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ヘッドハンター名鑑vol.5

※掲載内容(プロフィール等を含む)は取材当時のものです。

【中田莉沙氏 プロフィール】
1994年12月生まれ。神奈川県出身。成城大学卒。
学生時代よりスタートアップ企業でインターンを経験し、社員数10名以下の環境でオールラウンドプレーヤーとして活動。大学卒業後、日本のお金の流れを変え成長産業に寄与すべく野村證券株式会社へ入社。法人営業として従事。
成長産業に自身が浸かり、外からではなく内から変化を促進したいという思いから、2018年2月にフォースタートアップス株式会社に入社。
現在は同社タレントエージェンシー本部シニアキャピタリスト兼エンジニアプロデュースチームのプロジェクトマネージャーを務める。

インタビュー

Q. 新型コロナウイルス感染症の拡大による、ご自身の業務などへの影響はいかがでしょうか。

弊社のクライアントは、主にテクノロジーを活用した事業を行っている企業が多いので、オンライン化というところで困った点はほとんどなく、むしろこのタイミングではオンラインのツールなどを提供している企業は業績が伸びているので、積極的な採用が目立ちました。導入社数が増えたことや、サービスを向上させられるタイミングでもあることから、引き続きエンジニア求人は増えています。
スタートアップ系全般で見ても、デジタルトランスフォーメーションをテーマとしたプロダクトは強く、導入を検討していたものの見送っていた企業からの問い合わせも増えており、同様に業績が伸びている印象です。
ビジネスサイドの求人は一部で様子見の姿勢になったところはありますが、採用のハードルが少し高まったところで、「トップラインを伸ばせる方」や「組織設計ができる方」の市場価値は高まっている傾向があります。

Q. 今後伸びていくと思われる企業の傾向があれば、ビジネスモデルや業界以外の観点でお聞かせください。

特にスタートアップ企業が課題に感じていることは、新型コロナウイルス感染症拡大前と現在で大きな違いがあるわけではありません。私たちの会社はHRパートナーとして、起業家や投資家と連携して情報交換できるのが強みなのですが、やはり企業としていち早く意思決定できているかが重要だというのは感じています。また、特に経営層が採用活動に対して積極的に取り組んでいるか否かで、その後の事業運営に差が出ています。組織が大きくなるうえで変化は必ずあるものなので、経営層が会社の変化を察知し、対応し、文化創りに注力している企業は強いと思います。

Q. スタートアップの動向や、今後ニーズが高まっていく職種についてお聞かせください。

もはやスタートアップですと職種の区分が難しいです。職種で役割が明確に分かれているという世界ではないためです。ただ、そのなかでもいえることがあるとすれば、「コロナ禍」で新しい生活様式が生まれ、何が本当に必要なのか、ふるいにかけられたように感じます。この状況を想定していたわけではなくても、例えば飲食店などダイレクトに影響を受けた事業者に対してのクラウドファンディングや、生産者と消費者を直接つなぐマーケットプレイスは、「withコロナ」のなかで一気に需要が高まっています。
スタートアップの動向という点では、今の働き方がスタンダードになっていき、旧態依然とした企業は、柔軟さがないと今後伸びていくのが難しい可能性があると感じます。以前なら出勤して勤怠をつけてということだったので、残業時間も正確だったところが、リモートワークになってからは仕事とプライベートの線引きが曖昧になりサービス残業が増えたという方の話も聞きますし、従来の制度だと新しい働き方に合わなくなってきているのでしょう。この状況下で、あらためて「自分はなぜこの会社で、何のために働いているのだろう」と振り返るタイミングなのだと思います。
ここ数年、大手からスタートアップへの転職の流れが続いているのは、まさに社会的な地位以上に「自分にとっての価値」を判断の軸にされている方が増えてきているからだと思います。

Q. ビズリーチを利用するにあたって、何か工夫されていることはありますか。

多くのヘッドハンターの方が、優秀な会員の方にスカウトを送っていると思うので、やはり「なぜあなたをスカウトするのか」を明示するように心がけています。それと同時に、ご自身だけでは得られない情報や、なかなか見つけることができない企業をご紹介するようにしています。
先ほども申し上げたように、弊社の強みは起業家や投資家とタッグを組んで採用支援を行っていることです。そのため、創業間もないスタートアップの特別な求人を保有していること以外にも、まさに起業段階という企業でポジションづくりなどを実施することで、他社との差別化を図っています。
また、1人の求職者に対して1つの求人を提案する際も、弊社はスタートアップ市場全体の情報を幅広く保有しているので、その歴史的な系譜や将来像といった全体像をお伝えします。そのうえで、事業の優位性や魅力、起業家から直接聞いている事業内容や創業の背景などを、その熱量と共に伝えるようにしています。

Q. この仕事をしていて、大切にしていることは何でしょうか。

企業に対しては、「いかに巻き込めるか」です。経営層の考えを候補者に伝える場を、どのように創出できるか、また現場の方にヒアリングを行い、ポジションに関する理解度をいかに上げるか。
求職者に対しては、仕事はご自身の大切な時間を投資しているという面もあるので、そこに対してできる最大限の提案をしようと考えています。
以前支援したEC企業様でのエピソードになりますが、CTOの方と直接お話をするなかで、技術的負債だけでなく、急加速的なメンバー採用によるミドルマネジメント層の不足が浮き彫りになり、その課題を解決できる方をご紹介したことがあります。採用直後から非常に高い評価をいただき、すぐに社内の重要ポジションにアサインされていました。
経営層との対話を通じて、表面的ではなく本質的なニーズを捉えることで、企業と求職者の双方にメリットのある転職支援ができると考えています。

次回のヘッドハンター名鑑vol.6は、2020年9月21日(月)公開予定です。


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