に、また時間的に切羽詰ると精神的な余裕も失われます。ちょっと考えれば絶対に割に合わないのに、借金に追われた人が誘拐事件を起したり、銀行強盗をしてしまったり…。余裕のないときには大切な決断はしないほうが無難ですね。

・時代の変化についていけてない
これは若い人より、(私も含め)歳を重ねた人への注意事項ですね。時代は刻々と変化しています。以前の常識が今では非常識ということもよくある話。経験値は大切なものですが、以前の常識や知識だけで判断できないことが確実に増えています。

・下心がある
あまりに欲の皮が突っ張ってしまうと、冷静な判断はできなくなります。また、性衝動は男性の合理的判断を乱しがちであると報告されています。思い当たる人、いらっしゃいますか?

 何度も言いますが、人間は感情の動物です。ですから、いつでも合理的な判断ができるわけではありませんし、逆にそれがおもしろいところでもあるのです。
 でも、たったひとつの判断ミスで「…地獄を見た (-_-;)」なんてことにならないように自分の感情の傾向を知っておいて損はないと思います。

 また、自分ひとりの判断では心もとない時に、お金のことを相談できる人が身近にいると安心ですね。

幸せを呼び込むポイント
・人は、合理的判断ができなくなるときがある
・どんな時にそうなるのか知っておく事も大切
・お金のこと、相談できる人を作っておこう

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