親を想うということ

ゴールデンウィーク。
娘の誕生日という事もあり夫の実家へ遊びに行った。

夫は義父が40を過ぎてから出来た子供でもうすぐ75歳になる。
私達の子供である孫を大変可愛がり、何度もおどけてみせた。

義母がしゃぼん玉を持ってきた。

「お庭で遊びましょう」

娘はしゃぼん玉が大好きなのでとても喜んだ。

義母と夫がしゃぼん玉を吹く係をした。
私は義母と夫が楽しそうにしゃぼん玉を作る姿に見惚れた。

義父が煙草に火をつけた。
義母、夫、私、娘の前で外で煙草を吸った。

私の父も煙草を吸うし私は特に気にならなかった。
夫は指摘すべきかどうか迷った末、煙草について指摘する事をやめたらしい。

常識的に考えれば、幼子がいる前で喫煙する事は良くない事だし外でそういう行為をする場面を外の人に見られてしまう。
良い事ではない。

「昨日はごめん。お父さんの楽しみは煙草を吸う事くらいしかなくてもう歳だから。昨日はしゃぼん玉で喜んでるみんなの姿が嬉しくて気分が良くなってしまって吸っちゃったんだと思う。嫌だったよね」

と言われた。

「昭和の男あるあるだと思ってる。うちの親もお祝い事となると急に変なお酒の飲み方したりするし別に気にしてないよ」

と言うと、

「親は大切にした方がいいよね。」

と言われた。

「煙草くらいしか楽しみがないお父さんが昨日は楽しかったんだろうなと思ったら嬉しかった。良かったなと思って」

と言われた。

思いやりのある息子だなと思った。
優しい息子だと思った。

写真を撮るくらい私も気を利かせれば良かったと思った。