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ヘッドハンター名鑑vol.27

※掲載内容(プロフィール等を含む)は公開当時のものです。

今回は、株式会社ビズリーチ主催「JAPAN HEADHUNTER AWARDS 2021」にて広告・エンターテインメント部門のMVPを受賞された株式会社リッシの阿部憲二氏による寄稿文を掲載いたします。

活躍する現役ヘッドハンターによる「業界の展望」と「今後活躍する人材層」についての寄稿をぜひご覧ください。

【阿部憲二氏 プロフィール】
外資系広告会社に新卒入社、AEとして大手顧客を担当後、リクルートで転職情報誌の編集者として多くの経営者や求職者を取材。制作会社で携帯通信最大手の公式コンテンツ配信やWebメディア立ち上げと並行し、執行役員として採用や組織マネジメントにも従事。その後マーケティングコミュニケーション専門人材紹介会社でインハウスマーケティングとRA/CA両面型コンサルタントを経験し、2018年「THE MASSTER」の立ち上げに参画。

阿部憲二氏により寄稿文

私が人材紹介で専門としている「マーケティングコミュニケーション」領域の職業は、企業が自社の商品・サービスを購入・利用してもらうため、その対象者に対して情報を伝えて、まずは知ってもらったり、興味を持ってもらったり、好きになってもらったりする活動に、何らかの形で関わる仕事です。

こうしたマーケティング活動のトレンドは、かつての「大量一括告知」から「個別行動予測」に様変わりしている印象です。これはすなわち、マスからデジタルへのシフトとも言い換えられるでしょう。今年2月に電通が発表した「2020年 日本の広告費」によれば、マスコミ4媒体(新聞、雑誌、ラジオ、テレビ)の広告費が合計で2兆2,536億円なのに対して、インターネット広告費は2兆2,290億円と、マスコミに匹敵する規模となりました。
個人の行動を追いやすいデジタル広告が隆盛して久しいですが、「その人が見そうな枠に広告を表示する」から一歩進んで、「その人がどんな行動をしそうかを高い精度で予測して(購買)行動を促す」というマーケティング手法の存在感が増しています。

マーケティングのトレンド変容に伴い、必要とされる人材も変化してきました。この領域の人材紹介を行うなかで私がキーワードと感じるのは、「データ」と「クリエーティビティー」です。多くの企業にとって、事業課題を抽出し、戦略を策定するには、ユーザーの行動データが起点となります。単なる数値でしかないデータを読み解き、ストーリー(仮説)に昇華させられるスキルを持った人や、データ活用やDX(デジタルトランスフォーメーション)のコンサルティングができる人のニーズは高まることと思います。

一方で、データ分析から戦略を立て、戦術まで落とし込むなかで、画一的なアウトプットになってしまうと施策の効果が薄れると聞きます。データから導き出された戦略は踏まえつつ、戦術に落とし込む段階で人間ならではのクリエーティビティーやアイデア力を発揮するプランナーや、生活者のなかにあるインサイトをすくい上げ、言語化、ビジュアル化できるクリエーターも、企業には魅力的に見えることでしょう。

次回のヘッドハンター名鑑は、2021年9月8日(水)公開予定です。


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