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ヘッドハンター名鑑vol.25

※掲載内容(プロフィール等を含む)は公開当時のものです。

今回は、株式会社ビズリーチ主催「JAPAN HEADHUNTER AWARDS 2021」にてメディカル部門のMVPを受賞された株式会社パソナJOB HUBの稲室稔氏による寄稿文を掲載いたします。

活躍する現役ヘッドハンターによる「業界の展望」と「今後活躍する人材層」についての寄稿をぜひご覧ください。

【稲室稔氏 プロフィール】
大学卒業後、大手総合人材会社での派遣事業の営業職を経て、サービス系上場ベンチャーにて経営企画業務を経験。2004年5月にパソナの人材紹介部門へ転職し、以来、コンサルタントとして15年以上のキャリア。マネジメントとしては不振部門立て直しや新規拠点の立ち上げなどを主導。エグゼクティブサーチへの強い思いから2018年9月よりパソナJOB HUBへ参画。人の健康や生活に密着した業界を中心に幹部クラスの人材サーチを手掛けている。

稲室稔氏による寄稿文

私は主に病院・クリニックといった医療機関や、調剤薬局、ヘルステックなどの医療サービスを手がけるクライアント企業に経営幹部人材をご紹介しています。
成長・変革期のクライアント企業とお仕事をご一緒させていただく機会が多いのですが、まさに業界全体が変革期といった現状です。
医療従事者をはじめとした人材の慢性的な不足に加え、2025年問題といわれる超高齢社会(65歳以上の人口の割合である高齢化率が21%超えた社会)が目の前に迫っています。
国の財源にも限りがありますので、医療費抑制の傾向は年々強くなってきており、業界の収益構造にもダイレクトに影響してきている状況です。
このような背景から、これまで通りのやり方では将来的に経営が立ち行かなくなるという危機感や、この状況をチャンスと捉え、次の成長に向けた攻めの経営にかじを切りたいというお考えを持った経営者からご相談をいただくケースが増えています。

キーワードは「多角化」と「効率化」だと思います。
多角化は、国の財源を収益の柱にしている事業だけでは先細り傾向にありますので、新規事業開発や別事業のM&Aをすることで組織を成長させながら収益のポートフォリオを分散させていく戦略です。
一方で従来の既存事業では、いかに限られた人数で質の高いサービスを提供できるかということが課題で、例えばICTを取り入れ活用することで業務改善や人手不足解消を図り、効率的な経営を進めようとしています。

これらの事業を推進するにあたり、クライアント企業からは異業種からの外部人材を採用したいというご要望がとても多いです。
これまでの医療業界はある意味、国の制度に守られてきたという側面もあり、他社との競争や経営効率を考えた組織運営を強く考える機会が少なかったともいえます。
そこで、ビジネスマインドの高い外部人材を採用することで、固定観念にとらわれないアイデアや視点を取り入れようということです。
特に新規事業開発やIT、また組織全体の経営管理に強みを持った方などのニーズが高まっています。

異業種からの採用・転職の場合、一番注意していることはミスマッチです。
普段からスキルマッチはもちろんですが、お互いに風土やスタンスで大きなギャップが起きないことを重視しています。
そのためには、求職者の皆様へは聞こえのいいことばかりではなく、経営者のタイプ、足元の課題、捉え方によってはネガティブな情報も含め、企業機密以外は包み隠さずお伝えするように心がけています。
課題が多いほうが燃えるタイプの方や、変化を楽しめる方、違った価値観でもまずは受け入れてみる柔軟性を持った方などは、環境が変わっても皆さんご活躍されていますね。

この業界の方々は、医療という社会インフラを守り、多くの人々が健康で幸せな生活を送ってほしいという熱い思いが根底にあります。
私も間接的にでもこういった価値提供に貢献したいと思っています。
求職者の皆様へは畑違いで「何で私に?」というスカウトをお送りすることもあると思いますが、しっかりご説明いたしますのでまずはお話を聞いていただけるとうれしいです。

次回のヘッドハンター名鑑は、2021年8月25日(水)公開予定です。


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