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Dear Mr. Christmas, Andy Williams

年がバレますが、小学低学年の頃大好きだった「アンディ・ウィリアムスショー」。その中でも一番好きだった曲は『ムーン・リバー』でした。
もちろん英語なので歌の意味もわかりませんでしたが、子どもながらに名曲だと思ったのかもしれません。
『ムーン・リバー』が、オードリー・ヘップバーン主演映画『ティファニーで朝食を』の主題歌だったのを知ったのは、ずっと後のことです。
今日は、Mr. Christmasと呼ばれたアンディ・ウィリアムスのホロスコープを読んでみます。

ハワード・アンドリュー・ウィリアムス(1927年12月3日 - 2012年9月25日)は、アメリカのポピュラー歌手。
アメリカレコード協会および英国レコード産業協会から、18のゴールドディスク、3つのプラチナディスクを贈られている 。NBCで1962年-1967年及び1969年-1971年に、自らの名前を冠した音楽バラエティ番組『アンディ・ウィリアムス・ショー』を放映し、エミー賞を3度受賞した。

ホロスコープは、ASTRO DIENSTのデータバンクにあったものです。
アンディは1927年12月3日生まれ。射手座。火の男ですが、水エレメントが6天体と多いのが特徴的です。情に厚い性格だったのでしょう。

アンディ・ウィリアムスのホロスコープ

アセン蠍の存在感

アセンダントは蠍座。水星がぴったりコンジャンクションです。

アセンダントは一概に「見た目」を表します。アセン蠍は、ミステリアスな印象、強力な存在感を放っている人が多いと言われています。
私が子どもだったせいか、テレビで見るアンディはすでに「オジサマ」で、素敵なオジサマではありましたが、ミステリアスとは思ったことがなかったです。(ミステリアスという言葉も知らなかった)
ほかにアセン蠍座の特徴は、深く鋭いまなざし、官能的な唇を持っているそうです。このジャケ写は、確かにそのように見えますね。

またアセン蠍の人は、他の人が見逃していることに気付くのが得意で、他の人の性質を見抜く能力があるそうです。

たとえば、マツコ・デラックスさんは蠍座生まれでアセンも蠍です。
マツコさんがMCの番組を見ると、マツコさんは半端なく人を見抜く力を持っているなぁと感服します。
アンディはアセンに水星がぴったり乗っているので、やはり観察眼が鋭かったのではないかと思います。

ネイタル太陽と先行日食

火星も近くにあり、獅子座29度の海王星とスクエア。感の良さ、霊的なパワーをもたらします。

1ハウスには太陽とコンジャンクションの土星も入っています。太陽と土星は、射手座10度。
サビアンシンボルは「古代の神殿の左側の部分で、ランプが、人間の形の容器のなかで燃える」
シンボルで使われている左側とは、右脳のこと。直感や無意識の働きを指します。その場所で、炎が人型の入れ物の中で燃えているというのは、右脳が活性化していることをあらわしています。
この度数を持っている人は、直感力に優れていると言われます。

先行日食は、蟹座6度。サビアンシンボル「2つの自然霊が月光の下で踊る」は、想像力やイメージ力、インスピレーションや直感を大事にする意味があります。
蟹座の守護星は月ですが、この度数はとくに月の神秘性を表しているように思います。

「月光の下で」というところが、アンディの代表曲『ムーン・リバー』とシンクロします。
『ムーン・リバー』はもともと、『ティファニーで朝食を』の主役のオードリー・ヘップバーンが劇中で歌うために作られたそうですが、作詞者のジョニー・マーサーは、アメリカ南部ジョージア州出身で、ジョニー・マーサーの少年時代の思い出が歌詞に盛り込まれているそうです。

水エレメント過多の表現力

月は魚座で、天王星とコンジャンクション。近くに射手座のルーラー木星もあります。ここでも、直感力が豊かであることが示されています。
そして蠍座の水星と火星、魚座の月と天王星、蟹座の冥王星を結んだグランドトラインが出来ています。この水星座のグランドトラインが、聞く人の心に沁み込むような歌の表現力になったのでしょう。

私は子どもだったから何もわからなかったですが、ささやくようなスタイルの歌唱法をクルーニング(つぶやくような歌い方)と言って、ビング・クロスビーやフランク・シナトラのような低くて甘い歌声に代表される人気の歌唱法だったそうです。

私は、「水星は、この世で生きるための技術」と思っています。蠍のアセンにくっついたアンディの水星は、生まれながらにして持った技術。
歌手の場合は、水星は歌の表現力ということですね。

アンディが歌を始めたのは、8歳の頃、教会の合唱団に入ったのがきっかけです。3人のお兄さんとウィリアムス・ブラザーズを結成し、ラジオ等に出演。好評を得たのに手応えを感じた一家は、本格的な芸能界入りを目指してアイオワからカリフォルニアへ移住します。
1944年、アンディが17歳の時、ビング・クロスビーのレコーディングに起用されて共演。このレコードはミリオンセラーとなる大ヒットを記録したそうです。1952年、ウィリアムス・ブラザーズは解散し、アンディはソロの道を歩むことに。この後からの勢いが凄かったのです。

1954年からTV番組『トゥナイト・ショー』に出演。57年発売「バタフライ」がミリオンを記録し、61年にはCBSとレーベル契約。
映画『ティファニーで朝食を』の主題歌「ムーン・リバー」がアカデミー主題歌賞を獲得し、「ムーン・リバー」はのちのTV『アンディ・ウィリアムス・ショー』のテーマ曲としても使用されました。
62年映画『酒とバラの日々』の主題歌で再びアカデミー主題歌賞を獲得。
62年から始まった『アンディ・ウィリアムス・ショー』は、一度中断するものの71年まで続き、優れた音楽番組としてアンディはお茶の間の人気者になりました。

プリズム(媒体)の月

魚座28度月と、9ハウス獅子座29度の海王星がクインカンクス。魚座23度木星は、11ハウス天秤座24度の金星とクインカンクスです。
海王星は魚座の守護星。金星は天秤座の守護星であり、木星は魚座の副主星であることから、クインカンクスの強制力は強まりますが、返ってよい方向付けになったのだろうと思います。

月のサビアンシンボルは「プリズムを通った光が、多彩な色光に分かれる」。(見えないものを見えるものに具現化するプリズムになること)
このサビアンは、とくに歌手や俳優など、自分以外の人の心の機微を表現する職業の人にとって、とても大切なことを伝えていると思います。
歌詞やセリフでは伝わらない部分はやはりあって、それを越えていくためには、個人のエゴを取り去って自分が光を通すプリズム(媒体)になること。

MC近くにある海王星のサビアンシンボルは「封をされていない手紙」。個人の創造性を発揮して、多くの人の共感を得るという意味があります。
大ヒットを飛ばすだけでなく、冠番組でエミー賞を3度も受賞したのも、海王星がこの位置にあり、月とクインカンクスだったせいと言えるでしょう。

そしてMCのサビアンシンボルは「自然霊や通常は見えない霊の代理者の存在に気づくようになる人間」。イメージしたことを具現化するという意味があります。
また自然霊が出てきました。データバンクによると、このホロスコープはAA評価だったので、出生時間は正確なものと思いますがすごいシンクロですね。

アンディの歌声、表現力は、天性のものだったということも出来ると思います。

1960年

変容を望む魂

人生の目的を表す北ノードは、双子座19度。
ノードのサビアンシンボルは、繰り上げせずにその度数を採用します。理由は、ノードは逆回りだからです。
双子座19度は「巨大な古代の書物が、伝統的な知恵を開示する」。
この度数を持つ人は「博識。深い知恵を持っている」と言われます。
南ノードは、射手座19度。サビアンシンボルは「人々に脅かされたペリカンが、自分の子供たちを育てるために、より安全な場所を探す」(優れた判断力)

ノード軸と、魚座23度木星がスクエアで、柔軟宮のTスクエアになっています。常に変化していく人生だったことが窺えます。変化しながら、この人は常に上のステージへ上がっていく。
アセンダント蠍も、人生を変容させていったのでしょう。

ノード軸をコンプロマイズしている天秤座24度の金星のサビアンシンボルは「秋の葉の光景が、巡礼者に生命と死の神秘の突然の啓示をもたらす」(物事の潮流を読んでチャンスを引き寄せる)。
金星は11ハウスに入っており、人気があることを表すと同時に、人付き合いの良さが運気を高め、チャンスをつかんでいったことがわかります。

アンディは、ロバートF.ケネディと彼の妻、エセルケネディと親友だったそうです。1968年6月5日に、ロバート・ケネディが暗殺された時、応援キャンペーンに参加したアンディたちも同じホテルに滞在していたそうです。

金星冥王星スクエア

アセンダントのルーラー、冥王星は8ハウス蟹座16度。
11ハウス金星と緩めのスクエアを取っています。怖いもの好きが多いと言われる貞子アスペクトです。
恋愛にも影響するようで、アンディは19歳の時に38歳の女性歌手ケイ・トンプソンと交際し、その関係はアンディが最初の結婚するまで数年間続いていたそうです。

ケイ・トンプソン(キャサリン・ルイーズ・フィンク;1909年11月9日- 1998年7月2日)は、アメリカの作家、歌手、ボーカルアレンジャー、ボーカルコーチ、作曲家、ミュージシャン、ダンサー、女優、振付師。
1957年の映画「パリの恋人」では、雑誌の編集長役として、フレッド・アステア、オードリー・ヘップバーンと共演している。

また76年に元妻のクロディーヌ・ロンジェが、銃の暴発事故(ボーイフレンドを射殺)を起こした時は、アンディはロンジェを公に支持し、彼女の弁護団にお金を払い、元妻をサポートしました。
しかし、それによりアンディのキャリアに影を落とす事にもなったのです。

クローディーヌ・ジョーゼット・ロンジェ(1942年1月29日 - )は、1960年代から1970年代にかけて人気のあったフランス系アメリカ人の歌手、女優、ダンサー、レコーディングアーティスト。
ロンジェは、1961年から1975年までアンディウィリアムズと結婚していました。彼女は、ボーイフレンドである元オリンピックスキーヤーのスパイダー・サビッチの過失殺人で有罪判決を受け、30日間服役しました。

確かにこの事件後、アンディに目立った功績は残っていません。
時代の流れで、アメリカの音楽シーンが変わったということもあったと思いますが。1980年代といえば、ビートルズの元メンバーたちのソロ活動、マイケル・ジャクソン、ビリー・ジョエル、ヘビーメタルバンドなども活躍していた頃ですね。

アンディは熱心なゴルファーでもあったので、1968年から1988年までPGAツアーゴルフトーナメントを主催していたそうです。

ディセンダントの白い鳩

1992年に「ムーン・リバー・シアター」(2054席を擁する)をミズーリ州に建設したのは、兄のドンの勧めがあったようです。以降、アンディはこの劇場を本拠地として、2011年までライブを続けました。

アンディ・ウィリアムスは、鋭い時代感覚を活かしその時々のヒットや新曲を積極的に取り入れ彼ならではの解釈と表現により歌に新たな息吹を吹き込みました。こうした彼のスタイルは時代や世代を超えて愛され、名作の数々を残す事になったのです。2011年、癌であることを公表し闘病生活を続けてきましたが、惜しくも2012年9月逝去。84歳でした。

死後の評価となるディセント牡牛座21度のサビアンシンボルは「荒れて波立つ水の上を飛ぶ白い鳩」(多くの人に対して導きの白い鳩として行動する)。
現在も愛されている『ムーン・リバー』は、「ムーンリバー とても広い川
堂々と渡ってみせる いつの日か」という歌詞で始まります。
いつか夢を叶えたい、という内容の歌なのですね。

子どもの私は、歌詞の意味すらわからなかったけれど、なぜかこの曲が好きでした。ヘンリー・マンシーニによる郷愁を誘うメロディと、ムーディなアンディ・ウィリアムスの声に、子ども心にも響くものがあったのでしょう。

多くの人の夢を乗せて、鳩(アンディ)は今も飛び続けています。

Moon river, wider than a mile
I'm crossing you in style some day
Oh, dream maker
You heart breaker
Wherever you're going
I'm going your way
Two drifters, off to see the world
There's such a lot of world to see
We're after the same rainbow's end,
waiting, round the bend
My Huckleberry Friend,
Moon River, and me

余談

アンディ・ウィリアムスの天性の表現力の源はなんだろう?と調べているときに、アニス・ブーディノ・ストックトン(1736年7月1日 - 1801年2月6 日)というご先祖を見つけました。
アメリカ独立戦争時代に活躍していた詩人です。
アンディの父方の先祖に当たるそうです。アンディの父方の祖父ジョージは、ギルバート・ウィリアムズとキャサリン・ブーディノの息子でした。

ストックトンはニュージャージー州プリンストンに住み、当時の主要な新聞や雑誌に詩を書き、出版し、中部大西洋の執筆サークルの一員でした。
彼女は 120 を超える作品の著者でしたが、1985年に長い間個人的に保管されていた写本がニュージャージー歴史協会に譲渡され、プリンストンの Morven Museum & Garden で常設展示されています。

Annis Boudinot Stockton

アニス・ブーディノは、銀細工師の Elias BoudinotとCatherine Williams の間に生まれました。ブーディノ家の祖先は、フランスのユグノー(プロテスタント)だったそうで、ルイ14世のユグノー弾圧から逃れ、1687年頃にアメリカに移住しました。

アニスの夫は、弁護士のリチャード・ストックトン。彼は、アメリカ建国の父のひとりで、独立宣言の署名者でした。
彼らとジョージ・ワシントン大統領と大変親しく、アニスの弟エリアス・ブーディノは、ジョージ・ワシントン大統領にアメリカ合衆国造幣局長官に任命され、1795年から 1805年まで務めました。
アメリカ独立戦争で、英国がプリンストンを攻撃している間、アニスは革命の秘密組織であったアメリカ ホイッグ協会の重要な書類を隠していました。戦後に協会は、彼女の功績を称え名誉会員としたそうです。

ホイッグ・クリオソフィック協会は、プリンストン大学にある政治、文学、討論の団体。

フランスのブーディノ家の先祖まで辿れなかったのは残念ですが、アンディ・ウィリアムスの表現力には詩人のDNAも入っているのがわかってよかったです。

10歳そこらの私がアンディ・ウィリアムスに惹かれた本当の理由は、彼の北ノード(双子座19度)に私の水星がぴったり重なり、彼の天秤座金星と私の木星もコンジャンクション、私の水瓶座カイロンとでグランドトラインになるせいかもしれないなと思っています。
よく知らない人だけど、なんか好きだなぁと思う人とは、星の位置に共通点があります。「私が愛した男たち」ではないけれど、私が無条件に惹かれる作家や映画俳優のホロスコープも少しずつ紹介していきますね。

最後までお読みくださりありがとうございました。

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