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『イシューからはじめよ』サラリーマン➡ビジネスパーソンになる手順書

本文では、イシューからはじめよ 知的生産の「シンプルな本質」を紹介します。

◆この本にたどり着いた経緯
社会人15年目にしてクリティカルシンキングを習得するにあたり、
それの参考書として本書と出会うきっかけとなった。


◆こんな人に読んでもらいたい

①現在の環境を不安に感じている
➡新たなプロジェクトチームや部署に異動された人など
②人間関係の悩み
➡周りががむしゃらに働く人ばかりで、良い相談相手がいない
③プロフェッショナルの仕事に興味がある
➡一流のコンサルタントがどのような考えを軸に業務に励んでいるのか


◆この本を読んで得られる知識
①仕事の中でおきる課題に対して、どのようにして答えを出すべきか理解することができる
②業務の生産性を上げるための解決策を教えてくれる
③コンサルタントの考え方の枠組みである「フレームワーク」を理解できる

本書の一部の内容をまとめています。全貌が気になる方はぜひ本書を購入されてみてはいかがでしょうか?



①イシューとは何か

著者がこれまでに見てきた「圧倒的に生産性が高い人=仕事の出来る人」の共通点は、
「ひとつのことをやるスピードが10倍、20倍と速いわけではない」
ということです。

この気づきをきっかけに、
「彼らは何が違うのだろう?」
「知的生産の本質って何だろう?」
という問いへの答えを長い間探し求めてきた答えが、

「イシュー」

だと言うことです。

では、そもそも「イシュー」とは何なのか?
「イシュー」とは一言で言うと、

著者は「知的な生産活動の目的地」と表しています。

分かるようで分からない言葉なので、
私自身はこの「イシュー」を

『今答えを出すべき課題』

つまり『本質的課題』と認識しています。
この本質的課題解決を目的に、道筋を組み立てることが出来る人が
「圧倒的に生産性が高い人=仕事の出来る人」なのだと言うことです。

また、著者は「イシューの定義」として当てはまるのは、
①2つ以上の集団の間で決着していない問題
②根本に関わる、もしくは白黒がはっきりしていない問題
この2つの条件を満たすものが「イシュー」となる。

この「イシュー」設定とそれまでの道筋が本書には記載されています。
またこれは才能ではなく、訓練することで習得することが出来ます。

新たな環境下で自分の仕事に不安を感じている人は、
この課題設定が出来れば、今自分が何をすべきか明確になり、
少しでも不安を抑えることが出来るのではないでしょうか。


②イシューが働き方改革を実現する!?

この本で言うところの生産性の定義は、
「どれだけのインプット(投下した労力と時間)で、どれだけのアウトプット(成果)を生み出せたか」ということです。

つまり、最小限の時間と労力で最大の成果(多くのアウトプット)を出すこと。

この考えは、日本が抱える人口減少・労働力不足を解消するための
政府で定められた「働き方改革」を実現するためには欠かせない考えだと言えます。

では、「多くのアウトプット」「意味のある仕事」とは何だろうか?

筆者が在籍していたマッキンゼー・アンド・カンパニー社では、こうした意味のある仕事を「バリューのある仕事」と呼んでいます。
プロフェッショナルの仕事にとって、これを明確に意識することが大切だという。

プロフェッショナルとは、
特別に訓練された技能を持つだけでなく、それをベースに顧客から対価をもらいつつ、意味あるアウトプットを提供する人のこと。

つまり、「バリューのある仕事とは何か」という問いへの答えが分からなければ、生産性など上げようがない。
この問いに対して、良く返ってくる答えは、
・質の高い仕事
・丁寧な仕事
・ほかの誰にもできない仕事
これらは正しい面もあるが、本質を突いた答えとは言えない。

著者の理解では「バリューの本質」は2つの軸から成り立っている。
①イシュー度(課題の質)
➡自分のおかれた局面でこの問題に答えをだす必要性の高さ
②解の質
➡そのイシューに対してどこまで明確に答えが出せているのかの度合い
この2つの要素が高ければ価値は上がる。

問題解決を担うプロフェッショナルになろうとするなら、この2つの軸をいつも頭に入れておくことが大切だ。

このように「バリューのある仕事」をするために、
ただ我武者羅に「努力と根性があれば報われる」という戦い方をするのではなく、「イシュー度」の高い問題に絞り込み時間を浮かせることが不可欠だ。
正しい問題に集中した、正しい訓練が成長に向けたカギとなる。

働いた時間ではなく、「どこまで変化を起こせるか」によって対価をもらい評価される。あるいは「どこまで意味のあるアウトプットをうみだせるか」によって存在意義が決まる。そんなプロフェッショナル的な生き方へスイッチを入れることが、高い生産性を生み出すベースとなる。


③なぜイシューからはじめるの?

課題解決に立ち向かう際には、それぞれの情報について意味合いを考え抜くことがポイント。
それらをしっかり掴むためには、他人からの話ではなく、自ら現場に出向くなりして一次情報(他人や媒体を介さず自分で得た情報)を掴む必要がある。そして、そうして掴んだ情報を「自分なりに感じる」ことが重要。

課題解決の手順として、問題はまず「解く」ものと考えがちだが、まずすべきは本当に解くべき問題(イシューを見極める事)つまり、
「イシューから始めること」が極意だ。

◎イシューから始める意味
①「これは何に答えを出すためのものなのか」というイシューを明確にしてから問題に取り組むことで、後から必ず混乱が発生し目的意識がブレて多くの無駄を発生するのを防ぐ。
②チーム内で「これはなにのためにやるのか」という意思統一をし、立ち返れる場所になる。
③基本に立ち返って、「そもそもこれは何に答えを出すプロジェクトだったのか」ということを整理できる。

つまり、チームで課題解決を行う際に達成したい目標に向けて、ベクトルあわせるためにもイシューから始めることに意味がある。

実際の検討をはじめてから再度「イシューは何だろう」と考えているようではいくら時間があっても足りない。
こうしたことを避けるためには、強引にでも前倒しで具体的な仮説を立てることが肝心だ。
「やってみないとわからないよね」と言ったことは決して言わない。
ここで踏ん張り切れるかどうかが、あとから大きく影響してくる。


◎イシューから始めるポイント
①イシューに答えを出す
具体的なスタンスをとって仮説に落とし込まないと、答えを出しえるレベルのイシューにならない。
例えば「○○の市場規模はどうなっているか?」
というのは単なる設問に過ぎない。
ここで「○○の市場規模は縮小に入りつつあるのではないか?」
と仮説を立てることで、答えを出し得るイシューとなる。

②必要な情報・分析することが分かる
仮説を立てて、はじめて本当に必要な情報や分析が分かる。
つまり無駄な情報収集や分析がなくなる。

③分析結果の解釈が明確になる
仮説がないまま分析をはじめると、出てきた結果が十分なのか解釈が出来ない。その結果、労力ばかりかかることになる。

◎イシューを言語化するポイント
イシューを言葉で表現することではじめて
「自分がそのイシューをどのようにとらえているのか」
「何と何についての分岐点をはっきりさせようとしているのか」
ということが明確になる。
なぜ言葉に出来ないかと言えば、イシューの見極めと仮説の立て方があまいから。

①主語と動詞の文章で表現する
日本語は主語がなくても文章が成立するため、「進めていくうち皆が違うことを考えていることがわかった」という状況が生じる。
主語と動詞を入れた文章にすると曖昧さが消え、仮説の精度がぐっと高まる。

②「WHY」よりも「WHERE」「WHAT」「HOW」
よいイシューの表現は「~はなぜか?」という、いわゆる「WHY」ではなく、「WHERE」「WHAT」「HOW」のいずれかのかたちをとることが多い。

・「WHERE」・・・「どちらか?」「どこを目指すべきか?」
・「WHAT」・・・「何を行うべきか?」「何を避けるべきか?」
・「HOW」・・・「どう行うべきか?」「どう進めるべきか?」

※「WHY=~はなぜか?」という表現には仮説がなく、何について白黒をはっきりさせようとしているのかが明確になっていない。

③比較表現を入れる
「AかBか」という見極めが必要なイシューであれば、「~はB」というより「Aではなくて、むしろB」という表現になる。
例えば、ある新製品開発の方向性のイシューの場合であれば、
「テコ入れすべきは操作性」というよりも、
「テコ入れすべきは、処理能力のようなハードスペックではなく、むしろ操作性」とした方が何と何を対比し、何に答えを出そうとしているのかが明確になる。


④まとめ

・イシューとは何か?
著者の考え「知的な生産活動の目的地」
わたし『今答えを出すべき課題り『本質的課題』

・イシューが働き方改革を実現する!?
イシュー度・解の質が高い「バリューのある仕事」をすることで、働き方改革は実現できる。

・なぜイシューからはじめるの?
①目的意識がブレて多くの無駄を発生するのを防ぐため
②チームの立ち返れる場所になるため。
③基本に立ち返って、「そもそもこれは何に答えを出すプロジェクトだったのか」ということを整理できるため。

本文ではイシューとは何か?その効果や目的について記載しましたが、
本書には具体的なイシューの作成の手順や、それ以降のストーリーラインが記載されています。

社会人は必読のビジネス書だと思うので、ぜひ手に取ってみてもらいたいです。


★             ★               ★

著書:イシューからはじめよ 知的生産の「シンプルな本質」

発行日:2018年12月7日発行
著者:安宅 和人(あたか かずと)
発行所:英治出版株式会社

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