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現実を踏襲し、あるいは踏襲しない ―服飾の話

伝統の黒タイツ

まず御手座竜胆をご覧ください

【御前】の(直系ではない)先祖である彼女はタイツをはいています。
デザイン上共通性を持たせたかっただけのフィクション?
ではなく、現実に充分あり得たことです。

カトリーヌ・ド・クレーヴの時祷書の挿絵1440年

このような形で、腰紐に吊す形式のタイツ=ショースは存在していました。
材質はウールやシルクでニット編みになっており、脚の形にフィットする物。
上の絵画における赤い部分と白い部分は縫い合わされていて、まさにストッキングと言えるでしょう。

ただし、これは男性向けの衣装であり、
女性は腿竹やふくらはぎ丈のソックスの上部をヒモで縛って着ていました。

そのことから、竜胆はアクティブな人物でもしかしたら馬にも乗っていたかもしれません。
服飾の股当て部分の出現は乗馬文化と関係があり、
馬に乗らない民族や時代では男性でもスカートでした。

日本でも袴が2種類あり
脚部分が分かれているものを馬乗り袴
スカート状を行灯袴という例から、同様のことが言えるでしょう。

あまり正確なのも…

次に同時代のジョヴァンニの服装を見ていきましょう。

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