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君へ、私より。

あなたのことが、君のことが好きです。

すこしくらい自惚れたっていいと思います。

君は子どものようだなあといつも思います。私の方が年下なのに いつも無邪気ではしゃいでいるきみを見ていると、その純心さが 眩しく見えるんです。いっそ憎いほどに眩しくて、純粋で、その無邪気さに眉を顰めたくなるほど。
その純心さが物語を生んでいるの でしょうか。それは私にはよくわからないけれど、そんな君に対して少しだけ思うんです。「羨ましいな」って。私にはそんな勇気も、純心を持ち続けることもできなかったから。

君が書くことが楽しいと言ってくれるのが一番好きです。

満足のいく作品を書いて欲しいといつもいつも思っています。そのために 私はこんな声なんてなくても良いとさえ思うんです。でもね、自己肯定感を埋めたいというのなら私はきみへの気持ちを隠すことはやめようと思いました。
世界は広くて、この世には毎日数百数千の作品が生まれるけれど、君の作品はただ世界に一つだけです。その世界に一つのきみの作品に出会えたことは奇跡だと思っています。

だから、どうか、きみは自分のことをとるにたらない人だなんて思わないで。そんなことを言わないで。
君への思いと作品への評価は別です。君が嫌いでも君の作品を素晴らしいという人はいると思うし、君が好きでも君の作品はつまらないという人だっているでしょう。両方なんて難しいんだから。
私にとって、君は取るにたらない人間なんかじゃない。あなたは素晴らしい作品を書く人と思っているよ。そうじゃなければ運命なんて言わないんです。

強いように見えて、脆くて、弱くて、優しくて、世間からの評価を気にしていて、それだから、 あなたの声は届くし、その人間らしさが、あなたの作品を作りあげているんだと思います。
私は君のことが好きです。君の好きなところ、私の好きな こと、たくさんたくさん話せるけれど、そういえば君の好きなもの は何ひとつ知らないなと思うんです。好きなものは、好きなブランドは、食べものは、曲は何、作家は誰、街はどこ。

私はいつも自分のことを話すから、少しくらいはきみの話を聞いてみたいと思うんです。いつか聞かせて欲しいと思います。
それから、健康には注意して、部屋もきちんと片付けて、人間らしい生活をして。ひとつのことに集中するのはいいけれど、あなたのその武勇伝めいた話を聞くたびにハラハラして、心配する人がいることを忘れないで。
周りは「またか」かもしれないけれど、あなたがいなくなったら世界に穴が空く人間がここにいるんです。
だから、どうか自分を大切にして。
作品を大切にするように、自分自身を大切にしてあげて欲しいっていつも思っています。

きみを好きになって、私の世界は少しだけ広がりました。

劇場の扉を開ける。

そんな簡単で難しい一歩を踏み出した去年の夏から、君は私をこんなところにつれてきてくれました。
この世界にきみと、きみの世界がある事をかみしめています。 言葉にするのは苦手だけど、文字ならきみに届くと思って書きました。

私は君と出会えたことが何よりもうれしいんです。

君が私になにもくれない日々でさえ、君のことを考えて、沈んだり、浮いたり、きみのことを考えてはその言葉と舞台が隣にあることを感じます。

君だって諦めたくなった日もあるでしょう、泣きたい夜もあったと思います。でもね、君と私が出会えたのは、君が諦めることなく今に繋いでくれたからなんですね。言葉を紡ぎ続けてくれたからなんですね。

そうして、きっとこれからも、そんな風にして、続いてきた道で紡いでいくんでしょう。私が途中でいなくなってもそうなんだと私は確信を持っていいます。

もう君は「やめたい」とか「これで最後」とかきっと言わないし、思わないと思うよ。何と無くそう思う。

どうか、これからもずっと続いていきますように。

愛にも誓う、そんな祈りを私は君に捧げます。

君の言葉は私の側にあります。だから、どうか私の言葉も、きみの側にありますように。

これはただの祈りです。

私は君のことが好きです。

私の気持ちを少しでもいいから信じて下さい。いや、信じなくていいから、ただうぬぼれて下さい。 あなたを大切に思う人がいるという事実だけでも。

ちょっとでも良いから、私は君と同じ方向を向いて明日に踏み出したいと思ってるし、そういう人でありたいと思うんです。そこから見える景色を見てみたいなと思います。

君へ、私より。

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