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『衝突する宇宙』イマヌエル・ヴェリコフスキーのホロスコープ

wikiで「6月10日」を見ていたら、6月10日に誕生した人物の中にイマヌエル・ヴェリコフスキーの名前がありました。
イマヌエル・ヴェリコフスキーは、ロシア出身のアメリカ人の精神分析家。『衝突する宇宙』(1950)がアメリカでベストセラーになりました。
『衝突する宇宙』は、古代史を再解釈して天変地異説を唱えていたため、天文学会で論争を引き起こし、一般には疑似科学書(サブカルチャー的)という評価がなされています。

生い立ち

ヴェリコフスキーは、1895年6月10日、ロシア帝国のヴィーツェプスク(現在はベラルーシ)で裕福なリトアニア系ユダヤ人の一家に生まれました。
子供の頃にいくつかの言語を学び、ロシア語と数学で良い成績を収めたそうです。
ヴェリコフスキーは、エジンバラ大学で医学前コースを受講し、第一次世界大戦が勃発する前にロシアに戻り、モスクワ大学に入学して、1921年に医学の学位を取得しました。
医学の学位を取得すると、ヴェリコフスキーはロシアを離れてベルリンに向い、ヘブライ語に翻訳された2冊の科学論文Scripta Universitatis Atque Bibliothecae Hierosolymitanarum("Writings of the Jerusalem University & Library")を出版しています。数学と物理学の巻についてはアルベルト・アインシュタインを助手として雇っていたそうです。このプロジェクトはエルサレムのヘブライ大学設立の礎石になったと言われています。

シオニズム活動家たちは、イスラエルの地にヘブライ人の大学を設立するという夢を実現するために運動していました。ユダヤ人物理学者のアルベルト・アインシュタインもこの構想を支持しており、彼は全ての遺産と書物をヘブライ大学に寄贈している。

経歴

1924年から1939年まで、ヴェリコフスキーはイギリス委任統治領パレスチナに住み、医師として開業し(一般医療と精神科)、精神分析学も行っていました。ウィーンでジークムント・フロイトの弟子 ヴィルヘルム・シュテーケルに学んだそうです。
パレスチナ時代に彼は十数の医学や精神分析学の論文を学術誌に発表しました。てんかん症状に見られる異常な脳波についての論文は、今ではてんかんの診断に普通に使われているそうです。
1939年、ヴェリコフスキーは長期休暇を取り、家族とともにニューヨーク市に旅行しました。当時の彼は、フロイトの『モーゼと一神教』に触発され、アクエンアテンが伝説のオイディプスのモデルだった可能性を検証し、本にまとめたいと思っていました。

フロイトは、モーセがエジプトの家庭に生まれ、ファラオの死後エジプトを脱出し、一神教を永続させたアクエンアテン(アメンホテプ4世)の司祭になり、狂信的な信者に殺害されたと考えた。

ヴェリコフスキーがアメリカに到着してから数週間後、第二次世界大戦が始まりました。彼は、ニューヨークに定住し研究と執筆を継続することを選択し、作家として本格的にスタートしました。
最初に考えていた著書の構想は、急進的なカタストロフィスト宇宙論(天変地異的宇宙論)に発展し、1945年に彼の理論を要約した2つの小さなScripta Academicaパンフレット(Theses for the Reconstruction of Ancient History and Cosmos Without Gravitation)を自費出版しました。

ホロスコープ検証

ここで、データバンクにあったヴェリコフスキーのホロスコープを見てみましょう。

6月10日双子座生まれで風の男ですが、水のエレメントが多いです。ロマンチストだったでしょう。また、生まれ時間が正確なものであるとして、9室に天体が多い(10天体のうち5個)ので、射手座的な部分も強かったと思います。
太陽のサビアンシンボルは「カフェテリア 」(博識)
月は4ハウス山羊座で、太陽とはバイクインタイル144度。クリエイター。
双子座で海王星と冥王星が合になっている世代の人は、突出した個性や偉大な業績を残した人が多い印象です。

太陽とノードがTスクエアです。魚座と乙女座のノード軸は、現実主義(リアリティ)と精神主義(スピリチュアリティ)のバランスを取るのが魂の目的。リアリティとスピリチュアリティのバランスを取りながら、双子座の好奇心を活かす。
先行日食は1895年3月26日、牡羊座5度。牡羊座5度は、ドデカテモリー(1サインを2.5度ずつ12分割したもので、人生における自我や姿勢、哲学的な考え方などを表していると言われる)は双子座です。
牡羊座5度のサビアンシンボルは「一辺が明るく照らされた四角 」(理想の実現に集中する)

9室が強いので、外国に移住。出版も9室です。そしてMC近くの水星と木星の合(多作)も作家としては理想的です。
それと水星と木星はシリウスに合の度数です。
水星と木星は、蠍座のイシス(あるいはキュベレーを思わせる)の度数の天王星とはトライン。聖書の世界やエジプトへの憧憬を感じさせます。
天王星は2室にあるので、書いたもので収入を得ることが出来ると見ることができます。ベストセラーになったのもなるほどという感じですね。
また、天王星は水瓶座のルーラーですので、作品が天文に関するものだったことにもシンクロを感じます。ただし、天王星は急進的で爆発的ですから、一発屋みたいな感じもありますね(汗)

『衝突する宇宙』の概要

1950年、『衝突する宇宙』を出版するにあたり、原稿を8社の出版社に持ち込んで断られ、最終的に学術出版界の大手である Macmillan で出版することに。しかし、出版前からこの本は激しい論争にまきこまれてしまいます。
出版日が分かればホロスコープを作ってみたいところですね。

ヴェリコフスキーの最大のベストセラー『衝突する宇宙』に、天文学者ハーロー・シャプレーらは強烈に批判しました。天文学界からの根本的批判は、この本に描かれた天体力学が物理学的にあり得ないという点であり、エネルギー保存の法則や角運動量保存の法則を無視している点でした。

世界中の神話、伝説、歴史書を調べ、それらの古文書に記録されている数多くの天変地異が実際に起こったとしてその原因を、ある彗星の地球への接近に求めた。その彗星は木星から生まれて彗星となって地球に2度にわたって大接近し、火星の軌道を狂わせ、現在の金星の軌道に落ち着いて金星となった、という奇説を主張したものである。
紀元前1500年に地球に接近した時、その潮汐力で海を割ってモーゼらをエジプトから脱出させ(出エジプト記)、さらに52年後に金星は再び地球に接近し旧約聖書のヨシュア記にあるように地球の自転を止めた、などと主張した。
この書物が出版された1950年は、彗星の氷核モデルが提案された時期である。ウォルター・アルバレスの天体衝突による恐竜絶滅の仮説が提案されるのは1970年代である。当時地質学などで主流であった斉一説に対してネオカタストロフィズムが出現するまえぶれであったかもしれない。

近年氷床コアの研究が進み(グリーンランドや南極のボストーク基地など)、ヴェリコフスキーが完新世末期にあったとした地球規模の災害の痕跡が見つからないことが判明している。

wikiより

「ヴェリコフスキー事件」

ヴェリコフスキーへの批判はいくつかの面から行われたが、科学出版界はヴェリコフスキーが反論する公開討論の場を決して設けようとしなかった。このためヴェリコフスキーは自身を "suppressed genius"(抑圧された天才)だとし、自らを火あぶりになったジョルダーノ・ブルーノにたとえたという。
『衝突する宇宙』によって巻き起こされた論争は、20世紀後半の天変地異説復活の一因となった。しかし同時にいわゆる「ヴェリコフスキー事件」がそれらに悪影響を与えた面もあるとされている。

学会による圧倒的な批判のいっぽうで、ヴェリコフスキー理論に賛同する人も多かったそうです。
アセンダントは天秤座で、ルーラー金星は10室。
アセンダントのサビアンシンボルは「シャボン玉をふくらませている子どもたち」(無邪気さ)、金星のサビアンシンボルは「髪型をボブにした女」(枠にとらわれない自由な発想)
アセンダントと金星はクインタイル(72度)で、既成概念にとらわれず、自由に考え、表現していきます。

金星は火星と合になっており、10室にありますから反対者も含めた社会を表しています。
1室土星と4室月とTスクエアを形成し、土星は10室のハウスルーラーです。
金星海王星と土星は、Nノードとセスキコードレート135度でトールハンマーを形成し、土星は海王星ともと135度ですので、トールハンマーが2つ形成されています。(黄土色のラインを引いてみました)

かなり負荷がかかっていますね。
Nノードサビアン「復活祭の歩道 」(集団とのかかわりのなかで、人々の創造的な活力を刺激する)
土星サビアン「観光バス」(感動を誰れかと共有する)
他者から厳しく批判されるということも、魂の計画の一部という気がしてきます。

ヴェリコフスキーは、 1979年11月17日に94歳で亡くなりましたが、亡くなったあとも家族の手によって、未発表だった2作がインターネットで公開されたそうです。
生きている方のホロスコープではあえて見ることはしない、死後の評価を見てみると、サビアンシンボルは「成功しなかった爆弾の爆破」(現実社会に、自然界から学んだ法則や秩序をもちこもうとして、緊張が起こる)で、失敗など恐れない、信念を貫く強さを感じました。

たまたま見かけた人物でしたが、ヴェリコフスキーの先行日食の度数や、水星、土星の度数が、私のネイタルとかぶる部分があり、この人について書くことになったのは必然だったかも知れないなと思いました。

最後までお読みくださりありがとうございました。

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