例のワニは何が悪かったのか

間が悪かった(終)

インターネットの流行というのは数日どころか下手をすれば半日で話題がスーッと消えていってしまうところがありますし。商売を仕掛ける側としては可能な限り速く展開を告知したいという意図が働くのも理解は出来ます。

ただ、一連の話題に関しては取り扱っている主題が"死"であるとこいうところがポイントで、題名の時点で終わりの瞬間が明確に決まっているとはいえ、終わってしまった寂しさ、余韻を噛み締めたかった人も多かったんだと思うわけですね。

それが、終わった瞬間にマルチメディア展開を告知されてしまった、言うなれば「通夜の席に喪服を着てくる」ような悪い意味で用意がいい、空気の読めなさを発揮してしまった結果、情緒的に受け容れがたいという反応が起こるのは当然と思います。

多くの人の感情を揺り動かしてバズった作品であるが故に、"死"の瞬間を今か今かと待ち構えていた行儀の悪さに怒りを覚える人もまた多かったでしょう。

流石に展開告知が四十九日後では忘れられてしまうだろうと判断を下すのは妥当ですが、告知までの猶予が数日せめて翌日でもあれば、もう少し違った反応で迎えられたかもしれません。

人の心の動きを掴むために考えたはずのマーケティング手法が、"広告屋は人の心がわからない"と思うような波紋を呼んだことに、コンテンツ商売の読めなさが詰まっていると改めて感じた一件ですね。

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